- Amazon.co.jp ・電子書籍 (272ページ)
感想・レビュー・書評
-
人はどのようにして言語を得るのだろうか、なぜ人だけが言語を話すのだろうか。言語に関するそういった謎について、新たな視点から解き明かされた内容が書かれています。言語を話す初期段階で頻繁に使用されるオノマトペについて、その種類や使われ方について詳しく分析をされています。そこから分かってきたもの、言語とオノマトペの違っているところ、互いを橋渡しするもの、言語というものの仕組みについて幼児期の子供が学ぶヒントになるものがあることなど。なぜ人は教えられずに話せるようになるのかについて理解が深まりました。またそこから人間という種が、他の動物とどう違っていて、そこから言語にも含まれる学ぶという習性についても新たな知見を知ることが出来ました。人間についてより深く知ることのできる内容となっています。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オノマトペの研究にとどまらず、言葉はどう進化してきたのか、人はどうして言葉を習得したのか、日本語はどういう特性があるのか、その特性はなぜそう特性づいたのか。
奥深い研究で、これまでオノマトペの存在すらも認識していない自分にとっては驚くことの多いインプット。 -
「ゆる言語学ラジオ」を聞いて赤ちゃんの言語習得に関心を持ち、この本を読了。言語習得は人間を人間たらしめているような気がした。あと、自分の子どもの言い間違いを聞くのが楽しみ!!
-
大変面白かった。オノマトペは言葉なのか、言葉の接地をどう考えるか(中国語の辞書だけ渡されて中国語を学ぶことはできない)から始まって、人と動物の違いとは何か??に迫る流れが壮大で納得感もある。
人を人たらしめているのはアブダクション推論だと。(演繹的・帰納的とは異なる第3の論理。強いていうなら帰納的に近くはある)
因果関係を逆転したり、ものごとを過度に一般化したり…はよくやる過ちだが、それが赤子の頃から備わった人特有の思考だと知れた。
仮説検証って大事だなあとか思った。 -
・子どもが自分の気持ちや考えをうまく表現できないことに寛容になれる
・寛容になれるだけでなく、どうして表現できないのかな?と寄り添うマインドを持てるようになる
・言語の習得は難しくもあり、興味深くもある
・オノマトペから言語の本質をさぐっていくワクワクがある
(研究者の苦悩を垣間見ることができる) -
今井むつみ/秋田喜美「言語の本質:ことばはどう生まれ、進化したか」https://www.chuko.co.jp/shinsho/2023/05/102756.html ゆる言語学ラジオ経由。オノマトペの話が8割(なので言語といっても日本語メインの内容)でそれがめちゃくちゃおもしろかった。あとアブダクションすごい。ヒトと動物の違いは想像力だというのが持論なんだけどこのアブダクションの話でさらに持論が強まったわ