「知」の挑戦 本と新聞の大学 2 (集英社新書)

  • 集英社 (2013年2月15日発売)
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感想 : 17

朝日新聞社と集英社によるプロジェクト「本と新聞の大学」の講義を収録した後編。各界一流の講師が示唆に富む発言を繰り広げる。質の高い議論に触れることは教養そのもの。入り口として良書といえる。

日本のあり方や公務員叩きに『政治がやらなければならないのは、やはりリスクの社会化』『先進国のなかで日本は(中略)公務員までもこれ以上削れないというほどに削っている』『橋下が志向するような、権力と個人が直面する社会は非常に弱いのです』=政治学者・中島岳志

疲弊する地域経済を救う方法は『独自の通貨をつくって、お互いに給料を払いあう、お店で買い物をする、金の貸し借りも地域通貨でやる、ということにすれば、ある意味、何もないところから金がわいてくるということになる』=経済学者・浜矩子

すべてを機械のように見なす現代社会に『私たちは常に部分を切り取って、そこでのある種の最大効率を求めようとしてきた(中略)、部分的な思考に陥ると全体を損ねてしまうというようなことは、生命をめぐる反応のなかにはたくさんあります』=生物学者・福岡伸一

世界における中国の公共的負担を『十数億人の人を国境の中に入れているということが最大の公共財ではないか』『中国から100万か200万の人が、国外に流出しただけでも韓国も日本も大変なことになる』=政治学者・姜尚中

尖閣をめぐり先鋭化する日中関係に『戦争というのは、本当に意外にすぐそばにあるんですよ』=朝日新聞社出版統括・一色清

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年4月4日
読了日 : 2013年4月4日
本棚登録日 : 2013年4月4日

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