検事の死命 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041066607

感想・レビュー・書評

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  • 昨日シリーズ第2作「検事の本懐」を読み終え、結果そのままシリーズ第3作となる本作を手にさせられました。

    本作は「第一話 心を掬う」「第二話 業をおろす」「第三話 死命を賭ける「死命」刑事部編」「第四話 死命を決する「死命」公判部編」の4作からなる連作短編。

    連作故にシリーズを通してストーリーは繋がっています。



    説明
    内容紹介
    ベストセラー「佐方貞人」シリーズ検事編、新装版!

    電車内で女子高生に痴漢を働いたとして会社員の武本が現行犯逮捕された。武本は容疑を否認し、金を払えば示談にすると少女から脅されたと主張。さらに武本は県内有数の資産家一族の婿だった。担当を任された検事・佐方貞人に対し、上司や国会議員から不起訴にするよう圧力がかかるが、佐方は覚悟を決めて起訴に踏み切る。権力に挑む佐方に勝算はあるのか(「死命を賭ける」)。正義感あふれる男の執念を描いた、傑作ミステリー。

    内容(「BOOK」データベースより)
    電車内で女子高生に痴漢を働いたとして会社員の武本が現行犯逮捕された。武本は容疑を否認し、金を払えば示談にすると少女から脅されたと主張。さらに武本は県内有数の資産家一族の婿だった。担当を任された検事・佐方貞人に対し、上司や国会議員から不起訴にするよう圧力がかかるが、佐方は覚悟を決めて起訴に踏み切る。権力に挑む佐方に勝算はあるのか(「死命を賭ける」)。正義感あふれる男の執念を描いた、傑作ミステリー。

    著者について
    ●柚月裕子:1968年、岩手県生まれ。2008年、『臨床真理』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を受賞。16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞を受賞。丁寧な筆致で人間の機微を描きだす、今もっとも注目されるミステリ作家の一人。他の著書に『最後の証人』『検事の死命』『蟻の菜園‐アントガーデン‐』『パレートの誤算』『朽ちないサクラ』『ウツボカズラの甘い息』『あしたの君へ』『慈雨』『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』などがある。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    柚月/裕子
    1968年岩手県出身。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。18年『盤上の向日葵』で「本屋大賞」2位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 検事・佐方貞夫シリーズの3作目「検事の死命」読了。

    4つの話から構成されているけれど、後半の2つは1つの事件に関するもの。「死命」というタイトルが付くので、この本のメインの話ということかな。

    けれど、私が良かったと思ったのは、第二話として語られた、佐方の父親の十三回忌にまつわる話。
    シリーズ2冊目で大筋が語られた佐方の父・佐方陽世にまつわる話だったけれど、やっとここで「なぜ?」が語られました(とはいえ、納得できない部分も残っているけれど…)。

    前作までは、佐方の人物像に違和感を感じていたんですが(感情を表さず、真摯に正義を貫く姿、とはいえ、あまりにも無表情すぎる!と)、だんだん慣れてきました。そして、佐方にも可愛いところがあるじゃねーか、的なツボポイントもあったりして、佐方がさらに好きになってきました。

    作品の中でも、話を重ねていくうちに、佐方の理解者が増えていくのが見えてきていて、そこも上手いな、と。味方はもちろん、敵(被告の弁護士とか)からも一目置かれていく様は読んでいて気持ちがいい。


    ということで、次も近々読む予定。


    すでにドラマ化されていて、ドラマでは佐方を上川隆也が演じているとのこと。見ていないのでなんともいえないけど、第一印象では、なんか違うなーと。
    正義を貫く感じは上川くんでいいけど、上川くんだと見た目が清潔すぎるきが…。
    特別ドラマ?がアマプラで見られるみたいなので、見てみようかな。でも、印象壊れると嫌だし、どうしようかなぁ。

  • 佐方貞人シリーズ第三弾。4つの短編。第ニ話では佐方貞人の父・陽世の真実が明かされる。第三話、第四話は、権力者をバックに持つ犯人の起訴、法廷での対決。面白く、どんどん読めた。やっぱり勧善懲悪モノは読後感がいいですね。

  • 久方ぶりの佐方貞人さん。
    間が空いていたのですぐに話に入れるか不安でしたが1日で読んでしまいました。幸福な休日です。
    いつものことなのですが、読み終えると背筋がピンと伸びる感じです。
    佐方貞人の様な人物にはとてもなれないですが、このような生き方も在ることを心に留めておきたいと思いました。
    検事の本懐からのモヤモヤも晴れましたし、明日からも頑張れそうです。
    柚月裕子さんには安心して付いて行きます。

  • シリーズ物なので買った一冊。

    短編だった。

    どれも読みごたえがありよかった。

    「業をおろす」は感動する話だった。
    事件の関係者が真実を知ることができ誤解がとけてある意味スッキリした話でもあった。

    「死命を賭ける」「死命を決する」は権力に負けないでセリフにもあった「罪をまっとうに裁く」事ができいい話だった。

    このシリーズの主人公は派手さはないが、なんか魅力がある。ちゃんと事件の事を理解していろんな判断をしているんだと思う。

    まだまだこのシリーズを読んでみたいと思った小説でした。

  • 巻末の解説を読んで膝を叩きました
    そう!安定感です
    柚月裕子さんの作品は安定感があるんですよね

    お父さんの無実が世間に知れる短編も用意してくれててもやもやした気持ちが晴れました

    法廷ものもよく出来てて面白かったな〜

  • タイトルにある通り、検事時代の話。絶対的な正義感というものには、ある意味リアリティはなく、フィクションを感じさせる。だからこそ、没頭しちゃうんでしょうね、このシリーズに。作家さん、確信犯だよね。人間の誰しもが持っている弱さや狡猾さを露呈してるんだから。誰もが憧れるスーパーマンがそこにはいます。次回作も検事時代のようですが、いつ弁護士にもどるんだろ?それとも戻らない? どちらにしろ次作、検事の信義を早く読みたいなと。

  • 検事の死命とは。
    浄化槽の中から証拠を探す、そんな泥臭い仕事をすることもある。

    権力に立ち向かうことだけじゃない。

    雑音に振り回されずにただただ真実だけを追求する。救われるべき人を救う。

    それこそが死命なのかもしれない。

  • 佐方貞人シリーズ3作目

    ぶれることのない佐方貞人と安定の面白さに星五つ

  • 1話目は何かのアンソロジーで既読。2話目はシリーズ第2作「検事の本懐」の後日談。ということで、メインイベントは、3話目と4話目の痴漢『冤罪』事件。被告のクズ振りと、(それを知らずに)あの手この手で揉み消そうとする体制側の傲慢さ。
    被害者の女子高生の過去の補導歴の真相が詳しくは語られていないのだけど、佐方貞人の父佐方陽世が黙して罪を被った話と重なって、貞人が燃えた理由がよく分かって泣けます。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

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