文学部唯野教授 (岩波現代文庫 文芸 1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006020019

感想・レビュー・書評

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  • 講義内容は難解に感じたが、それ以外は非常に面白かった。

  • 再読(2013年8月30日)
    講義部分のみ拾い読み

  • ある私立大学の教授たちの馬鹿さ加減を嘲笑うような実に楽しいナンセンス小説でありながら、ハイディガーやフッサールの哲学(現象学)、エリオットの詩について唯野教授が論じる場面などは難解であり、著者の奥の深さを痛感しました。しかし、美人女子学生との交渉など、セクハラもどきの行動など、ちょっと現実離れしすぎているように思います。

  • 筒井康隆は著作を3作も読めばまごうことなき天才であることが誰にでも分かる。なぜなら誰がどの著作を3作読んでも「書かれている小説ジャンル(作風)が全く異なる」からだ。

    常に自身の殻を破り続けては新たな地平に立たんとするその姿勢は、古語や枕詞を駆使してとある人物の戦後から東北大震災までの生き様を描ききった、最新作の『聖痕』にも感じられた。

    そして筒井作品でも熱狂的なファンの多い本作、ご多分に漏れず非常に面白い小説だった。

    複数の大学で起きた実際の事件をもとに描かれた教授間の惨めな権力闘争&ドタバタ劇は大の大人が行うには情けなさ過ぎて笑えてくるし、軽妙な語り口で展開される「文学批評」をテーマにした、主人公の唯野教授の大学講義のシーン(各章の後半パートがそうなっている)は単純に勉強になる。

    笑わせながら文学史の勉強にもなる、1冊で2度美味しい大傑作。

  • おもしろい。唯野教授すきだ。文学と文芸批評と文学理論なんかの基礎知識がないと楽しみきれないんじゃないかとおもうけど、ベストセラーってことは基礎知識がなくてもストーリーで楽しいのかな、いやもったいないでしょうそれは。文体はモリミー的なものを感じました。すっごい俗物感と、博学と、小出しにされるピュアさがごちゃ混ぜになってユーモラスにぽんと出された感じ。捻くれているようで、素直、というか子供っぽい、でも憎めないし頭良さそう、というなんとも混乱した印象。文学理論入門的な意味でもたのしいけど、内容より理論史がわかるかんじ。わたしのこの感想は印象批評ですかね、唯野先生?

  • エッセイはお馴染みなもののあまり筒井康隆さんの作品を読んだことがないのですが、この憎たらしい面白さは癖になりそうです。評論家や研究者が歯噛み歯ぎしりしてキリキリ舞いするのをニタリと笑い見下ろしている姿が浮かぶようです。

  • 一度通読しただけでは唯野教授の講義内容は到底理解できなかった。部分的にはわかるところもあるのだが、全体の流れを把握するには時間がかかるだろうなぁ…まさに大学の講義を思い出す。

    一方、それとは独立して進行する大学内部の研究者・教授間のドタバタ劇。講義とは違って読みやすいし、小説らしい。とは言え展開は唐突すぎるし、リアリティはなさすぎる。でも、この一般人から見たリアリティのなさが逆にリアルなのか…?

  • おもしろかった。
    今まであまり小説を読んでこなかったけれど、こういった体の小説もあるんだと知った。作中の唯野教授の講義で、文学史とか批評史と呼ばれるもの(?)を少し知ることができたので、得した気分。

  • 強引にストーリー立てて文学を紹介。

    初めてかもしれない。
    一冊の本を読むことを途中で諦めたこと。半分読んで挫折しました。
    興味がマルで沸かない大学教授達の政争。文学の歴史。そして、更に追い討ちを掛けたのが主人公のキャラ。読んでて段々腹が立ってきた。

  • どうせならもうちっとはっちゃけてくれてもよかった。

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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