歴史とは何か (岩波新書 青版 447)

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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004130017

感想・レビュー・書評

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  • 2013.12.18
    二回目
    大学以来。後半は難しくて読めない。

  • 歴史的事実と歴史家の相互作用により生み出される歴史を言及する。そもそも歴史的事実と過去の事実の違い、すみわけはどういうフローで行われるのか。いまを知った上で歴史をみなくてはならない。歴史家をみなくてはならない。個人のフィルターを通している時点で、バイアスがかかり、個々人の解釈の前に、個々人の選択が入っている。彼らがピックアップした事実を歴史としている。彼らが偶然にしろ必然にしろ選択した事実は多かれ少なかれ彼に依存しているのは間違いなく、彼はその時代の産物であり、その時代に依存している。つまり歴史家を知る必要もあり、同時にそれはその時代を知る必要もあり、そして我々の時代の特色も理解した上で咀嚼しなくてはならない。

  • 「歴史とは、過去と現在の対話である」という、何度か出てくるフレーズと、まるで量子力学の観測者問題のように「歴史的事実は、歴史家がそれと認めてはじめてそうなる」という件が働きの良くない脳みそに残った。これだけ残れば充分だ。

  • 訳が微妙。新訳版を作ってほしい…。
    いや,原著を読めという話なんだけど。

    内容は,歴史というよりは,歴史学あるいは歴史学者の話が中心。
    歴史と事実の関係,自然科学者との対比等々。
    「大文字の社会」という比喩がよくわからなかった。

    「科学者,社会科学者,歴史家は,いずれも同じ研究の異なった部門に属しているのです。つまり,どれも人間とその環境との研究であって,lあるものは環境に対する人間の作用の研究であり,他のものは人間に対する環境の作用の研究なのです。」(125頁)
    「すべて文明社会というものは,まだ生まれぬ世代のためを思って,現存の世代に犠牲を押しつけるものです。」(177頁)

  • 歴史家が歴史を作るとはどういうことなのかを説明する名著。

    まず、著者は歴史は合理主義に則ったものであると考えている。
    学問という意味で考えるとそれも最もなことだと思う。

    仮説をたてて、それを支持する事実を示すという意味で歴史も科学なのだから、説を主張するためには事例群の一般化も行う必要があるという説には首肯。

    全体的に問題なく歴史とは何かを語った本で一読の価値があると思う。

  • リーディングハックス著者座右の書その一

  • 学生の時に課題で読んだが、とても当時は理解できるようなものではなかった。といっても、今でも状況にあまり大きな変りはないかもしれないが。
    そのときは、現在から見るところの歴史が取捨選択されたひとつの解釈であるという当たり前のことに深く納得して満足していた。
    歴史が過去と現在との絶え間ない対話であるということが事実だとして、読者はその対話にどう関わればいいのだろうか。
    過去と現在とを見渡す位置にいる客観的な視点でいられるだろうか。
    そのような神の視点ではあるまい。どうしたって現在という立場から発話する主体でしかありえない。
    目の前の様々な事実について、どうしてそのようであるのかという疑問を持つ時、現在の己の立ち位置について少しでも客観的に把握しようとして、現在の来歴を知ろうとするのだ。
    それは古い言い方をすればイデア論に近いのだろう。

  • ものの見方とそのもの自体、学ぶにはその両面が必要だ。自覚的であること、騙されないこと。真実を知り得ない歴史に対してはそういう視点が必要。進歩という言葉には違和感。読みたくなった本 ダーウィン・種の起源 マルコポーロ・東方見聞録 失敗の本質

  • j自分のやっていることに迷いが生じたため自分を見つめ直すために読んでみた。歴史学素人なので理解できてるとは言い難いが、日頃ぼんやり考えていたことがより精密に書いてある、と思った。それは俺がこのような知見が披露された後に教育を受け、その延長線上で思考したり作業してきたからなんだろう。いい刺激を受けた。ただ「進歩」を強調する論旨に違和感を覚えるのは、俺がオプティミストではなく今が思いっきり停滞していて時間がウロボロスの蛇みたいに閉じているようにしか感じられないからなのかも知れない。原文ではprogressだろうか。時代が感じられる。

  • 大学の時に読んだ時より何処か物足りなさというか、説明のくどさが目について興奮しなかったなぁ、もしかして自分の感性が悪くなったか?
    今回の読了感に素直に従い★3つ、読み返す前は★5つという気持ちだったのだが。
    「歴史とは過去と現在の対話」、まさに名言。
    僭越ながら付け加えれば、現在は必ず未来の過去になる訳であるから、「歴史とは過去・現在・未来の尽きぬ対話」と言っても良い。
    歴史学はこの倫理感により歴史小説などと一線を画していると思われる。

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