三体Ⅲ 死神永生 上 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 三体の地球への侵略はロシア連邦のウクライナ侵略と重なる。それにしては人間の三体人や智子への態度が御都合主義的である。

  • 第三部▲三体世界の侵略に対抗すべく立案された切り札「面壁計画」その背後では極秘仰天プラン「階梯計画」が進む▼情報格差に伴う多様化が廃れた故?人類社会の心の移り行き、価値観、世間の目が気持ち悪い。〈大移住〉顛末は、あるあるで〈狂乱の時代〉の念押しか。智子の姿かたち「刀を背負って迷彩服に黒布の忍者スタイル」とか「結い上げた日本髪に生花を挿し豪奢な着物に身を包む」と奇天烈さに意味がある?SFガジェットは秀逸で解りやすく〈藍色空間〉の活躍が嬉しい。Ⅱで羅輯が救われたように、愛が宇宙を救ってしまうのか(2010年)

  • 最終巻。ここまで2年くらいかかった気がする 90

  • 前巻ですでに物語としては完了していると思ったらまだ続いていると思い続巻を読みました。

    最初は果たしてここから物語がどのように続くものなのか?と疑問に思いながら読んでいたのですが、次第に物語がすごい方向に進んでいて引き込まれました。
    程心と雲天明の話が一体どのような結末を迎えるのか気になりながら読んでいける。
    他方反人類罪とされた青銅時代の正義に関する話は、人というのは本当にそういう立場になったらそうなるのかもしれない、と思わせる部分があり考えさせられる。

    ルオジーが時代をまたいで頑張って執剣者を実施し続けているのは驚きではあるしどういう人物像としていたのかははっきりわからなかったけども、最後の掛け合いなどもすごく興味深くて面白く読めた。

    暗黒森林の論理はすごく興味深かった。それに対して対応策という部分についてもすごく面白くて引き込まれた。下巻も楽しみ

  • 智子かわいいよ!怖いよ!かわいいよ!

  • すばらしいSFです

  • 狡猾な三体文明に翻弄されて地球はかつての三体文明のように興亡を繰り返すことになります。時間の流れは更に加速し次元も拡張していきます。前作の黒暗森林を凌駕する怒涛の展開、散々広げた風呂敷が最終巻でどんな収束をみせてくれるのか、とても楽しみです。

  • 泣いた。ここまで出会えないヒロインと主人公がいただろうか。想像を超える壮大なストーリー。宇宙を超え、時空を超え、一体人類はどこまでいくのか。初代のルオジーは最後までかっこよかった。202110?

  • 重層的に物語が広がっていくのは見事。

  • # 三体Ⅲ

    三体Ⅱで完結したかと思っていた。暗黒森林理論に基づいた抑止効果というルオ・ジーのあっぱれな作戦が成功し、それで三体は完結かと思っていた。しかし、言われてみれば当然、ルオ・ジーはいつか死ぬ(少なくとも寿命で)。それを考えると当然その抑止を維持するためにルオ・ジーの後継者が必要になる。三体Ⅲでは、その続きが描かれる。

    最後の最後まで地球なんとか助かれ!と思ってたけど、あ助からないんだ…。最後、程心と天明が再開して二人はハッピーかと思ったらそれも会えず。ほぼバッドエンド。

    宇宙はビッグバンとビッグクランチ(宇宙創造と破滅)を繰り返すんだというスケールがデカすぎる諸行無常をかましてくる。

    危機紀元:三体危機が訪れてからの時代。

    抑止紀元:ルオジーの作戦成功によって、三体の攻撃を抑止している時代。

    送信紀元:抑止が崩壊し、万有引力が重力波送信してからの時代。

    - 第一章(危機紀元)
    - 航空宇宙エンジニアの程心と、末期がんで安楽死を選択した雲天明。星群計画(恒星を競売にかけて販売する)において、天明は恒星を購入し、匿名で程心にプレゼントする。三体文明に対して偵察を送るために冷凍保存された脳を載せて送り出す階梯計画。一切減速機構を搭載せず、あえて三体側にキャッチさせるという作戦に脱帽(だって智子によって全部筒抜けなんだよ?それでも三体人は我慢できずにキャッチするだろうと。そして脳を三体側の高度文明によって復元させると。敵を操りすぎだろ。やば)その送り込まれる人間(脳)として天明は手を上げる(程心に憧れていたから)。しかし打ち上げは失敗し、打ちあがった船は想定外の方角へ飛んでいってしまう。
    - 第2章(抑止紀元)
    - 三体との戦闘の際、地球から逃亡した2つの艦隊「青銅時代」と「藍色空間」。「青銅時代」は地球からの呼びかけに応じて地球へ戻ったところで全員逮捕される。逃げる「藍色空間」を新型の宇宙艦「万有引力」と三体側の水滴2機が追う(両者共通の標的ということで協力関係)。「万有引力」は重力波送信器を搭載していて、暗黒森林抑止システムの一部でもある(他に地球上に2機あり)。
    - 「万有引力」の乗組員たちはここで奇妙な幻覚を見る(見ていたのは4次元空間だったことが後にわかる)。
    - 抑止紀元、程心は冬眠から目覚め、三体文明と地球文明が適度なバランスを保っていることを知る。三体文明は地球に多くの技術情報を提供していた。暗黒森林抑止をルオジーの後任としてソードホルダーになることを全地球人から期待される。その役目を引き受けた瞬間、三体側は人類へ攻撃を仕掛ける。三体の予想通り、程心は両者の位置情報を全宇宙へ重力波送信するためのスイッチを押すことができなかった。
    - これにより、三体文明は智子を通じて地球をただち制圧、新たな艦隊(4年で到着できる)を出発させ、全人類を強制的にオーストラリアへ移住させる。地上の地獄具合がやばい。しかし遠く離れ、通信も途絶えていた万有引力は緊急事態を察知し、重力波送信を実行する。その事実が1年遅れて地球へ到達し、三体文明は地球を諦め、撤退する(三体も地球も、暗黒森林理論に基づいて、他の高度文明に滅ぼされると考えられるため)。
    - 「藍色空間」と「万有引力」の乗組員たちは4次元空間に遭遇する。
    - 第3章(送信紀元)
    - 三体の惑星は理論どおりに暗黒森林攻撃により破壊されてしまった。
    - 智子が地球を去る前にルオ・ジーと程心と会談を持った。そこでルオジーは「地球は安全な星であると全宇宙に宣言し、暗黒森林攻撃を避ける方法はあるか」と質問し、智子はあると答える。ここから人類による安全宣言の方法の追求が始まる。
    - 天明は三体に鹵獲されており、生存していたことが判明。智子の仲介により、程心と天明は遠隔で接触することができた。そこで天明は程心に寓話を聞かせる。その寓話は安全宣言のための重要なヒントがあるのではないかと人類は解読に試みる。
    - 地球文明生存のためには3つの道が案として持ち上がった。掩体計画(バンカープロジェクト、木星や土星の陰に隠れる)、暗黒領域計画(ブラックドメインプロジェクト、光速を遅くすることで高度技術を手放す)、光速宇宙船プロジェクト。
    - 光速宇宙船プロジェクトは、三体文明を観察し、光速へ突入した際に航跡が残ることを発見し、余計に自らを危険に陥れると判断し頓挫。光速宇宙船開発は禁止されるが、トマス・ウェイドは程心のすべてを渡せば高速船を作ってやると言い、程心は自分の会社、星環グループを明け渡した。また、開発途中で人類に危険を及ぼす可能性があれば冬眠から起こすことを条件に冬眠に入った。
    - 第4部(掩体紀元)
    - 程心が再び冬眠から目覚めるとそこは掩体世界、木星の裏に浮かぶ都市だった。「掩体計画」にもとづき、地球人は地球を離れ、木星や土星などの裏に生活の場を移し、暗黒森林攻撃に備えていた。
    - 暗黒領域計画の研究もされていたが、光速を遅らせる技術開発は全く進んでいなかった。トマス・ウェイドによって、光速宇宙船プロジェクトについても進められていたが、人類に対する危険があることから程心がプロジェクトを停止させる。

    第5部

    - 暗黒森林攻撃を行っている第三の文明目線の場面。曰く、すべての文明は潜伏遺伝子(他文明から隠れる)か浄化遺伝子(他文明を攻撃する)のどちらかを持っていて地球文明は危険文明と判断される。この時従来の光粒では攻撃の死角が生まれる(つまり掩体計画を見破っていた)ため、別の双対箔(全てを二次元に飲み込む紙切れ状のもの)によって攻撃をした。(またこのシーンの中で、暗黒領域計画が唯一の人類が生き残る方法であったことが示唆される)
    - 放たれた双対箔は時間をかけて太陽系を徐々に飲み込んていくが、ルオ・ジー会いに行くと実は光速船が存在していることが判明(また、あの時程心がプロジェクトを停止してなければより多くの地球人を救出できたことがわかり、程心は2度も選択を誤ったことになる)。程心とAAだけがそこに乗り、あの天明が程心に贈った恒星へ。
    - その恒星は2つの惑星を持っており、一方のブループラネットは人類が生きていくのに適した環境だった。到着するとそこには<万有引力>乗員の関一帆が待っており、すでに人類が到達していたことがわかる。関と程心がもう一方の惑星の探索から戻ってくるところでAAから天明が現れたと通信が入る。ブループラネットに戻ろうとしたところで暗黒ゾーンに落ちてしまい、ブループラネットに戻った時には1800万年が経過していた。
    - はるか昔に天明もAAもいなくなっていたが、そこには別世界(小宇宙)へ繋がる扉が残されていた。それは天明からの新たな贈り物だった。大宇宙が崩壊するとき、この小宇宙でやりすごすために。
    - しかし、多くの小宇宙が作られたことにより、大宇宙の質量が小さくなり、このままでは再収縮が起きず、リセットされないことがわかる。程心はこの小宇宙の物質を全て大宇宙に返すことを決め、自らも大宇宙へ飛び込んだ。おしまい。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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