営繕かるかや怪異譚

著者 : 小野不由美

• KADOKAWA/角川書店 (2014年12月1日発売)

感想・レビュー・書評

[bookjiroさんの感想 · 2016年2月16日]

怖いけど、いい話の短編集。

[morinookamiさんの感想 · 2016年2月15日]

何者かが家にいる…。そんな恐怖とその霊たちを成仏させる大工の感動的なエンディングという紹介文を読み、恐怖と感動という相対する感情が共存することは可能なのかと興味を持って手にしてみた。霊になるまでの過程で過去嫌な死に方をしたとかが感動を誘うポイントになりそうであったが、全体的にはいまいちな内容であった。

[Withverneさんの感想 · 2016年2月11日]

住人一人一人が住まう家とどう折り合いをつけるか。直近読んだ同作者の「残穢」よりも怖かったかも。ただ、短編の最後には必ず解決策、もとい救いがあるので、読後感は非常に良い。怪現象の理由が提供されるカタルシスが味わえる。短編の中では「雨の鈴」の空気感が非常に好き。梅雨時の曇天の中に響く鈴の音の妙な清涼感が印象に残った。

[renoko0309さんの感想 · 2016年2月7日]

思い切った発想の転換、そしてちょっぴりのやさしさがあれば、人はどんな存在とも、ともに暮らしていけるのかも。

[mojaeさんの感想 · 2015年10月29日]

ぞくっとしたぁー
でも丁寧で誰かを陥れるようなものじゃない
救いがある話たちだった
人の人生とシンクロしちゃうことだってあるわよね

[aoshi33さんの感想 · 2015年10月10日]

　家にまつわるホラー短編集。解決に導いてくれる存在がいたのである程度安心感を持って読めた。それでも、雨の日ごとに路地を曲がって家に近づいてくる喪服の女の話は怖すぎて夜には読めなかった・・・。「メリーさん」的なパターンの話はよくあるけど、それでもやっぱり怖い。
　でも、どの話も除霊しておしまい、というのではなく、家の歴史を踏まえ、霊の苦しみを取り除く解決法なので、後味は悪くない。

[Saltさんの感想 · 2015年10月6日]

2015.10.05

待ちに待った小野不由美さんの新作！
図書館にはなぜか児童文学のコーナーにありましたが、ゴーストハントシリーズと同じく、大人が読んでも充分にゾクリとさせられました！

歴史ある城下町にある古い家並み。その日常の中で起こる怪異6編。
最初はなんでもないような出来事からはじまって、ジワリジワリと恐怖が迫ってくる描写はさすがです。
次の行を読むのが強い、でも読むのをやめられない…。

怪異の起こる家から引っ越すのでも、家を取り壊すのでもなく、家を直して怪とうまく共存していく解決方法が面白く、読後感は不思議と爽やか。

今回も期待を裏切らない内容でした。
シリーズ化希望！

[ponpocomomさんの感想 · 2015年8月20日]

中庭に面した不自然にタンスでふさがれた座敷。何度しめてもそのふすまが開いている。そのうちそこから手が...。
この作者独特のさらりとした怖さに
キタキタキタ～っ
とワクワクしてしまう(笑)
そして現れたのは営繕かるかやこと「大工」の尾端。
霊感はない、と言いながら家をあるべき姿にして、すとん、と解決していくさまがスッとした。

この前に読んだ、「鬼談百景」に近い感じ。

短編集とは知らずに読み始めたけど、きれいなお話がすとんっすとんっと落ち着いていく読後感。
良かった！
怖くはないよ～(笑)

[usakamemamaさんの感想 · 2015年8月20日]

面白かった。実話なんだろうか？実際にあっても おかしくない話ばかりで 恐怖心というより 興味津々で読み進めた。
こういう話 大好きだ。旦那さんにも 勧めてみようと思った。

[イマイさんの感想 · 2015年8月17日]

解決の仕方が穏やかでいいなー悪霊退散ではないというか。


舞台はとある城下町、その町の家とひとの話。
「奥庭より」
隙間って怖い。いつの間にか隙間があいてたらもっと怖い。
「屋根裏に」
ホラーとちょっと違うのかな？と思ったらきっちり。
「雨の鈴」
これすごく怖い。雨の日怖い。こんな事があったらもう絶対無理。解決の仕方が優しくて好きかも
「異形のひと」
個人的胸糞悪いなーっていう内容があったけど怖い。そんな理由があっても怖いなと思う…ごめんね…
「潮満ちの井戸」
これが一番正体のわからない怖さ！庭いじり楽しそう
「檻の外」
ホラーっぽい！て描写が一番あったかも。境遇が辛くて読むの切なかった

著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家　ゴーストハント（1）特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」