- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041066607
感想・レビュー・書評
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検事・佐方貞夫シリーズの3作目「検事の死命」読了。
4つの話から構成されているけれど、後半の2つは1つの事件に関するもの。「死命」というタイトルが付くので、この本のメインの話ということかな。
けれど、私が良かったと思ったのは、第二話として語られた、佐方の父親の十三回忌にまつわる話。
シリーズ2冊目で大筋が語られた佐方の父・佐方陽世にまつわる話だったけれど、やっとここで「なぜ?」が語られました(とはいえ、納得できない部分も残っているけれど…)。
前作までは、佐方の人物像に違和感を感じていたんですが(感情を表さず、真摯に正義を貫く姿、とはいえ、あまりにも無表情すぎる!と)、だんだん慣れてきました。そして、佐方にも可愛いところがあるじゃねーか、的なツボポイントもあったりして、佐方がさらに好きになってきました。
作品の中でも、話を重ねていくうちに、佐方の理解者が増えていくのが見えてきていて、そこも上手いな、と。味方はもちろん、敵(被告の弁護士とか)からも一目置かれていく様は読んでいて気持ちがいい。
ということで、次も近々読む予定。
すでにドラマ化されていて、ドラマでは佐方を上川隆也が演じているとのこと。見ていないのでなんともいえないけど、第一印象では、なんか違うなーと。
正義を貫く感じは上川くんでいいけど、上川くんだと見た目が清潔すぎるきが…。
特別ドラマ?がアマプラで見られるみたいなので、見てみようかな。でも、印象壊れると嫌だし、どうしようかなぁ。 -
佐方貞人シリーズ第三弾。4つの短編。第ニ話では佐方貞人の父・陽世の真実が明かされる。第三話、第四話は、権力者をバックに持つ犯人の起訴、法廷での対決。面白く、どんどん読めた。やっぱり勧善懲悪モノは読後感がいいですね。
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久方ぶりの佐方貞人さん。
間が空いていたのですぐに話に入れるか不安でしたが1日で読んでしまいました。幸福な休日です。
いつものことなのですが、読み終えると背筋がピンと伸びる感じです。
佐方貞人の様な人物にはとてもなれないですが、このような生き方も在ることを心に留めておきたいと思いました。
検事の本懐からのモヤモヤも晴れましたし、明日からも頑張れそうです。
柚月裕子さんには安心して付いて行きます。 -
シリーズ物なので買った一冊。
短編だった。
どれも読みごたえがありよかった。
「業をおろす」は感動する話だった。
事件の関係者が真実を知ることができ誤解がとけてある意味スッキリした話でもあった。
「死命を賭ける」「死命を決する」は権力に負けないでセリフにもあった「罪をまっとうに裁く」事ができいい話だった。
このシリーズの主人公は派手さはないが、なんか魅力がある。ちゃんと事件の事を理解していろんな判断をしているんだと思う。
まだまだこのシリーズを読んでみたいと思った小説でした。 -
タイトルにある通り、検事時代の話。絶対的な正義感というものには、ある意味リアリティはなく、フィクションを感じさせる。だからこそ、没頭しちゃうんでしょうね、このシリーズに。作家さん、確信犯だよね。人間の誰しもが持っている弱さや狡猾さを露呈してるんだから。誰もが憧れるスーパーマンがそこにはいます。次回作も検事時代のようですが、いつ弁護士にもどるんだろ?それとも戻らない? どちらにしろ次作、検事の信義を早く読みたいなと。
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検事の死命とは。
浄化槽の中から証拠を探す、そんな泥臭い仕事をすることもある。
権力に立ち向かうことだけじゃない。
雑音に振り回されずにただただ真実だけを追求する。救われるべき人を救う。
それこそが死命なのかもしれない。 -
佐方貞人シリーズ3作目
ぶれることのない佐方貞人と安定の面白さに星五つ -
1話目は何かのアンソロジーで既読。2話目はシリーズ第2作「検事の本懐」の後日談。ということで、メインイベントは、3話目と4話目の痴漢『冤罪』事件。被告のクズ振りと、(それを知らずに)あの手この手で揉み消そうとする体制側の傲慢さ。
被害者の女子高生の過去の補導歴の真相が詳しくは語られていないのだけど、佐方貞人の父佐方陽世が黙して罪を被った話と重なって、貞人が燃えた理由がよく分かって泣けます。