論理哲学論考 (岩波文庫 青 689-1)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003368916

感想・レビュー・書評

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  • 著者「俺以外の異論は認めない(キリッ」

  • この一冊ですべての哲学を終わらせる、と聞いて憧れて買った。いまだに内容はよくわからないものの、自分の理解では「我々は当たり前のことしか語れない。その裏にあるものは語れない。だから哲学は無意味だ」。

  •  ピエール・アド「ウィトゲンシュタインと言語の限界」後に再読。学生時代に1度、社会人のまだ若い頃に1度読んでいるが、今回改めて自分の読みの浅薄さを思い知らされた。丁寧に読むとかなりの時間を要する著作なのに、あまり読むのに苦労した記憶がないのだ。野谷茂樹氏の訳者あとがきに「『論考』という著作は妖しい光を放っている。読む者を射抜き、立ち止まらせ、うっとりさせる力を擁している。それはおそらくすばらしいことなのではあるが、危険でもある。うっとりしながら哲学することはできない。」とあるが、若い頃の僕はまさに『論考』の詩的かつキャッチーなセンテンスにうっとりし、それだけで何事か重要なものを把握したような錯覚に陥っていたのだ。それはもちろん僕だけではなかろう、本書からあの「語り得ぬものについては沈黙せねばならない」という命題のみを形式的に取り出し、「未だわかっていないものについては結論を出してはならない」などという陳腐で卑俗な読み替えを適用し、それをもって本書の主題だとする例に数多出くわすのだから。
     
     以前読んだ時は、クライマックスの命題6.4あたりからそれまでの理知的な論調から離れて、「倫理」「美」「神秘」「永遠」などの形而上学的な色彩の言葉が並ぶのに面食らい、なぜウィトゲンシュタインがそのような論理的なものから遊離した(と当時の僕には思えた)概念をこの段に及んで持ち出すのか、と訝しんだ記憶がある。だが上記「…と言語の限界」を経由した今ではそうは思わない。世界を「完結した総体」として「永遠の相のもとに」捉えると、そこには確かに論理では語り得ぬものが浮かんでくる。「倫理」や「美」「神秘」は、「物自体」のように全くリーチ不可能な形而上学的概念ではなく、言語の形式では表現できないが確かに我々に示されるものであり、だからこそ畏敬の念を伴って表されるものなのだ。

  • 2021年

    買ってから3年経ったが、まだ読めない。

  • ごりさんより。

  • 超難解な内容。一度読んだだけでは理解できなかった。解説を読んで、ようやく何とか概略はつかめたけど…
    研ぎ澄まされた雰囲気がよく伝わってきた。

  •  私なりにこの本のキーワードは「限界」にあると思う。語りうることと語りえないことの限界、世界の限界、そして私の限界としての独我論。序文にも、「本書は思考において限界を引く。いや、むしろ、思考に対してではなく、思考されたことの表現に対して限界を引く」(p9)とある。
     本書のミソはこの「限界」が、まさにこの本の述べるところの「語りえないもの」、ということにあるのではないかと思う。だからこそ、「おそらく本書は、ここに表わされている思想は——ないしそれに類似した思想——をすでに自ら考えたことのある人だけに理解されるだろう」(p9)と言われ、そして同じことだと思うが「六・五四 私を理解する人は、私の命題を通り抜け——その上に立ち——それを乗り越え、最後にそれがナンセンスであると気づく。そのようにして私の諸命題は解明を行う。(いわば、梯子をのぼりきった者は梯子を投げ棄てねばならない。)」(p149)と言われる。
     ナンセンスを犯して紡がれた言葉、限界を踏み越えて語りかけてくる文章が、「論理哲学論考」の魅力になっているのだと思う。

  • 大学の試験からの逃避として読んでました。この本は「世界は成立していることがらの総体である」と始まり「語りえぬものについては沈黙せねばならない」という結論に至る。言いたい事はハイデガーが「存在と時間:第1章 存在の問いの必然性、構造および優位:第2節 存在への問いの形式的構造」で「問われているもの(存在)が、ある存在者の存在様態たる問いそのものへ、再帰的にあるいは先行的に、連関している」って言った事と似ているのかなぁと思った。問われる存在は、問う存在へ逆説的に問いの構造を作っているって言う事、そして僕らが普段「喋る」「話す」「書く」と第三者に問いているのは存在了解の上なのかなと考えさせられた。

    まだ、本文を読んだだけなので、1、2割も理解出来てないだろうけれど、これから読むラッセルと野矢茂樹さんの解説から、さらに得る物があると思う。

    読んでて思った事「これを逆に読んで、結論から入って演繹的に読むとまた違う発見があるかも」

  • む、難しかった・・・の一言です。
    だけど、世界の捉え方とか、物事の捉え方がおもしろいなぁと思いました。こんな風な目で世界を見てみたら、なんかものすごく面白そうな気がします。

  • 俺ってカッコいいよな。<br>
    なんたって、「論考」持ってるんだもん。<br>
    これで女にもてなきゃ人間辞めろ、っていうぐらいの本。<br>
    俺がこの本の表紙をみせるだけで、たいていの女はウットリ俺をみつめ、「語りえぬものについては,沈黙せねばならない」なんて耳元でささやこうものなら、100%おちる。<br>
    そんなもんだよ、この本は。

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