AIとBIはいかに人間を変えるのか (NewsPicks Book) [Kindle]

著者 :
  • 幻冬舎
3.63
  • (7)
  • (12)
  • (7)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 109
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (269ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • AIにより知的労働は人間がやる必要がなくなり、それにより生まれる経済格差を減らすためのBIが必要だという本。BIの財源やお金周りの考え方はよくわかったが、感情論をどう乗り越えるかの持論が哲学的であまりピンと来ず。数字的根拠だけで成り立つならそれでいいんじゃないかなー。8万くらいもらえるらしいよ。

    メモ
    AIには特化型と汎化型があり、今はまだ特化型が主流。
    人間が判断を下す際の感情や経験はAIには判別できないため、人間の行う行為のうちの知的経験のみが機械化される。身体性が求められる仕事はできないため、人間がAIをうまく使う世界が必要。
    BI最大の理由は経済格差。経済格差がありすぎて消費の中心となる中流階級以下の経済が発展しないと経済はまわらない。資産格差がその経済格差を生んでいるのでBIの財源はそのへんにかける税金が中心。消費税は15パーセントへ。
    AIの発展により日本の仕事量は3時間くらいになる可能性もある。やりたいこと、おもしろいことをやる時代へ。

  • ベーシックインカム

  • AIとBI(Basic Income)のお話。Business Inteligenceかと思いました。
    Audible

  •  AIとベーシックインカムという着眼点が良い。
     3章以降の、ベーシックインカムとAIの未来の話は面白い。
     けれど、1章のAIについても、2章のベーシックインカムについても考察が浅い。
     まずAIについて。
     音楽や絵画は人間が生み出すからこそ、人の心を揺さぶるものができるのであり、AIが生み出すものは模倣でしかない、としているが、AIがつくりだす音楽は、評価者が「人がつくった」という先入観がない状態であれば、人がつくったものと遜色ないものが生み出されている。
     芸術に解釈をもちこむのは、見る人聞く人であり、制作者はすでに人である必要はないだろう。
     この本は2018年発行だが、日々進化するAIについて、3年前に書かれた『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)』の方が目新しい内容も分析も深い。
     次にベーシックインカムについて。
     ベーシックインカムの財政について、試算が、ベーシックインカム導入後現在の終始を保っている前提で計算しているのは、あまりに的外れに思える。
     多くの人が仕事を辞めない理由として、他国の実験の結果からも裏付けられるとしているが、そもそも、その支給が恒久的でないのなら、仕事を簡単に辞め、働くことも辞めようと考える人が少ないのは当たり前である。
     一時的な支給であるならばそうなる。そして一時金であるならベーシックインカムの意味がない。
     私は別にベーシックインカム反対派ではない。むしろ期待している。
     日本は現在、時間あたり、ひとりあたりの生産性が低い。
    労働は苦痛だけど、食べるために働かなければならない、というモチベーションの低さが影響しているだろう。
     ベーシックインカムによるやりたくない仕事はやらなくてよい、という仕事をしている人のモチベーションが向上による生産効率の向上や消費拡大による生産増、更に、世界的に最初のとりくみを導入することによるイノベーションの促進。
     正の面を数値化し、負の面も精神論でないと切り捨てず、計算し数値かし、その試算をだしてほしかった。
     考察は浅いが、AIやベーシックの入門書として表面を知るためには有益であり、また着眼点が面白い本であった。

  • AIによって単純労働からの解放。ベーシックインカム(BI)によって、「単に生き延びるだけの人生」からの解放。そして、AIとBIが結びつくことで、人類は新たなステージに行くことができる。

  • 意外や意外!「あとがき」に実は最も深い事が書かれている。
    最初に「あとがき」を読んでも、おそらく「腹落ち」しないだろう。
    この本は、例え知っている知識があったとしても、読み飛ばしなく、前から順番に読み進める事をおススメする。
    つまりステップを踏んで理解を深めないと、実は最後が深く心に刺さらない。
    昨今のAIブームで、AI(=人工知能)に関する情報は比較的増えている。
    さらに、BI(=ベーシックインカム)についても各所で議論されている。
    日本で導入可能かどうかは分からないが、これから未来に向けての「貨幣制度の転換」も見据えると、実は真剣に議論すべき話なのである。
    特にこの「AI」が「BI」を引き起こすという関連付けが新しい。
    それぞれ単体で話をするよりも、結果同じ内容なのだから、一緒に議論しましょうよ、という提案なのだ。(それが「あとがき」に集約されていくのが、書籍の作りとして秀逸なのだ)
    今この時代に、このを読むことは、非常に意味がある。
    産業革命によって、人々の生活(というか、人間そのもの)が大きく変化した。
    そして、今、まさに、産業革命以来の、人間そのものの大変革期だ。
    民主主義、資本主義、貨幣経済が、全部すっ飛んでしまいかねない未来。
    今までは「利益を上げて、お金儲けをすれば幸せ」だった。
    「働く」ことで、豊かになり、ほとんどの人が「幸せ」になれた。
    その「幸せ」の定義が大きく揺らいでしまう。
    だって、AIが超効率的に生産性を上げて、人間が働く必要のない世界が訪れるのだから。
    「働かざる者、食うべからず」が成り立たない時代に突入していく。
    有史以来初めての「働かざる者、食ってよし」の時代。
    そんな未来に我々は「何を目標に」生きていけばよいのか?
    「あとがき」が遠慮がちに、しかし本質を哲学的に語るのが面白い。
    是非読んでほしい一冊!
    (2018/04/29)

  • そうだったのかBI(ベーシック インカム)って、初めてBIに興味を持った本
    当初AI関連の可能性を探すために読んだ本でした。BIもビジネスインテリジェンスの事だと思って選択したトンチンカンです。AIにより単純労働から解放したいと研究している一人として恥ずかしい思いです。
    去年パートナーがBI(ベーシックインカム)について熱く語っていたけど、スルーしてました。仕事にかまけて世間に無関心を反省しています。
    「働かずもの食ってよし」バリアフリーの本質だと思いました。
    国や市町村のため、納税者のため、国損等ないように働いている人達を解放し、同じ国民がギスギスしないような、そんな制度を試行する時期に来ているのかもしれません。そんな事を考えさせられる素晴らしい本です。
    世界スケールで、できたらもっと素晴らしい、そんな思いが少しでも広がって欲しい
    そのためにもAIを進めたいと改めて思いを強くしました。
    BIの入門書

  • AIが進化すると、AIを所有する資本家だけが儲かり、多くの人々の所得が減少したり、失業したりする。すると消費が減退・縮小し、経済が衰退する。そこで、BIで資本家の富を再分配する必要がある。
    AIが世の中を豊かにするためには、再分配が不可欠。
    私が生きてる間には実現しなさそう。

  • SFの読みすぎなのでいずれAI搭載ロボを各家庭が所有し、彼らが出稼ぐことによって人間たちが生活していくような社会になったら面白いなと思っていたけれど、そういえばBIなんて実地可能そうな取り組みがあったわ 筆者が行政・官僚機構をいかに凄まじく憎んでいるかを痛烈に感じ取り読んでいて笑ってしまった

  • AI(人工知能)とBI(ベーシック・インカム)について知るとともに、AIとBIが導入されたとき人間はどう生きるべきかについて論じた本。

    AIとBIについてわかりやすく解説されており、AIとBIを知りたい人は最初に本書を読むといいでしょう。

    AIが普及することで人間が行う仕事が減り、BIにより最低限の生活保障を誰もが受けられるようになったとき。「働かなくても食える」時代となったとき、人間の生き方は変わらざるをえません。どう変わらなくてはいけないのかの提言も本書に書かれています。

    これからの時代を生きるには「哲学」を学んでおく必要があると思います。

全17件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

波頭 亮(はとう・りょう):1957年愛媛県生まれ。東京大学経済学部卒業。マッキンゼーを経て、88年㈱XEEDを設立し独立。戦略系コンサルティングの第一人者として活躍する一方で、明快で斬新なヴィジョンを提起するソシオエコノミストとしても注目される。著書に、『プロフェッショナル原論』『成熟日本への進路』『論理的思考のコアスキル』(以上ちくま新書)、『知識人の裏切り』(西部邁との対談、ちくま文庫)、『経営戦略概論』『戦略策定概論』『組織設計概論』『思考・論理・分析』『リーダーシップ構造論』(以上、産能大学出版部)、『AIとBIはいかに人間を変えるのか』(幻冬舎)ほか多数。

「2021年 『文学部の逆襲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

波頭亮の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×