イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003318515

感想・レビュー・書評

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  • 資料ID:98141641
    請求記号:080||I
    配置場所:工枚普通図書

  • イスラム教の成り立ち、ムハンマド、コーランの位置付け、
    イスラム法の意義など、イスラム文化の基本的な構造が分かり易く
    説明されている。また、スンニ派(アラブ、顕教的) とシーア派(イラン、密教的) の違いや、さらにはスーフィズム(イスラム神秘主義)についても言及されていて、宗派対立の原因となる思想的背景やイスラム文化の多様性を理解する上で、私にとって非常に有益な基本的入門書となった。

  • イスラームの基礎を、一般読者向けに3回にわたって講演した内容を書籍化したもの。初版は30年ほど前なので、触れられる事件は歴史を感じさせるものだが、内容は(イスラームに関して、ほとんど知識を持っていない私には)非常に充実していた。一般読者向けのため、講演という形態のため、大胆に概略化しているところもあるかとは思うが、非常に理解しやすかった。
    著者がまえがきで指摘する、日本人のイスラームに対する視点(時事的関心)は、ISによる事件が起こった今でも、ほとんど変わっていないように思う。イスラムの基本的な知識を得たい人には最適。
    (2015.4)

  • 最近多くのイスラム本が出回っていてどれを選ぶべきか迷うので、まずは手に取った一冊。3時間分の講演録とは思えないくらい中身が濃い。

  • イスラム教の特徴、スンニー派・シーア派・スーフィズムの三派の違いがよくわかる。

  • 非常にいい本だった

  • イスラーム研究における世界の「巨人」井筒俊彦先生の著作で1981年刊行。発刊された時に読んだのだけど、当時は内容が難しく感じた。今回読みなおしてみると当時の記憶がほとんどなく、新鮮な内容として読めた。
    イスラームの理解の基本だる事項を丁寧に解説してくれており(今回は)非常に読みやすく感じた。
    1.宗教、2.法と倫理、3.内面への道と3部構成で書かれている。この3つの面から理解を進めることが基本である。
    この本を読んだうえで、昨今刊行されているイスラーム問題の良書を選んで読んでいきたい。

  • 昨今の情勢から、イスラムを理解する必要があると思い、書評を見て読んでみました。

    本当に名著ではないでしょうか。これだけ本質的なことを分かりやすく書けている本は少ないと思います。

  • 井筒さんがご存命なら、今日の状況についてなにか語られただろうか。

  • 碩学の昭和56年に3度に分けて行われた講演を文庫で読めるのはありがたい。膨大な知識と深遠極まりない思索を凝縮して伝えてくれているものを評して分かりやすいと呼ぶのは容易だし、事実分かりやすく語られている。しかし、本当に、「イスラーム文化とはなにか」をものにできたかといえばもちろん心許ないというしかない。イスラーム文化、法律を含めて、おぼろげにイメージを与えてもらえただけでありがたかったというべきだと思う。所詮、コーランには一読目を通したこともない素人には、本書の引用を手がかりに知るにしてもそこが限界だろう。

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著者プロフィール

1914年、東京都生まれ。1949年、慶應義塾大学文学部で講義「言語学概論」を開始、他にもギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学などの授業を担当した。『アラビア思想史』『神秘哲学』や『コーラン』の翻訳、英文処女著作Language and Magic などを発表。
 1959年から海外に拠点を移しマギル大学やイラン王立哲学アカデミーで研究に従事、エラノス会議などで精力的に講演活動も行った。この時期は英文で研究書の執筆に専念し、God and Man in the Koran, The Concept of Belief in Islamic Theology, Sufism and Taoism などを刊行。
 1979年、日本に帰国してからは、日本語による著作や論文の執筆に勤しみ、『イスラーム文化』『意識と本質』などの代表作を発表した。93年、死去。『井筒俊彦全集』(全12巻、別巻1、2013年-2016年)。

「2019年 『スーフィズムと老荘思想 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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