歴史とは何か (岩波新書 青版 447)

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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004130017

感想・レビュー・書評

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  • 大学の時に読んだ時より何処か物足りなさというか、説明のくどさが目について興奮しなかったなぁ、もしかして自分の感性が悪くなったか?
    今回の読了感に素直に従い★3つ、読み返す前は★5つという気持ちだったのだが。
    「歴史とは過去と現在の対話」、まさに名言。
    僭越ながら付け加えれば、現在は必ず未来の過去になる訳であるから、「歴史とは過去・現在・未来の尽きぬ対話」と言っても良い。
    歴史学はこの倫理感により歴史小説などと一線を画していると思われる。

  •  難しかったです。ただ例を挙げて説明されているところは、大体分かりました。とくに、ロシア革命で置き換えてる所は、ロシア研究家だけあってよかったです。
     同時代の他の歴史家を結構辛辣に批判している所は、あとで問題にならないのかな、と心配しました。
     最後の章で、日英同盟に関してだけ日本の言及がありました。この時代のヨーロッパの歴史家からしたら、東洋の国なんてこんなものなのか、と思いました。

  • 目次(抜粋):
    は し が き
    Ⅰ 歴史家と事実
    Ⅱ 社会と個人
    Ⅲ 歴史と科学と道徳
    Ⅳ 歴史における因果関係
    Ⅴ 進歩としての歴史
    Ⅵ 広がる地平線
    原 注

  • もっと早く読んでおくべきだった本。
    これから何回も読んで血肉にしたい。

  • 従軍慰安婦・領土問題と歴史が絡むような問題が噴出している昨今。ぜひ一読していただきたい。様々な人が歴史を語る中でそもそも『歴史とは何か』ということを今一度見つめなおすべきなのではないでしょうか。

    『危機の20年』と並ぶE.H.カーの代表作。
    歴史と物語はどう違うのか?歴史家の恣意はどこまで許されるのか?歴史を評価するとはどういうことなのか?
    いずれに対してもカーは明確な答えを述べるわけではありません。様々に語られる歴史をしっかりと咀嚼し、おのが信念と覚悟を持ってその価値を判断しなさいと述べるのみです。

    この本については、「歴史とは過去と現在の対話である。」とかまとめられることが多いですが、実際には更に踏み込んで「歴史とは過去と未来の対話であり、歴史とは過去と"私"の対話なのである。」としていると思います。未来に対して責任のある個人が過去と向き合い、そこから意味を引き出す行為こそ「歴史を語る」というのでしょう。

    そういう意味では歴史を語る人にとってはもちろん、歴史を読む人・聞く人もふくめたすべての歴史と向き合う人へ読んでいただきたい一冊です。

    この講演が行われた時代のせいか、微妙にソ連の評価が高かったりして、まさに講演で述べられていることがそのまま本に反映されていたりするのも面白いことです。

  •  歴史とは、客観的事実の記述と羅列などではなく、現在から過去に光をあて、過去を通して現在を知るという相互補完てきで創造的な作業に他ならない。

  • H13年に大学の「史学概論」の課題ではじめて読んだ。
    センセーショナルな出会いでした。
    ほんと、出会えて感謝の本。3度目かなちゃんと読んだのは。

    シュトレーゼマンについてとロビンソンの死は、レポートの課題だったから、穴が開くほどよんだっけ。今読み返してもやはり新鮮。
    とくにロビンソンの死についてはいい。至極納得なのであります。

    歴史を見るとは、現在を見ることと同じこと。
    歴史について書かれたものを読むならば、その書かれた時代について知らなければ、正しい判断はできない。
    といって、その判断すら、現在が反映されてる判断なのだ。

    歴史とは終わった過去を知るものではなく、過去を通して現在を見るもの。いや現在を通して過去を見るもの…
    どの解釈も最終決定が下ることがない。
    終わらないストーリー(笑)
    50年前のこの講義で、20世紀の革命は18世紀のフランスのそれよりも影響が大きいと書いてあったけど、さて、50年後の今私はあまりそうは思わない(20世紀はほぼ無知でありますが)。本の中にありましたね、時間がたてばたつほど客観性が増す。まさにそれだわね。

    難しいところも確かにたくさんありますが、面白いところもたくさん。


    楽しい。

    すばらしい本です。読めて幸せ。
    ただ、古いので少々翻訳が読みづらい。
    講義録なのだから、「です・ます」調よりは「である」調のほうが読みやすいと思う。言葉が丁寧すぎる。
    英語で読めたらいいな。一応検索してみるか。


    ありがとう、カー教授!



    (H24.5 自)

  • 「歴史とは現代と過去との対話である。」
    歴史を知るにはまず歴史家のことをよく知らなければならない。
    歴史は客観的な事実と、歴史家の主観的な選択との狭間を揺れ続ける。
    歴史的事実は多数者によって作られる。それを歴史家が重要なものとして選り分けた時はじめて歴史となる。
    「歴史とは過去の諸事件と次第に現れて来る未来の諸目的との間の対話」

    あんまり驚きはなかった…かな。
    なにしろ読みにくい。当たり前といえば当たり前だが、引き合いに出されるのはヨーロッパの歴史だから基礎知識がないときつい。現在ではその文章は充分にペダンティックだと思うし、遠回しの皮肉とかねー……。

  • 難しかったが、歴史に対するときの心構えが書いてあった気がする

  • 引用できるような良い言葉がたくさんあったわりに、筆者が言いたいことがいまいちピンとこなかった。
    ようは絶えず歴史と向き合い続ける姿勢、動き続ける歴史にたいして動き続け理解を深める姿勢が大事ということなのか。

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