ブランケット・キャッツ (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022645951

感想・レビュー・書評

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  • 自分でもびっくりしましたが初重松清です。猫を中心としたふんわりと優しい話かと思いきや、二泊三日でレンタルキャットを借りる人間の方には当然ながらいろいろな理由があるわけで、そんな彼らが猫ちゃんをレンタルすることで変わっていく、優しいばかりではない時には重く時には苦い連作短編集でした。そんな中で涙腺が壊れそうになった猫視点の「旅に出たブランケット・キャッツ」後味の優しい「嫌われ者のブランケット・キャッツ」がお気に入りです。

  • 起きてしまった事案や日々の生活が、突然劇的に良くなることなんてそうそうないけれど、猫の存在が癒されたり考え方を変えるきっかけになったり、救われないけどもがく力を持てるような話。

  • 身代わりのブランケット・キャットのお母ちゃんのくだり泣けちゃったなーこどもうまれたからこういうあざといのが泣けてきちゃうようになっちゃったな

  • 2017年にNHKでドラマ化された時に買って積読になっていたのを1年半ぶりに読了。
    書かれている7つのエピソードはどれもドラマで描かれていたけれど、少しエンディングが違ったり、話がマージされていたり。
    猫から入って手に取った本ではありますが、出てくる人にも猫にも感情移入できるところがあって、しんみり来ます。

  • 貸していただいたので、初めて読む作家さんでした。
    里帰りの猫と内緒で買うつもりの子猫を仲良くさせようというお話と、兄妹の家出の話が好き。
    全体的に楽しい話ではありませんでした。
    じんわり優しい気持ちになったり、読後感が悪くないものを勧めてもらいたかったので、これで良かったと思います。

  • 二泊三日でレンタルされる猫たちの描写が媚びなくてさらりとしていて、彼らを借りた、明日が揺らいだ人間たちとの物語も温かくて良かった。呆けてしまったおばあちゃんを施設に預ける前の家族と亡くなった飼い猫の身代わり猫、フリーター青年と彼女と彼らの飼い猫の仔猫とふてぶてしい猫、猫目線の家出兄妹、の話がすき。

  • 最近偶然にも、猫を飼い始めた。
    そう言う意味もあり、選んでしまった。
    大好きな作家の1人、重松さんの短編集。

    猫をレンタルするお店を利用する人たちの、悩みや
    悲しみ、少しの幸せを猫の視点も交え進んで行く
    7つのストーリー。
    個人的には、「尻尾のない〜」と「我が家の夢の〜」が
    よいかな。重松さんの作品は、子供のいじめや、大人の
    挫折を描いたものが結構あり、自分は好きな話。
    色々壁にあたるけど、結局は自分自身でぶつかり、
    立ち上がるしかない、それを少し後ろから優しく
    描写してるところが、胸にしみます。
    少しだけ心を休めたい人にはよい作品です。

  • 二泊三日で猫をレンタルするペットショップ『ブランケット・キャッツ』に集まる人々を描いた連作短編集。不妊、介護、いじめ、リストラなど重たいテーマばかりだが、無言で寄り添ってくれる猫たちの存在が彼らの傷を癒してくれる。どのエピソードも最後が割と駆け足で、散々悩んでいた割に心変わりが早過ぎて感情移入し辛かったのがやや残念。まさかの猫目線で描かれた「旅に出たブランケット・キャット」が特に秀逸で、家出兄妹の為につい体を張ってしまうシニカルな老猫タビーの姿に思わず目頭が熱くなる。タビーが主人公の短編集が読みたいぞ…。

  • 「猫が見ていた」の巻末で紹介されていて読んでみた。
    レンタル猫と、その猫を借りた人たちの7篇の物語。
    猫を借りる事情や背景がワンパターンにならず、どの物語も飽きることなく楽しめた。猫目線の物語も入っているのも良かった。

    私も1週間だけ猫がいる生活を経験したことがあるけど、
    猫の不思議な魅力の虜です♡

  • 市川実日子主演の『レンタネコ』(2011)のようにリヤカーに猫を乗っけて回るのではなく、本作のお店はれっきとしたペットショップ。副業的に猫をレンタルしています。期間は2泊3日以内。それを過ぎると情が移るし、猫も不安になるから。どの猫も必ず専用のブランケット付き。これさえあれば、どこの家に行こうが安心して眠る。ものすごく賢いのだと店主が太鼓判を押す猫たちは、おとなしくて良い子ちゃんかと思いきや、レンタル先の家庭の状況を的確に読んで、暴れるべきときには暴れる。こんなふうに猫に救われることって、あるかもしれないなぁ。

    基本的には大好きな作家なのですが、今回気づいたことがあります。私は、重松さんの著作の中ではオヤジ連中の話、もしくはオヤジと子どもの話、あるいは子どもの話のほうが好きみたい。本作の最初の2話を読んで、どうしてしらけた気持ちの自分がいるのかなと考えてみたら、夫婦の話だったり独身女性の話だったり。アラフォー以上の女性が「○○ちゃん」などとそれこそ猫なで声で猫を呼んでいる様子が若干キモい。本作中でもそうではない話、特に嫌われ者の管理人の話には泣かされました。キモいと言っている私自身、たぶん猫を見かけたらそんなふうになっている(笑)。なんぼ猫なで声出しても可愛ないっちゅうねん。人の振り見て我が振り直せならぬ、本読んで我が振り直そう。

    映画『レンタネコ』の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/87123cc322029376b30fe81240fd08ba

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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