「決して忘れてならないのは、いつか戦争は終り、歴史的な箇所のすべてが色褪せるということだ。1952年の読者も2052年の読者も同じように引きつけることのできる出来事や争点をなるだけふんだんに盛りこまないといけない」と1942年6月2日に記した作家は、一月後、連行され、同年にアウシュビッツ収容所で逝去した。

この小説は、五部構成となる予定であった。二部まで完結をみた原稿と執筆計画に関するメモや他の原稿、書簡等は家族の元に残され、同じくユダヤ人で妻と同じ運命を辿って亡くなった著者の夫から娘に託された。
これらの入ったトランクは長女が保管していたが、中は長期間開けられず、2004年にやっと世に出た。作品はたちまち大きな反響を引き起こし、各国語への翻訳も行われ、日本でも2012年、野崎さんと平岡さんの翻訳により刊行された。

この小説は、さまざまな意味で奇跡である。
著者の悲劇的な数奇な運命と甦るように閉じられたトランクから出てきた作品度はすばらしいものであった。

イレーヌ・ネミロフスキーは、ロシアでもっとも有名な銀行家の一人娘として1903年にキエフで生まれた。ユダヤ人であった両親はロシア革命によりフランスに亡命した。イレーヌもソルボンヌで学んでいる。
同じくロシアより逃れてきた裕福な銀行家の息子のミシェル・エプタンと結婚し、パリに新居を構えたのちフランス国籍となる娘を二人産んだ。

1929年彼女の処女作『ダヴィッド・ゴルデル』はベストセラーになり、舞台化、映画化され、数ヶ国語にも翻訳された。
その後も精力的に執筆を行い、中篇の『舞踏会』も映画化されたという。
本作『フランス組曲』は彼女の遺作になるが、天性の才能のうえに作家としてより油ののっている年齢や時期に時代の凄まじいうねりのなか著された未完の珠玉の作品である。

著者がバッハのフランス組曲を頭の中にいれてこの小説を構想していることは明らかである。
第一部の「六月の嵐」と第二部の「ドルチェ」はそれぞれに単独としても十分に重厚な完成度のある作品であるが、第一部と第二部に関連性を持たせ、バルザックの人物再生法を緩やかなかたちで取り入れている。

「六月の嵐」では、ドイツ軍が侵攻し、とにかく南へ南へと逃れていく人々のさまを中心に描く。
実に多くの人々が登場し、尚且つ複数の視点を映画の鮮やかなカッティングのようにどんどん繰り出すも読者を混乱させないのはひとえに作家の筆力である。

第二部の「ドルチェ」に舞台はフランスの田舎町。駐留するドイツ軍兵士は民家で寝起きしている。
一つ屋根の下に暮らすのは、息子を夫を家族を殺し、傷つけ、捕らえている男たち。
憎悪と恐怖のみであるはずであったフランスの人たちに芽生えてくる別の感情の機微を抒情豊かに描きあげる。

この書物には「六月の嵐」と「ドルチェ」のほかに資料として、『フランス組曲』執筆計画に関するメモと著者夫婦関連の書簡が掲載されている。
執筆計画のメモには、執筆経過や第三部以後のプロット等が記され、二部まででは想像できない著者しか知りえないその後が書かれている。それらはより作家の早逝に愛惜の念を抱くものである。

書簡には彼女の人柄が感じられ、収容所に連行されてからは、夫が妻を救うための懸命な努力の記録でもあり、夫が妻と同じようにアウシュビッツに収容されてからは、残された二人の娘を助けようとする人々の軌跡でもある。

まぎれもなく稀有な才能を持った埋もれた宝石のようなこの作家に、価値に似合った光が当たることを願ってやまない。

翻訳は第一部「六月の嵐」を野崎さん。「ドルチェ」を平岡さんが担当され、それぞれすばらしい翻訳でイレーヌ・ネミロフスキーを私たちに出会わせてくれた。
尚、本作は、どのような形だかはわからないが(「ドルチェ」を悲恋として?)ハリウッ...

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2013年2月20日

今の世界が崩れ去ってしまうという不安は数年前までは漠然としていて現実味がなかった。
世界を舐め尽すように広がる可能性のある細菌やウィルスの出現の脅威にさえも人間は打ち勝てるのではないかと思っていた。
環境破壊が進んでも思想や宗教などの相違から引き起こされる争いもすべてをすぐに壊してしまうとは想像し難かった。
しかし、2011年、地震という一瞬の出来事が引き金となり、多くの命が奪われ、放射能が撒き散らされた。しかも世界のどの国でもなくそれは日本で起こった。

この惨事が日本で発生したので、世界は崩壊を免れたと報じた海外メディアもあった。

そうであったかもしれないし、そうでなかったかもしれない。いずれにしても私たちは脆く儚い世界の上にいるのだと実感せざる負えなかった。

『ザ・ロード』は、破滅から約十年経過した世界が描かれている。破滅の原因が語られることはない。厚い曇に覆われ、植物は育たず、樹木は次々と寒さと日照不足で倒れてゆく。
動物は殆ど食べ尽くされ、生き残った人間は秩序の崩壊した世界の中で人食のため人間狩りを行っている。
父と子は、冬を越すために南へ向う。

父は少年を守るためにどんなことも厭わない決心をしている。用心深く生き残りとの関わりも避け、少年にもそう諭すが、無垢な少年の心は弱者への憐れみを持っている。

南の海へと辿り着いた少年が失ったものと得たものとは。

2006年に発表された本書はピューリッツァー賞を受賞。2009年にはジョン・ヒルコート監督によって映画化された。

原作を読んで映画を見ると、よりリアルに灰色の世界に入り込む。ショッピングカートが道路を滑る音や、少年の柔らかな頬、観ている私たちさえも凍えてしまいそうな雪。

著書のコーマック・マッカーシーは、4歳の息子とホテルに泊まったとき、未来にこの町はどんなふうだろうと考えたとき、山の大火事が起きている光景が浮かび、この小説の着想を得たという。

終末をテーマにしたものは、古くから繰り返し描かれてきた。いつかは終ってしまうかもしれない世界と終ってからはじまる世界は、現代の私たちが最も興味があることかもしれない。

2013年2月20日

読書状況 読み終わった [2013年2月20日]

狂牛病という言葉を日本人が知るようになったのはいつからだろう。
BSEという言葉さえメジャーになり、社会的にも外食産業や食品業界には、今もなお影響を及ぼしてる。

狂牛病の原因はプリオンである。
羊やヤギが罹患するとスクレイピー。鹿は慢性消耗病 (CWD)、他、ネコやダチョウ、ミンク、などもプリオンの感染が確認されている。

ヒトの感染としてクロイツフェルト・ヤコブ病がよく知られている。ヤコブ病にはいくつかの病型があるが、遺伝性や変異性のほかに、手術や医療行為での感染も確認されたため、臨床では、ますます器具のディスポ化がすすんだ。日本のヤコブ病患者は400人弱だとされている。正しく診断が行われていない症例もいれるともっと多いと推測される。

ゲルストマン=ストロイスラー=シャインカー症候群(GSS)もプリオン起因のヒト感染型の疾患で難病指定されている。日本でも年間百万人に0.1人の割合で発病がみられ、歩行障害や四肢の運動障害などの初期症状より発覚する中枢神経の変性疾患である。

クールーもヒト感染型のプリオン起因によっておこり、パプアニューギニアのある種族だけに流行した。この種族には人食(脳を食す)の習慣があった。アメリカの学者ガイジュシェクは現地での研究が認められ、ノーベル賞を受賞している。

本書は、プリオンを原因としてヒト発症する致死性家族性不眠症を多発するイタリアの家系の数世紀に及ぶ物語を軸に、ガイジュシェクや遅れてプリオン研究でノーベル賞を受賞したプルジナーらプリオンに挑み解明しようとする人々も多く登場する重厚でスリリングなサイエンスストーリーになっている。

プリオン病は遺伝性、感染性、偶発性(しばしば散発性)の形態をとる。
プリオンはウィルスでもなく細菌でもなくたんぱく質である。人間の体はたんぱく質で構成されている。異常プリオンが現れるとその折りたたまれ方の変異で連鎖的に正常蛋白が次々と致死性のプリオンに変わっていく。

イタリアに家族や親戚の多くがまったく眠れなくなって死んでしまう家系がある。その家系を遡ると、ヴェネツィアのひとりの医師にたどりついた。記録さえ残っていればもっと先代からこの病が縷々と続いてきたかもしれない。

先日、ヴェネツィアの近くのサンマリノ共和国の貴族の家で客人をもてなす様子がTVで放映されていた。その食卓には牛の脳ミソのフライがきれいな食器に盛られていた。脳はご馳走だという。

大部分の細菌やウィルスが熱や薬物や乾燥で弱毒化や死滅するのに対してプリオンの不活化は非常に難しい。
プリオンは、金属と結合する。土中でも容易に生き残る。

著者はプリオンの怖さを読者に十分に理解させながら、イタリアの眠れなくなる致死性の家系の苦悩だけでなく、ニューギニア、イギリス、アメリカなど世界を駆け、紀元前80万年の世界まで我々をつれてゆく。
わたしたちの遺伝子は確実に先祖からつながっているのだ。

致死性家族性不眠症は、少数ながら、日本にも数家系存在するという。静かに伝えられている異常プリオンに終止符を打つことができる日はくるのだろうか。

2013年2月20日

読書状況 読み終わった [2013年2月20日]

副題は、-中世の彩飾写本からウィリアム・モリスまで-

ロンドン屈指の古書籍業を営んでいたアラン・G. トマスによる書物。

七世紀のリンディスファーン福音書から20世紀に至るまでの美しい書物について独自の確かな視点によって書かれている。

中世の彩飾写本といえば、キリスト教文化と密接な関連性を持っている。
数年前に、『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』の大判図版を見てその美しさに息を呑んだ。
優美な鮮やかな装飾は、時の時祷書に限らず、修道院にも多く残され、芸術的な趣を持つ。

印刷の発明、普及で、書物の世界は劇的に変化した。著者は、重要な写本の詳細を描き、時代とともに訪れた印刷の時代の書物にも深く触れる。

イギリスの書物に関しての記述も多いが、ラファエル前派やビアズリーなどの登場で、挿画や書物もまた、新しい時代を迎える。

古書を愛し、それを生業とし、その実物に触れてきた著者のカタログは大英博物館にも記録されている。

挿入されている図がカラーが少なかったことが残念だった。

2012年10月28日

読書状況 読み終わった [2012年10月28日]

生命科学者で長く病を患われた柳澤さんの般若心経の訳。新訳じゃなく、心訳ってところが奥深い。

2012年9月17日

読書状況 読み終わった [2012年9月17日]

2030年自然エネルギー60%を目指しているようだ。今後の日本のエネルギー事業に影響を与えるであろう事業家のひとりの最初の布石となる一冊。

2012年9月17日

読書状況 読み終わった [2012年9月17日]

ターシャ・テューダーが亡くなってから4年が過ぎた。ターシャが慈しんだ花々が四季にわけられて美しく永遠に咲いている一冊。

2012年9月7日

読書状況 読み終わった [2012年9月7日]

負の連鎖に引き込まれそうだった。

2012年8月25日

読書状況 読み終わった [2012年8月25日]
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1991年よりウィーンに暮らし、セルビアで出版社を経営している著者が、ヨーロッパ32カ国の国民性を紹介。

とても面白い本だった。国の歴史や背景などもわかりやすく書かれており、日本人の各国に対するイメージなども考慮しつつ文章を仕上げている。
楽しく、最後まで一気に読める本です。保存版にもおすすめ。

2012年7月14日

読書状況 読み終わった [2012年7月14日]

数々の賞を獲得し、世界で翻訳が相次いだ『犯罪』に次ぐフェルディナント・フォン・シーラッハ第二作目。

『犯罪』と同様に、不条理や運命に翻弄された事件が精緻な筆致で描かれている。

2012年6月29日

読書状況 読み終わった [2012年6月29日]

ナチ党全国青少年最高指導者を祖父に持つフェルディナント・フォン・シーラッハは、ドイツ屈指の刑事事件弁護士。

著者が現実の事件に材を得て、書き上げられた『犯罪』は、世界32カ国で翻訳され、クライスト賞をはじめ数々の文学賞を受賞した。

日本国内でも、2012年本屋大賞〈翻訳小説部門〉第一位
『このミステリーがすごい!2012年版』海外編 週刊文春2011ミステリーベスト10 海外部門 『ミステリが読みたい!2012年版』海外篇 で、第二位など、評価されている著作である。

二作目の『罪悪』もすでに映画化が決定しており、活字だけではなく映像でもシーラッハは世界を席巻しそうである。

一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。

たしかに事件はおこり、被害者がいて加害者がいる。その真実が客観的に描かれてゆくなかで、著者の事件や人々に寄せる優しいまなざしがある。

犯罪者といえば、われわれと大きく一線を画する存在であるイメージを持つ。しかし、温厚でまじめな町医者が、何十年も連れ添った妻の頭を斧でかち割る。
犯罪は、思っているよりも日常にひそんでいることを示唆されているようで怖い。

虚実の皮膜がどれくらいの厚さなのかは、作者に訊かないとわからないが、辿り着く運命の通底する不条理と悲哀が静かに共鳴する作品だと思う。

2012年6月29日

読書状況 読み終わった [2012年6月29日]

イヴァン・ツァンカルは、当時オーストリア=ハンガリー帝国の支配下の政治的、文化的自由を抑圧されてきたスロヴェニアの貧しい家庭に生まれた作家です。
選挙に出馬し落選したり、政治的発言をして二度の獄中生活を経験し、42歳で死去。

本書は、短編の「一杯のコーヒー」と中篇の「使用人イェルネイと彼の正義」がおさめられている。

イヴァン・ツァンカルは、スロヴェニアおよびヨーロッパ文学史上でのツァンカルは、スロヴェニア語の散文を芸術の域にまで高めた最初の作家として位置づけられている作家だそうだ。

スロヴェニアの歴史的背景にも政治や民族などについても明るくなく、本書によって私はツァンカルをはじめて知ることになった。

「使用人イェルネイと彼の正義」は、仕えた主人が亡くなり、息子の代になってその家を追われる使用人イェルネイの物語である。

四十年もの間、イェルネイは主人の元で、家を建て、守り、畑を耕し、種まきから収穫まですべてをやってきた。主人とともに年をとり、人生を送ってきたのだった。
ところが、主人が逝去したのち、イェルネイの境遇は一変してしまう。

邪険に扱われ、老兵は去れとばかりに追い出されてしまう。

資本主義で育った私たちにとっては、それらの理不尽さも普遍的なことと捉えてしまいがちだが、ツァンカルは不当性を文学で訴える。

使用人イェルネイは恐ろしいリベンジを果たす。

2012年5月18日

読書状況 読み終わった [2012年5月18日]

コロンビアの名もない小さな田舎村では、のんびりとした穏やかな時間が流れていた。

隣の嫁の裸体を覗き見ては老妻に怒られている元教師のイスマエルは、自分の庭のオレンジをもぐのが日課である。

ただ、ゆっくりと時間が流れているはずだった農村が、気がつけば、不気味な連中に静かに侵略されていた。

身代金目的で、次々と村の人たちが誘拐され、指を切断され、犯され、殺される。

自分の村を歩いているだけで、見たこともない連中に侮辱されて虐殺される。

この村の人々のほとんどが、イスマエルの教え子だ。イスマエルの妻も行方不明になってしまった。
あまりの悲惨な現実にイスマエルは、死を乞う。「いっそ、大洪水にして何もかも沈めてくれよ、神様」

コロンビアは、日本に住む私たちにとって遠い国である。徴兵制が敷かれており、左翼ゲリラ、パラミリターレス(右派民兵)、麻薬組織の間では、長年、激しい戦闘がおこなわれてきた。
先住民や農民に対する非人道的行為はまだ、継続しているらしい。

この書物は、元教師の老人イスマエルの視線で描かれてる。彼の見ている自分の村の真実は、悲哀に満ちており、苦しいほどリアルである。
小説を読み進むにしたがって、厳しい現実がより厳しく残虐になっていく。読者は、イスマエルの語りに耳を塞ぎたくなる。しかし、飛び散った血の匂いにも死んだ少年の顔を啄ばむ雌鳥のくちばしの色にも読者に凝視強いる筆力をエベリオ・ロセーロは持っている。

ロセーロは、ジャーナリストを経て現在は作家に専念しているという。
ラテンアメリカだけでなく、ヨーロッパでの評価も高く、イギリスでは、「ガルシア=マルケスの後継者」と称されているらしい。

今後の活躍が大いに期待される作家だと思う。

2012年4月21日

読書状況 読み終わった [2012年4月21日]

『レナードの朝』の原作者であり、脳神経科医であるオリヴァー・サックスの新刊です。

異常なほど音楽に憑かれた人々、音楽に異常な才能のある人々、音楽の果たす療法的アプローチ、音楽を起因としている病など多角的見地より、具体的症例を示しつつ医学者としての考察を加えて書き上げられている。

文字や言葉を持たなくても音楽を持たない民族はないと言われています。音楽はわたしたちに深く結びついている。

ミュージコフィリアとは、音楽嗜好症と訳されるらしい。より、ディープに音楽に関わっている人々をこの一冊で知ることができる。

2012年4月21日

感染症を専門とする大学教授が、歴史上の人物たち12人のカルテを作成。彼らを苦しめた疾病や死因の解明に挑む。
ツタンカーメンの父でネフェルティティを后に持つアメンホテプ4世、
アテネの政治家ペリクレス、
アレクサンダー大王、
幼児虐殺で有名なヘロデ大王、
第四代ローマ皇帝クラウディウス、
ジャンヌダルクのお告げについて、
コロンブスの関節炎、
モーツァルトは殺されたか、病死か、
ベートーヴェンの聴力消失と鉛の因果関係、
エドガー・アラン・ポーとアルコール、
ナイチンゲールのPTSD、
ワシントンの高血圧。

12人いずれの人物も歴史的背景や可能な限りの文献などから詳細な考察がされており、死因だけでなく、持病にもスポットを当てる。

読み応えはたっぷり。しかし、どの人物も章のはじめに誰をとりあげているかを明かさない。読者に推理をさせる意図があるのだろうが、最初からopenにして貰ったほうが読みやすい。医学的な読み物としても十分価値があるので、構成に関しては考慮の余地を感じた。

2012年2月19日

国書刊行会から出版されている(文学の冒険シリーズ)のラテンアメリカ文学の短編集。フリオ・コルタサル5篇収録のほか、オクタビオ・パスや、ムヒカーライネスほか短編でも読ませる南米文学を木村榮一さんらの翻訳で楽しめる。

2012年2月4日

ノーベル賞作家ガルシア=マルケスと交流のある著者が、ガルシア=マルケスや彼の作品のゆかりの地や人々を訪ねた記録的書物。おそらく田村さんにとっては宝物のような一冊だろう。ガルシア=マルケスファンにとっても垂涎の内容である。

2012年2月1日

ヌーヴォー・ロマンの旗手、ミシェル・ビュトールがポール・デルヴォーの18枚の絵画をモチーフに物語を編んでいる。

ミシェル・ビュトールは、ヌーヴォー・ロマンの作家たちのなかでも高い芸術性と教養を備えた人物であった。

『心変わり』は、進む列車に乗り込んだ主人公の心の変異が時間軸を巧妙に操りながら構成されている小説である。

2012年1月21日

劇作家、詩人、外交官、そしてロダンの愛人であったカミーユ・クローデルの弟であるポール・クローデルには、中国へ向う船上で知り合った人妻がいた。聖職者を挫折したポールの目の前に現れた四人の子を持つ女性ロジィはポールと激しい愛を交わした後、彼の子を身ごもったまま愛人のポールも夫も捨てた。

2012年1月8日

『住まいの手帖』と同時刊行の運びとなった本書は『真夜中の家――絵本空間論』(住まいの図書館出版局)の続編にあたるファンタジー・児童文学論

2012年1月8日

フェルメール作品のガイドブック。所蔵先世界16美術館を訪ねる。

2012年1月7日

幼い息子を駅に置き去りにして捨てた母アリースにはもう1つの名前があった。戦争と東西分裂に揺れるドイツを時代背景に描かれた物語。

2012年1月6日

1851~1918年のヨーロッパの貴重な写真と文章で綴られた珠玉の一冊。

2011年11月16日

日経新聞に連載分を大幅加筆した著者エッセイ集。亀山さんは、東京外大学長であり、ドストエフスキーの作品複数を新訳発表し、近年のドストエフスキー・フィーバーを起こした人物。このエッセイは、かなり、著者の心の深部も描かれており、読み応えがあった。

2011年11月12日

読書状況 読み終わった [2011年11月12日]
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