江戸の商売アンソロジー。すっかりアンソロジー好きになってしまった。手軽なので細切れ時間に上手く合うこらか、それともせっかちになっているのか。朝井まかては銭湯物。当時の銭湯が目の前に現れるかのように詳細。特に、囲碁をやったり、物を売ったりする社交場があったこと、湯屋株という証明書?みたいなものが無いと営業出来なかった事など、細かい。そこに銭湯の娘の話と両親の話を混ぜてうま〜くできあがってて、説明臭くない。
西條奈加の「千両役者」がストーリーは面白い。ちょっとした推理物。いつの時代もイケメン役者にはタニマチ的なファンがいるという話に、役者を使った料理屋の宣伝、ファン同士のいざこざを当てはめてあり、終わり方も気持ち良い。ラストを飾る宮部みゆきは不思議な掛け軸とコレラの流行の話。ちょっと妖的な要素も…このなんとも言えない奥の深さは宮部みゆきならでは?現在の状況とも重なり、昔はどれほど大変だったろうと思う。
読書状況:読み終わった
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文庫
- 感想投稿日 : 2021年2月11日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2021年2月11日
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