笠井潔氏のミステリは大好きなのだが、作品と作家の思想が別だというのはもう散々思い知ってきたこと。
「見たくないものを見ろ」と、最悪のケースを提示し、不勉強をなじる。ごもっともなのだが、知識人の方々の例に漏れず「ネトウヨ」というレッテル貼りと憎悪、政府を馬鹿にする態度はちょっといただけない。
彼らの言う「反知性」が何なのか良くわからない。「俺たちの思い通りにならないもの」ということなのか?
「俺たちは頭が良く、あいつらはバカだ」という認識は、本書で語られるある種の人達と同じ思考形式ではないか。相手も普通に賢い人々だ、という認識を持たないと、実は自分たちがもっと頭のいい誰かに操られているのだとしても気づかないだろう。
批判する時に「聞いた話」「噂」ばかりが根拠になってるのも思考バイアス感が強い。
彼らの理想である主権国家の超越の実現にはネットの利用、ネット住人の協力は不可欠だろうに、それらを敵視してる。
仲の良い人たち同士で思念がグツグツ煮詰まっていくさまは「オタク」の深化と違いがあるのだろうか。
読書状況:読み終わった
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実用
- 感想投稿日 : 2015年8月25日
- 読了日 : 2015年8月25日
- 本棚登録日 : 2015年8月25日
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