- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003318515
感想・レビュー・書評
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知的好奇心を満たすとてもおもしろい本。
イスラーム文化の精神性、多重性、信仰だけに留まらず、社会規範としての役割など、までもわかりやすく説明されている。手元に置き、線を引いて読み返す。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イスラム全体を宗教・法・分派(スンニ派・シーア派)の観点で俯瞰して整理した本。多数のスンニ派に対し、イランのシーア派は密教的な立ち位置など全体感がよく分かります。1981年に書かれたとは思えないのです。
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スンナ派、シーア派、スーフィズムの思想的な特徴が、『コーラン』の解釈の仕方という形で、実にうまく整理されている。
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1981年に3回にわたって行われた講義を書籍化。メッカ、メディナそれぞれの時代の成立の歴史、メディナ期以降のイスラーム法成立と政治運営の関係、外面的な方向性を持つスンニ派と内面的な方向性を持つシーア派の比較、さらには自己を否定するがゆえに「我=神」の境地となるスーフィズムまで。再読しなくては。
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イスラム研究の碩学による講演録(81年の講演録なので、岩波文庫というより岩波新書か岩波現代文庫のほうが向いてそう)。
アラブをイスラム的たらしめている要素を、宗教、法と倫理、内面への道という3つの視点から解説している。表層的な制度や習慣ではないその背後にある思想やパターンが立体的に描かれていて、とても面白く読めた。著者独特の偏りがあるようなので鵜呑みは禁物っぽいが、ここまで切れ味のよいイスラム関係の本はなかなかないんじゃないか。
しかし、この井筒俊彦って人、Wikipedia読む限り天才どころの話じゃないな。 -
イスラム教を理解する入門書として最高。非常にわかりやすい。他の有名宗教との違い、コーランのメッカ期とメディナ期の特徴、スンニー派のシャリーアと共同体思想、それに反するシーア派のハキーカの概念、そしてスーフィズムの神秘主義について、丁寧に解説している。中近東の歴史や現在も起きている国・権力者・民族の紛争を理解するにおいて、イスラムを避けて通る事は不可能であると改めて実感した。
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美しい日本語の使い方を学ぶ
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今年から井筒先生のご著書も読まないとと思っています。まずは、入門編から。講演録ではありますが、イスラームの根底にあるものを、宗教、法と倫理、内面への道(神秘主義)の三つに分けて論じる本格的なイスラーム文化の概説です。
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イスラーム文化の根底的精神を掘り下げて解説。
出版年は古いが、古さを感じさせない普遍性を持つ。
現代のイスラーム情勢を考える上でも必読と言える。