悲しみの乗り越え方 (角川oneテーマ21 A 137)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102897

作品紹介・あらすじ

人間の悲しみとは何か?癒やしの希望とは?日本人の「悲嘆」の現場に寄り添い続ける「グリーフケア」の第一人者が説き明かす。天災、病気、失業、事故、失恋…人生という「喪失の連続」を生きるための処方箋。

感想・レビュー・書評

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  • グリーフケアの第一人者である筆者が、出会ってきた様々な喪失を経験したひとたちを紹介しながら、悲嘆と向き合うにはどうすればいいかを綴っている。

    ひとは小さな喪失体験をし、受け入れながら、いずれくる死という大きな喪失への耐性を着けるのだという話だった。
    死ぬと無になるという考え方では死に耐えるのは難しいらしいと感じた。
    鬱と悲嘆は違う、精神科では薬漬けにされるからまずは内科に行けという話が印象的だった。

  • 悲しみという感情を否定しない。泣き叫ぶというう表現は重要で必要。絶対に幸せになってやるんだ。絶対に絶対に誰にも負けないくらい幸せになるんだ、とこ心に決めた。

  • 誰でも体験する“悲しい”という感情を乗り越えるのに苦労してる人、そういう人が周りにいる人の力になってくれる本だと思います。

    九州ルーテル学院大学:しばいぬ

  • かねてより興味を持っていたグリーフ(悲嘆)ケアについて学び始めたところです。
    「喪失」にともなう悲しみをどうケアしていくか。
    「喪失」というのは家族や身近な人の死ととらえていましたが、それだけではないようです。
    子どもころから、おもちゃや大事なものを壊したり捨てられてしまったり。。。
    人はそれらの小さな悲しみを乗り越えてきているのです。

    グリーフケアの第一人者として上智大学グリーフケア研究所所長を務める著者が多面的に、グリーフケアについて描いています。

    第1章 ”喪失の積み重ね”としての人生
    第2章 人生の選択肢を失う悲しみ
    第3章 愛するいのちを失う悲しみ
    第4章 自らの死といかに向きあうか
    第5章 悲しみを前にした私たちの孤独
    第6章 悲しみの乗り越え方

    自分の死を前にした人の不安や恐怖の要因
    ・愛する家族や友人たちとの別れ
    ・自分が遺す家族に対する心配
    ・人生を不完全なままに終えることへの不満
    ・身体的苦痛への恐怖と不安
    ・一人旅立つことの孤独に対する恐怖と不安
    ・体験したことのない未知なるものを前にした不安
    ・自己自身が消滅し無になることへの不安
    ・死後の「審判」や「罰」についての不安

    人は死ぬとどうなるのか?
    ①無になってしまうのか
    ②輪廻転生するのか
    ③どうなるかわからないけれども、何かが残るような気がする
    ④天国(極楽)や地獄に行く

    病などで死を間近にした人たちは、このテーマでまず大きな壁にぶつかるといいます。
    私は父を亡くしたときに、ずいぶん考えたことがありました。
    少なくとも、①であってほしくない
    とくに宗教を持たない私ですが、②か③であってほしいなと思っています。
    そうであれば、とても安らかな気持ちになれます。

    悲しみの乗り越え方の項目だけピックアップしておきます。
    ・悲しみを受け容れて、表現すること
    ・悲しみを誰に話すか
    ・今を生き抜いて、時間をかけること
    ・自分自身を縛りつけているものを手放すこと
    ・他人と、故人と、自分との新しい出会い
    ・出会いに対して開かれていること
    ・他人を評価するのではなく、信頼すること
    ・小さな喪失を積み重ねること

    時期の早い遅いはあるとはいえ、いずれだれもが死を迎えるという意味は、「死はだれにとっても平等なものである」という言葉が心に残りました。

  • 今、高木先生に相談に乗ってもらっているのですが、この本を高木先生に直接いただきました。
    ものすごく、おだやかでエネルギッシュなおばあさんです。
    悲嘆はうつではないということ。
    自分と他人が共有できることなんてせいぜい4分の一ということを読んで、悩みをみんな分かってくれる人なんていないんだな、と思いました。

  • 三葛館新書 141.6||TA

    長年、グリーフケア(悲観にある人の心のケア)に携わってきた著者が、事例を交えながら、悲しみの乗り越え方をアドバイスしてくれます。
    誰でも人生の中で大きな喪失を経験することが必ずあります。
    その時、悲しみをうまく乗り越えるために本書が力になってくれるでしょう。

    和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=61770

  • 事故などで非業を死を遂げた家族に対するグリーフ(悲嘆)・ケアについてまとめられた一冊。

    心理学的な領域に踏み込んだ内容かと思いきや、割とセミナーっぽい感じ。

  • 生と死について、考えさせられる本が多く、充実してました。
    生と死について、考えさせられる本が多く、充実してました。

  • 人生とは喪失の連続。受け入れ、喪失体験を経験化することに尽きる…当たり前のことだが、こうして文章や体験談を読むことで再認識する。最近の新書の典型的パターン。

  • 帯に「生きるための処方箋」と書いてあったので読んでみたが、そこまでの物ではなかった。
    内容的には良いのだが、今一歩足りない。
    やはり直に話を聞いてみないとダメなのであろうか。

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著者プロフィール

1936年熊本県生まれ。上智大学グリーフケア研究所特任所長、上智大学特任教授。聖心女子大学文学部心理学科卒、上智大学大学院神学研究科博士前期課程修了。博士(宗教文化)。病気や災害、事故などで家族を亡くした遺族を対象とするグリーフケアの実践に携わり、長年、その第一人者として活躍。著書に『死と向き合う瞬間』、『喪失体験と悲嘆』、『輝いて人生』(日野原重明と共著)、『悲しみの乗り越え方』、『それでも人は生かされている』などがある。

「2014年 『講座スピリチュアル学 第1巻 スピリチュアルケア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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