検事の本懐 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041066591

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第1作「最後の証人」を手にしたのは今年の3月…本作の続編「検事の死命」も含めほぼ3冊を同時に購入していたにもかかわらず、なぜにこんなに積読にしていたのだろう…

    「佐方貞人」シリーズ第2作となる本作は主人公の佐方が検事として登場します。

    「第一話 樹を見る」「第二話 罪を押す」「第三話 恩を返す」「第四話 拳を握る」「第五話 本懐を知る」の5編からなる短編。

    今年の8月に同じく柚月裕子作品である「孤狼の血」シリーズをprimeの映画版も含めて一気読みさせられたことを思い出す。

    「孤狼の血」の感想に「最後の証人」と1〜2を競う作品と記しましたが、本作もヤバイです。

    今日は休日(日)とはいえ、すでに19時。

    そして目の前には続編「検事の死命」が...

    夜食を食べ、お風呂に入り、洗濯した後のアイロンが終わればきっと手にしてしまう...

    柚月裕子作品、なんたる恐ろしさ。

    しかも先日本シリーズの続編も発売になってますよねー。

    積読いっぱいあるのにまた買っちゃいますね。

    本の置き場が...

    これ以上本棚増やせないし、これってきっと読者好き共通のアルアルですよね。

    あれ?

    本作の感想書かずにここまで来ちゃいました^^;

    気になる方は是非ご自身で手にしてみてください!




    説明

    内容紹介

    「佐方貞人」シリーズ検事編、新装版!

    ガレージや車が燃やされるなど17件続いた放火事件。険悪ムードが漂う捜査本部は、16件目の現場から走り去った人物に似た男を強引に別件逮捕する。取調を担当することになった新人検事の佐方貞人は「まだ事件は解決していない」と唯一被害者が出た13件目の放火の手口に不審を抱く(「樹を見る」)。権力と策略が交錯する司法を舞台に、追い込まれた人間たちの本性を描いた慟哭のミステリー、全5話。第15回大藪春彦賞受賞作。

    内容(「BOOK」データベースより)

    ガレージや車が燃やされるなど17件続いた放火事件。険悪ムードが漂う捜査本部は、16件目の現場から走り去った人物に似た男を強引に別件逮捕する。取調を担当することになった新人検事の佐方貞人は「まだ事件は解決していない」と唯一被害者が出た13件目の放火の手口に不審を抱く(「樹を見る」)。権力と策略が交錯する司法を舞台に、追い込まれた人間たちの本性を描いた慟哭のミステリー、全5話。第15回大藪春彦賞受賞作。

    著者について

    ●柚月裕子:1968年、岩手県生まれ。2008年、『臨床真理』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を受賞。16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞を受賞。丁寧な筆致で人間の機微を描きだす、今もっとも注目されるミステリ作家の一人。他の著書に『最後の証人』『検事の死命』『蟻の菜園‐アントガーデン‐』『パレートの誤算』『朽ちないサクラ』『ウツボカズラの甘い息』『あしたの君へ』『慈雨』『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』などがある。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    柚月/裕子
    1968年岩手県出身。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。18年『盤上の向日葵』で「本屋大賞」2位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 佐方という人物には、自分とは生きていくフィールド が違うのですが、こうありたかったという感情が溢れました。
    この作者・主人公とは長いお付き合いになりそうです。

  • 検事、佐方貞人の短編物語。

    あ〜、やっぱり佐方貞人は裏切らなかった。
    五話それぞれ面白かった。
    事件の内容だけを見るのではなくちゃんと人を見て真実を追求していく。
    情には流されないけれど、どこか優しさも垣間見れて憎めないキャラ。

    やはり佐方シリーズは面白い!

  • 佐方シリーズ、第2作目で第15回大藪春彦賞受賞とのことです。全5話。
    読み始めて、すぐに世界に入っていけます。そしたらもう待った無し、最後まで。いやもう、文句がつけようが無いくらい面白かった。周りの人が佐方を語っていきますが、それだけでも魅力がバッチリ伝わります。自分の信念を貫く男、法ではなく人を見る、素敵だ。良いですなあ。そんなことで5作の中で自分が一番力が入ったのは、東京地検特捜部を舞台にした「拳を握る」かな。

  • 佐方シリーズ「検事の本懐」読了。

    少し前に読んだ「最後の証人」からの2冊目。「最後の証人」では弁護士になっていた佐方貞夫が、まだ三年目の検事だった頃の5つの短編でした。

    ちょっと情報をググったら、佐方をシリーズ化するという予定は最初はなかったようですね。読者から、佐方をもっと知りたい、という声が届いて続きを書いたのだとか。

    いや、そりゃ知りたくなりますよね。

    2冊読んで思ったのは、佐方貞夫は、最初からレベル100の主人公として「第三者の目から」語られるんですね。佐方自身には、もしかしたら葛藤や成長の物語があるのかもしれないけれど、外からの視点でしか語られないから(「最後の証人」では佐方視点もあったけれど、内容に踏み込むような記述はなかった、と思う)、彼がレベル100の男であり、「信念を貫く」人間として描かれる。

    そして、検事から弁護士になっていることとか、両親についての謎だとかを散りばめられちゃったら、そりゃ、佐方についてもっともっと知りたくなりますよねー。


    佐方シリーズの第2弾では、まだ三年目というペーペー検事の佐方のレベル100っぷりと、そして父親についての事実が描かれていました。それについての佐方の「心情」は、未だ語られず。

    もしかしたらシリーズが進んでいくと、佐方視点の心情吐露があるのかもしれないけど、どうなんだろう。楽しみ。

    いや、これは、とりあえず続きを読むしかないですね。

    あー、ネタバレは無しでお願いします(ぺこり

  • 422ページ。長編ではなく、5つの短編からなる連作短編集。とても読みやすかった。ミステリーの要素もあるが、ヒューマンドラマの感が強い。読後感は爽快、読んで良かったなぁと思う。

  • 世間では定年延長や賭けマージャンに絡んだ検察の話が喧しい…。

    さて、前作では既に検事を辞めて弁護士として腕を振るう佐方の姿が描かれていたが、本作は時間を遡って若かりし検事だった頃の佐方にまつわる5つの話。

    明らかに有罪と思える事件に対し、それを扱う佐方が小さな引っ掛かりから捜査をやり直し、真相を明らかにする最初の2つの話も、検事としての佐方の資質を明らかにするが、これはまあ序の口。
    高校生の頃のエピソードを交えた第三話や有能な弁護士だった亡き父が罪を被ることになった経緯が明かされる第五話など、佐方の生き様や人となりが浮き彫りになって読み応えがあり。
    第三話の『借りを返せば、恩が返せるわけじゃない』という言葉が第五話とリンクして深い余韻。
    全編を通し検事はこうあるべきだという真摯な姿勢に貫かれているが、そういう佐方でも全てが思うようになる訳ではないという世界を見せられた第四話がまた秀逸。

  •  『佐方貞人』シリーズ2作目。5編からなる連作短編集。大藪春彦賞受賞作品。

         * * * * *

     本作での佐方は検事として米崎地検に配属されて1年という設定。

     高校時代の佐方を描く「恩を返す」、横領の罪に問われ獄中死した佐方の父・陽世の謎に迫る「本懐を知る」以外の3編は、佐方の検事としての佇まいを異なる側面から描いています。

     それも佐方に心中を語らせることなく、各話の登場人物の目を通した佐方という人間の描写にすることで、却って主人公としての存在感を確固としたものにしていました。うまい手法だと思います。

     巻末が近づくと言いようもなく淋しくなります。そして、早く続編を読みたくて仕方なくなります。まったく厄介な名作シリーズだと思いました。

  • 佐方貞人シリーズ2作目。
    前作がとても面白かったが、今作は短編集とのこともあり少し不安を持ちながら読み始めたが、そんな不安も一気に消してくれる面白さだった。
    今作で完全に佐方貞人のファンになってしまった。
    現時点で残り2作品あるのでとても楽しみである。

  • 再読

    佐方シリーズ第二弾
    待ってましたのヤメ検佐方の過去編短編集。

    樹を見る…連続放火犯の話
         
    罪を押す…窃盗常習ハエタツの話
         息子の手紙に泣けた(/ _ ; )

    恩を返す…高校生の佐方と同級生の女の子の話
         孤高の佐方少年と孤独な少女

    拳を握る…特捜応援の話

    本懐を知る…何故父親が犯罪者になったのか
          自ら信じる正義に揺るぎない信念
          この父親あってこその佐方です!
          もう最後の一行まで最高でした!

    弁護士もいいけど検事もいい…
    長編もいいけど短編もいい…

    そしてなんと言っても広島弁が大好物です(//∇//)
    柚月さんの描く男達はなんでこんなにカッコイイんだろうか…

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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