- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003240120
感想・レビュー・書評
-
ジークフリートを失ったクリエムヒルトはいよいよ復習を実行する
フン族の後妻として再婚したクリエムヒルトは実家の家族を招待する
ハゲネの反対があったものの、ハンガリーへ旅立った一行は宴の夜にクリエムヒルトの部下に急襲され、その後戦いは両方の部族全てが死に絶える
これをニーベルンゲンの悲劇と伝えられた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
浦野所有
ラインのほとりからアイスランドへ、そしてはるか東のハンガリーへ。ヨーロッパを舞台にした壮大な叙事詩『ニーベルンゲンの歌』の後編は、愛する夫ジーフリトを殺されたクリエムヒルトの復讐物語。クリエムヒルトの策略に踊らされるフン族と、その復讐相手であるハゲネとフォルケールの活躍を中心に、話は展開します。
後編は何といっても、数々の修羅場で生々しい描写が続くのが印象的。それにしても、「殺しすぎだろう」ってくらいに人が死んでいきます。
<2114~2115節>
するとトロネゲのハゲネがいった、「気高い天晴れな騎士たち、
咽喉(のど)の渇いた人はここで血を啜(すす)るがよい。
こう暑ければそれは酒よりもうまいぞ。
今の場合、これにまさるものはまずあるまい」
そこで一人の勇士が、死骸のそばに行ってその傷口のところにひざまずき、
兜の紐を解いて流れる血潮を飲みはじめた。
こんな経験は初めてであるけれども、
彼はたまらなくうまいと思った。 -
イリヤスの方が古いにも関わらず、一応あちらは「ホメロス作」ということで全世界共通認識が持たれているのに対し、こちらの方が新しいにも関わらずこちらは「パッサウからウィーンに至るドナウ地方出身の詩人」という以上には作者に関して世界的な統一見解というものが持たれていません。 そしてこの叙事詩は「ニーベルンゲン詩節」と呼ばれる一種独特の形式、リズム感で書かれている韻文なのだそうですが、ドイツ語の読めない KiKi にはそれがどれほど素晴らしいものなのか、正直なところ漠然・・・・としかわかりません。 もっともこの韻文を翻訳されていらっしゃる相良守峯さんのご努力のおかげで、とっても味わいのある訳文がいかにも「歌」という雰囲気を醸し出してくれています。
前編は19歌章、後編は20歌章から成り、ゲーテは「前編はより多く華麗、後編はより多く強烈。 しかし両編ともその内容において、また形式において、相互にまったく均衡を保っている。」と仰っているとか・・・・、確かにその通りで前編はきらびやかな宮廷生活描写や明るいジーフリトのおかげでゴージャス感に溢れています。 これに対して後編はクリエムヒルトの結婚 & リュエデゲールの元での祝宴あたりまでは辛うじて華麗な感じを保っているものの、それでもどこかに最後にぱっと燃えさかるロウソクの炎のような、そして仇花的な雰囲気もあり、グンテル王御一行様がエッツェル王の宮殿に到着してからは血みどろ、力(Power)のインフレ、火責め、壮絶・・・・・と恐ろしい世界が繰り広げられ、そして誰もいなくなった・・・・(嘆息) っていう感じです。
(全文はブログにて) -
前編に同じ。叙事詩、悲劇、英雄、運命、恋、……、様々なものの結晶(原石)をここに見出すことができる。
-
実際、すごい数の人が死んでいます。むごすぎます。
カッコイイ騎士たちはたくさん出てくるのですが(ヴァイオリン弾きのフォルケールとか人気ありそう)、何より素晴らしいのがプリュンヒルト様です。
すっごく男らしいのに、クリエムヒルトに悪口を言われて泣いちゃうこのギャップ。メロメロ! -
旅行会社のおにーちゃんに,と薦められるままに読んだ本の後編.<br>
結局,旅行に行く前に全て読み終わらずに行きの機内で読んだ.<br>
前編を読んでいなければ分からない内容だが,夫を殺された妻が復讐のた<br>
めに一族を殺すお話.<br>
当時のドイツでの義を重んじる雰囲気は分かったが,旅行で関係したのは<br>
ケーニスヴィンターの岩山に行ったときだけ・・・(2時間くらい?)<br>
この本じゃなくて,ニーベルンゲンの指輪があたりだったっぽい orz<br>
2008.04.26読了 -
2008/01/20
-
前編参照。
-
ギーゼルヘルが死ななきゃならなかった理由がわからない!みんな、引くに引けなかったりで悲劇は大きくなる。思わず感情移入して読んでしまった。いまいちハゲネが好きじゃない。