- Amazon.co.jp ・電子書籍 (272ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
今井むつみ/秋田喜美「言語の本質:ことばはどう生まれ、進化したか」https://www.chuko.co.jp/shinsho/2023/05/102756.html ゆる言語学ラジオ経由。オノマトペの話が8割(なので言語といっても日本語メインの内容)でそれがめちゃくちゃおもしろかった。あとアブダクションすごい。ヒトと動物の違いは想像力だというのが持論なんだけどこのアブダクションの話でさらに持論が強まったわ
-
タイトルなどこかにオノマトペを入れておくべきだと思った。
-
■趣旨や概要、
この本の主張はオノマトペは正式な言語ではないと考える言語学者に異を唱えるもので、本書は大御所の主張した言語の恣意性、この大原則 を覆す挑戦だそうだ。
オノマトペから言語が発達したのでは?という考察。
よってオノマトペの体系化の話が3割強。
具体的には言語の本質であるコミュニケーション機能、意味性、超越性、継承性、習得可能性、生産性、経済性、離散制、恣意性、2重性の観点からいかにオノマトペがか言語的か推論考察していくのが主。以降もオノマトペを主軸として、言語の進化や人間のもつ特性が展開される。
概要を掴むのに終章から先に読んでも良いと思う。
■自身の重要な箇所メモ
第4章以降は、タイトルから欲する情報と近いかな。
オノマトペは言語習得の足がかりであり、感覚モダリティ(感覚器で感知する固有の経験の種類)や身体性の言語との親和性があることを再度説く。
5章以降、感覚的言語から離れた認知記号であるその他の言語についても考察される。
手話の公用語ニカラグア手話のリアルタイムに言語の発展を見ることができる。
その現状と歴史と合わせ、言語が恣意的に発展するまでのプロセスの仮説を説く。
6章では
オノマトペから離れ
言語習得における、推論のメカニズムから記号設置問題や論理的思考、思考バイアスにも話が及んでいく。
子供の言語の一般化を学ぶ意味づけプロセスが、論理的に合ってたり間違ってたりするのが、国によって慣習的な違いからによるのが非常に興味深い。
感覚的に関連性を分析して新たに創造していく力が元々備わっているというのだ。
7章では
人類と動物をわかつもの。
対称性推論。構造や関係類似性による意味づけからくる認知範囲内による推論。過剰推論である。
終章は
本書の概要と言語本質の定義。
■感想
言語の慣習を守る力と新たな創造的逸脱の力との戦い、この辺に興味があって読んだ。
いわゆる若者言葉やネットスラングの生まれ方と継承性に興味があった。
前世代にはつながりが見えないほどの隔たりが生じる非継承型。そのへんは「経済性」や「意味の派生によってアイコン性を失う」の中で少し触れられているが、大まかに言えば、同音異義語でしかない。
幼児性を帯びる響き、ぴえん、ぱおんに代表される造語の意味づけの過程は音の類似性ということだけ記してあった。
声や音はオノマトペの中でも下等レベルのものだ。
5章以降、特に6章の言語の習得の過程が面白かったが、所々難しく混沌としてしまった。特にアイコン性の輪の図で、1次と2次の意味づけがわからなかった。フープーブーであれば2次に時系列で派生したって言う事であればわかりますが。
動物について思う事。
カラスは方言や基本的言語はあると聞きますし、動物は過剰推論は動物は弱いというが
盲導犬の利口な不服従はここの範囲では?とは思うのですが…。危機的生命維持の本能の方かな?
AIについて思う事。Wikipediaの言葉を引用すると「AIはこれまで人間にしかできなかった知的な行為(認識、推論、言語運用、創造など)を、どのような手順(アルゴリズム)とどのようなデータ(事前情報や知識)を準備すれば、それを機械的に実行できるか」を研究する分野である[1]という。
五感知覚経験がなくとも、物語や、理解していなくても感想を書けたりすることは、現在のAIにもできつつある。
ただアルゴリズムを与えるのは有識者の人間だ。これを忘れそうになるから漠然とした不安はつきない。SF映画の見すぎか。
なにせAIは疲労や老いや病気がないからなぁ。
-
例えば身近な例でいうと、名刺代わりの〇〇。〇〇には映画、小説、音楽などが入るだろう。私世代から言うと、名刺の役割における経験的設置が違うので...例えば身近な例でいうと、名刺代わりの〇〇。〇〇には映画、小説、音楽などが入るだろう。私世代から言うと、名刺の役割における経験的設置が違うので「好きな、愛する、影響を受けた」のプロフィール帳の中のような意味で使うのは私にはできない。https://www.ibos.jp/aibosu61.html
2023/12/04 -
お客様に粗茶です。と言ったのを聞いた子供がどうして粗をつけるの?の疑問に「お客様には粗をつけるものなのよ」返答したゆえに、その子は自分の猫を...お客様に粗茶です。と言ったのを聞いた子供がどうして粗をつけるの?の疑問に「お客様には粗をつけるものなのよ」返答したゆえに、その子は自分の猫を「これはうちのソ猫です」と言って猫をお客様に紹介したっていう話とか思い出してしまう。
かわいそうな猫2023/12/04 -
私の中の名刺の定義は
どんな活動をしているか社会的に認められた情報。それ故個人情報の価値も上がる。
手土産でいうところの慣用の使われ方はも...私の中の名刺の定義は
どんな活動をしているか社会的に認められた情報。それ故個人情報の価値も上がる。
手土産でいうところの慣用の使われ方はもっと意味がライトになってしまっている。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%89%8B%E6%9C%AD%E4%BB%A3%E3%82%8A/2023/12/05
-
-
なぜ人間だけが言語を用いるのか、それは他の動物にない推論エンジンを使えているからというのは面白かった。想像し抽象概念を扱える能力ゆえ、言語を使い進化してきた。逆に言えば言語の習得に必要なのは、無いものを想像する力とも言える気がした。
-
面白すぎる。専門家が一般向けに本を書く際のお手本になるような本だ。若い頃にこんな本があれば、この道に進んでいただろうと思わせてくれる。
-
面白かった。言語を通して発達を考え、発達を通して言語を考える本。
-
第104回アワヒニビブリオバトル 出張!アワヒニビブリオバトル テーマ「秋におすすめの1冊」第2ゲームで紹介された本です。ハイブリッド開催。チャンプ本。
2023.10.14