- Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043428090
感想・レビュー・書評
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RIKOシリーズサブキャラである山内と麻生の物語。ということで、「RIKOシリーズ番外編」であり「キャラもの」というイメージで読み始めたものの、そんなもんじゃ済まないっ! なんとも重厚かつ壮大な物語。あの山内にこういう過去があったとはなあ……意外だったけれど、ますますキャラクターの深みが増した。RIKOシリーズ読み返したい気分。
ミステリとしてももちろんだけれど、それ以外の部分もかなり大きい。どろどろなんだけれど、とても哀しい愛憎劇にやられた~。人それぞれの「愛」のかたちというものに感涙。RIKOシリーズ読んでない人でも読めるし、これはおすすめ。当然、RIKOシリーズをあわせて読んだほうがなお良いんだけれど。というか、RIKOシリーズ読んで面白かったという人は迷わず読むべし!
さらに文庫版にはサイドストーリー「歩道」と「ガラスの蝶々」が収録されています。これでぐぐっと世界観が深まりますねえ。特に「ガラスの蝶々」は、「月神の浅き夢」を読んでからの方がなおお勧め。「グラシア」だ~。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
/?day=20061206
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ずっしりと読み応えのある作品。
切なくて、重たい。
だけど刑事ものの面白さを知った。
最初は抵抗あるかもしれないけど、少なくとも私は読んで損はしなかったし、久しぶりに小説にどっぷり浸かった気がした。 -
久しぶりの一気読み。とにかく濃厚。事件については巧いことピースをはめ込んでスッキリ解決。主人公・麻生と山内をはじめとするキャラクターについてもうまいこと落ち着かせてて納得度は高い。これほどの長編なのに一気読みさせる魅力は一級品。テイストは異なるが東野圭吾氏の白夜行に匹敵するかもしれない。ただ、私の評価が☆4なのは、どうしても男色の性関係の描写が喉に詰まったから。(自分がノーマルな人間であるという自尊心?が影響しているのか、受け入れられない嫌悪感が・・・)これは難しいところで、この女男関係なしの恋愛や性関係部分を抜いてしまったり遠慮して描かれていたら、この小説の全体の完成度や存在意義のようなものは薄れてしまい普通の小説になってしまうだろう。こういう色の小説だから仕方ないと思うしかないが、映像化も難しいし万人に受け入れられない気がする。そういう意味で宮部みゆきさんの「模倣犯」と正反対。完成度・濃厚さでは勝るとも劣らないだけに、どうしようもないが少し残念。個人的にはRIKOシリーズなどの関連小説はきっとこれから読んでいくと思います。
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愛って良い意味でも悪い意味でも重い。
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切なすぎて、言葉には出来ません。思いが通じあっても、それは茨の道、しかし一時は2人はその道を選んだので、一瞬の残酷で幸福な時間を、永遠という時間に昇華させてほしいと、ここまで願った本は初めてです。練には、幸せになってほしい。それは、読者全員の思いだと、信じて疑いません。性描写がどうのこうのだなんて、どうでもいい。ただ、見届けてほしい、2人が選択した、刹那の幸せを。
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なんというか、終わりは切なくなった。
よかったとも思えるし、もっといい方向にいけなかったのかとも思えるし…
それでもとにかくおもしろかったです。 -
ゲイやらバイやらいっぱい出てくるし、主人公も男なのに、脇で出てくる女性がとても魅力的で大人の女性っていうのはカッコ良いなぁと思った。
なんかすごい満腹。
でももっともっと読みたいと思ってしまうから不思議。
これ読んで美味しいコーヒーやお酒が飲みたくなる人は多いはず。
わたしは浴びるようにお酒を飲みたいと思った。 -
面白くないわけじゃないが……
とどのつまり、ボーイズラブ。みたいな…… -
上巻でも書いたが、とにかく一度読んでみてほしい。
人間誰でもこんな風に人生がちょっとしたことがきっかけで変わってしまうのかもしれない。
読み終わった時、何ともせつなくなった。登場人物が皆いとしく思えた。