- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004315964
感想・レビュー・書評
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著者は言語発達、認知発達、言語心理学の専門家。「学び」とは何かについて「認知科学」の視点から論じた好著。記憶と知識、誤ったスキーマの克服、熟達とは何か、直観はどこからくるのか、「生きた知識」とは、などなど。
最近流行りの「主体的な学び」について、その中身があまり真剣に議論されていないことを著者は批判しつつ、「探求人」となるヒントを与えてくれる。
外国語の学習やスポーツの練習などにも役立ちそうな一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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学生さんたちは、新学期が始まりそろそろレポートや課題に追われる日々を送っているでしょうか。自分自身にとって学びとは何か、それぞれにとって良い学びを考えるためのヒントを提供する。 -
単なる記憶の蓄積が学ぶということではない。
一流の人たちのイメージには進むべき道筋が見えている。 -
多くの研究者が「学び」を扱っているが、例えば佐伯(1975) http://booklog.jp/users/ikthr/archives/1/4491002770 があり、そこでは「認知科学」の枠組みの中で、学習のプロセスに着目し、「わかる」ということを詳細に検討することで「学び」の構造を説明していた。他方、本書では同じ「認知科学」における「言語能力の獲得」や、脳科学の枠組みで「音楽家」の脳を分析した事例に挙げ、「熟達」の過程を検討することで「学び」を扱っている。
著者は科学も外国語学習も、熟達していくうえで重要なこととして、「誤った知識を修正」し、「スキーマを修正」(p.93)することと協調している。学ぶ側の年齢を問わず、誤ったスキーマを修正する役割が、学校・大学や家庭に求められていると思った。
また熟達の具体的な説明として、「そのスキルに特化した記憶」(p.124)が脳内に貯蔵され、かつシステム化され、結果的に素早く再現できること述べている。換言すれば「身体化した手続きの記憶」(p.136)である。この熟達を経て、臨機応変の行動ができるようになり、創造性を身につけることができることが、軽重はあるが「学び」のプロセスであると理解した。 -
とりあえず購入。スキーマとかの話が出てくる。なんか学生の時の教職科目で似たような話があったなと思い浮かぶ。
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16/4/16読了 良書、お薦め
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やたらと物理の例が取り上げられているので、もともと物理出かなと思って調べてみたけど、そうではなかった。同時進行で朝永先生の「物理学とは何だろうか」を再読していたので重なる話が多かった。自分の中ではセレンディピティ(この使い方は違うな)。私自身、慣性の法則(「かんせいのほうそく」と打っても一発で慣性と出て来ない。一般の認識はそんなものなのか。)を毎年中3に説明しているけれど、そこまで理解していないかなあと思いながら読んだ。確かに実感と合わない難しい考え方ではあるのだけれど。本書を新聞広告で見て、書店で確認して、買おうかどうしようか迷ったあげく、買うことにした決め手はFB。最近、本のまとめ買いをした日にFBに写真をアップすることが多い。見栄というか、ちょっとよく見せようと思ったのだろうなと思う。他人ごとのようだけど。まあ、子どもの言語習得に至る過程や実験の話はおもしろくはあるのだが、結論がある程度見えていたので、読まなくてもよかったかなあ・・・そんな中、羽生善治さんのことばはヒットした。「ひらめきやセンスも大切ですが、苦しまないで努力を続けられるということが何よりも大事な才能だと思いますね。」私自身常々「努力できるのが才能なんだ」と言っていたので、思わずひざを打った。(この使い方は正しい?ことばって難しい。読んである程度理解していると思っても、自分で使うのはなかなか自信が持てない。そういえば、よく政治家とかでも使い方を間違ってお叱りを受けているなあ。)