にいさん

著者 :
  • 偕成社
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本棚登録 : 365
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039638908

感想・レビュー・書評

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  • テオの想い

  • 絵本で知るゴッホ。天才と呼ばれた芸術家がなぜ、どうやって孤独なのかということ。

    思うに、やはり一人になりすぎた、周りの人たちの中に自分を見いだすことを早々に諦めすぎたからではないか。物理的な一人になる、ということもそうだけど、自分の見ているもの、感じていることがすべてだと思い、他の人からは容易に理解できないだろうと思い込みすぎた。

    他の人に伝わったのは彼の才能と、そして凡人には理解できないだろうという気持ちで、そしてそれは彼ら自身を傷つけるものだったから、彼に寄り添うのは容易ではなかった。

    彼の弟も、兄は特別で好きだと思う一方で、彼を妬み続けていただろう。もしかしたら、死んだときに心のどこかで安堵する気持ちすらあったかもしれない。

    心の扉を閉ざしてしまい、他の人の言うことに聞く耳を持たなくなるのは、芸術家でなくても、起こり得ること。人の話を聞く余裕がなくなってしまう前に、まずは自分の心と体の声を、しっかり聞ける余白を持ち続けなければ、愛する人たちを傷つけてしまうだろう。

  • 大好きな絵本

  • 兄と弟の切ない愛情に、図書館で(;_;)と泣いてしまった。自らを削りながら造るのが芸術なのねン…。美しい絵がたまりません!!

    • nemui-nebosukeさん
      そうです。これは絶対に泣くので、
      図書館で読んではいけないやつです。
      そうです。これは絶対に泣くので、
      図書館で読んではいけないやつです。
      2015/10/16
  • 天才画家、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと、その弟テオ。
    非凡な才能ゆえに、周囲の人間と衝突する兄。兄の才能に憧憬を抱きながらも、その破天荒な行動に振り回され、消耗していく常識人の弟。
    非業の死を遂げた兄へ、弟が向ける慈しみにも似たまなざし。
    これ以上はないほどそぎ落とされた、短い言葉のひとつひとつが、珠玉にも似た輝きをはなっています。絵もまた、そういった言葉の余韻を感じさせる完成度の高さで、作者の、この本に対する思い入れがひしひしと伝わってきます。
    ひまわりの画家といわれるゴッホは、黄色の使い方に独特のものがありますよね。
    また、青系の色も、不安感をあおるような非常に個性的な色調ですよね。
    いせひでこさんの絵も、黄色と青が印象的です。ところがその黄色と青は、ゴッホ本人の色使いとはまったく違った、透明感にあふれる色味になっているのです。
    長い長い苦悩を経て、死によって解放され、ゴッホは天の国でこんなにも透きとおった心のままで、おだやかに過ごしているのかもしれません。
    人生を考えさせられる、深みのある大人の絵本です。


    おすすめ度  ★★★★★
    よみきかせ  不適。 是非ご自分で読んでみてください! 中高生から大人向き。

  • 作家が愛する画家へのオマージュ

  • いせ ひでこ (著)

  • いせワールドに浸りました。

  • 弟から、兄への手紙。思い出。
    不世出の画家の弟。

  • みぃちゃんオススメ本
    絵本ではありますが
    子どもたちには、ちょっと難しいかな

    水彩&鉛筆ではない、いせひでこ
    鮮やかな発色の黄色とブルー
    ゴッホの色彩ですね

    ゴッホについて創作を温めていたなんて
    意外に感じましたが
    相当の時間をかけて大事に描かれた印象です

    悲しいお話ではありますが、美しい本です

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著者プロフィール

[著者紹介]いせひでこ(伊勢英子)
画家、絵本作家。1949年生まれ。13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞を受賞。絵本の代表作に『ルリユールおじさん』『1000の風 1000のチェロ』『絵描き』『大きな木のような人』『あの路』『木のあかちゃんズ』『最初の質問』『チェロの木』『幼い子は微笑む』『ねえ、しってる?』『けんちゃんのもみの木』『たぬき』など、単行本・エッセイに『旅する絵描き』『七つめの絵の具』『わたしの木、こころの木』『こぶしのなかの宇宙』『猫だもの』『見えない蝶をさがして』『風のことば 空のことば』など多数。


「2022年 『愛蔵版 グレイがまってるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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