- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022645234
作品紹介・あらすじ
九州地方に珍しく雪が降った夜、土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。母親に捨てられ、幼くして祖父母に引き取られた。ヘルス嬢を真剣に好きになり、祖父母の手伝いに明け暮れる日々。そんな彼を殺人に走らせたものとは、一体何か-。
感想・レビュー・書評
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事件の当事者や背景にいる人物それぞれの語りは、第三者から見たら別の人物のようだった。
人には表の顔と裏の顔がある。親も同僚も友人も知らない顔。
……という事がじわじわと分かった上で下巻へ。
正直佳乃が嫌い。なんて女だ。
学生時代や社会人になっても知り合いにこんな人いたわ。とにかく「男、男、男」。惚れっぽく男の話しかしない。つまらない人だなと思ってた。しかし時にはそれを面白がり、冷ややかに聞いて内心バカにする私も周囲も、ここに出てくる登場人物と何ら変わりない事に気付く。
とにかくどのコミュニティにもありそうな小さな話が、最悪の事態になる事もあり得るって事なのかな。話逸れたかなぁ…。 -
15年前の作品。
上下巻の作品なので感想は下巻の方にしっかりと記したい。
上巻を読み終えて「悪人」というタイトルの作品だが上巻を読む限りでは誰の何が「悪人」?
今一つピンときていない。
誰しもが持っている人間の表と裏の顔の事を指しているのか?
はたまたまた別の何かなのか?
この先の展開が楽しみだ。 -
本文とは関係ないけれども、背表紙の内容紹介がせっかくのプロットに配慮していない気がする。
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本当はずっと誰かに、ただ自分だけを見てほしかったんだと思う。話は上手く出来ないけれど、自分の目を見て微笑んで欲しかっただけなんだと思う。うん、うん。そうだね、そうだねって相槌打ってくれればそれだけで良かったんだと思う。
そんな人と出会っていたら、祐一はもっと違う形で寂しさということがどういうことか気づけたかもしれないのに。自分の話を誰かに聞いてもらいたい。そう思う祐一はこれから先、何処へ向かうのだろうか。 -
傑作ですわ。どうしようもない展開に引き込まれてしまう。
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【2024年32冊目】
九州地方で珍しく雪が降った夜、一人の女性が殺害された。加害者と思われる男性は、事件の前から行方不明とされており、警察が行方を追うものの、なかなかその足取りは掴めない。一方、同夜に彼女とあっていた土木作業員の清水祐一は誰にも言えない秘密を抱えていた――。
映画化もされた今作、誰が悪人なのかは上巻を読んだだけでは全く判断ができません。登場人物全員怪しく思えるし、被害者もただ被害者ではないところが、事件を更に複雑化させています。上巻の最後の方で一歩真相に近づいた気がしつつ、どう転ぶかわからない展開であり、帯に書いてある「感動のベストセラー」の「感動」の部分がどう描かれるのか、下巻も楽しみになりました。 -
最初からずっと引き込まれる。祐一の冴えない感じがすごくいい。
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すらすら読めるミステリ
何を隠そう、吉田修一は、僕の生きている作家の中で、お気に入りナンバーワンに入るほど、...
何を隠そう、吉田修一は、僕の生きている作家の中で、お気に入りナンバーワンに入るほど、好きな作家さんです。
なおなおさんのご感想、僕も強く共感いたします。(笑)
吉田修一は、「意地の悪いキャラクター」を、「読者に嫌われる」ように書く技術にも、卓越していますよね。
僕も、映画化されたタイミングくらいで、本書を読みました。
なおなおさんのご感想を読んで、本書を再読したくなりました。
ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いいたしますね。
恥ずかしながら吉田修一さんの本は初めて読んだのですよ。とても読みやすかったです。
ランキング上位...
恥ずかしながら吉田修一さんの本は初めて読んだのですよ。とても読みやすかったです。
ランキング上位に入るような川野さんの好きな作家さんとのこと。
これからも読みますね(^^)