- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004314066
作品紹介・あらすじ
信長の天下取りへの道が、その城からわかる。謎だった信長誕生の城はどこか。築城後、五年で移された小牧山城は仮の城にすぎなかったかのか。岐阜城や、壮麗な天主をもった安土城の構造から読み解く、信長の意思とは。近年とみにすすんだ発掘成果をふまえ、絵図や宣教師の手記などの文字史料を総合、進化しつづけた城を楽しく解説する。
感想・レビュー・書評
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重臣=有力者の連合という形態から権力の集権を進めていった信長の画期的な統一手法が、築城スタイルにも表れているという面白い視点。他の信長の施策も合理的で画期的だったのが分かり(寺院権力を滅ぼし交通権益を奪取するなど)、信長の革新性と実行力に感嘆。
小牧山城の山麓館の庭園、岐阜城山麓の絶壁に沿って作られた庭園、安土城の眺めのいい御殿、安土城内のいくつもの茶室。後の利休・秀吉の茶の湯ができたのは、信長の審美センスとそれを愛する心を二人が目の当たりにしたからこそだったのではと思わずにいられない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687517 -
歴史という大きな物語をひとりの人間に絞って見るから伝記は面白いんだろうが、この本はさらに「城」へと焦点を狭くする
ところが狭くしたことで逆に、信長が戦国時代をどう近世に変えたのか、そして如何に稀有な人物だったのかが浮かび上がる -
いやー!面白い新書だった!面白すぎて、実際に小牧山城まで行ってしまった
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信長の本拠地とした城に基づいた信長の治世を解説
各城の構造の解説も面白かったが、それ以上にそこから導き出した信長の統治が面白かった。
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考えていた以上に戦国時代は分立体制だったことには驚いた。まさか、大名と家臣が同じように自分の館を堀で囲み、防御施設としていたとは思わなかった。
それを考えると全国に館城は数えきれないぐらいあったんだろうな。
最後に信長の行った中央集権化は秀吉に引き継がれて、徳川政権の礎になったと思うと有名な『天下餅』の話はその通りなんだなと思える。 -
本書はお城巡りをしている方は、直ぐに読むことをお薦めします。またこれからお城巡りをする方には先ず読んでからお城巡りを、と何れにしても本書は織田信長が近世城郭〈石垣や瓦を使用したという定義とは違い、城主と家臣の館を並立的では無く、天守閣を中心とした権威を象徴する求心的な構造を持つ城と城下町〉を創築したことを、信長誕生の城から安土城までを、発掘調査や文字史料などで丁寧に解説されています。
今後は安土城に先立ち150メートルの直接的な大手道を持つ小牧山城や、安土城の天主閣に使用された懸け造りが見られる福山城、戦国期拠点城郭であった吉田郡山城や置塩城などの登城がより楽しみになりました。 -
信長の天下取りへの道が,その城からわかる! 謎だった信長誕生の城はどこか.築城後,五年で移された小牧山城は仮の城にすぎなかったのか.岐阜城や,壮麗な天主をもった安土城に表れた信長の意思とは.近年とみにすすんだ発掘成果をもとに,絵図や宣教師の手記など文字史料を総合し,楽しく解説する.
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感想未記入
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すごく、ちゃんとした本です。信長が天下統一の進行・権力の集中とともに、築城・城下町作りの考え方も深化させて行ったことを丹念に証し立てて行く労作です。こちらが勝手に、もっとエキサイティングな内容を期待していたために高評価にはなりませんでした。でも、小牧山城や、岐阜城、安土城等の遺跡を訪ねてみたくなりました。