吐息雪色 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.17
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本棚登録 : 1443
感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048700535

感想・レビュー・書評

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  • 今回も素敵なラストで泣いた

  • 結城佳帆は、妹の真奈と二人暮らし。
    そんな佳帆が図書館の館長である舞原葵依に恋をする。

    佳帆が「運命だ」と思った理由。
    妻の雪蛍を失った葵依の心に、佳帆が寄り添える理由。

    最初らへんの一文で、わかっていたのに。佳帆と葵依が行き着いた先に、それがあるってわかってたのに。やっぱり悲しくて寂しくて切なかった。

    会いたくても、ただ会いたいだけだから、勇気が必要なのだろう。って文が凄く好きです。理由があれば、言い訳ができれば、きっとそんなに勇気なんていらない。会いたいって…ただそれだけを伝えるのって、どれだけの勇気がいるんだろうね。

    葵依さんの「よう。また会ったな」が凄く好きです。
    これまでのシリーズには舞原家の人々が色々出てくるけれど、私が一番好きなのは葵依さんだな。

    星乃叶も元気そうで良かった!

  • すごく綺麗な物語。
    優しくてあたたかい嘘。
    弱くて儚くて悲しくて切なくて、でも強くて優しくてあたたかい。全て詰まってる。
    冬にはこの本を読みたくなる。

  • シリーズ第4弾。
    下手に触れるとネタバレするので書けないけれど、
    久しぶりに恋でもして前に進もうと思った相手が
    スリム長身超絶美形眼鏡の図書館の館長とは。
    躊躇いも戸惑いもすっ飛ばして速攻トライで自爆。
    この想いの行く先は・・・
    このシリーズによく出てくる花がスノードロップ
    花言葉は希望 このシリーズの核なんでしょうね。
    それでもやっぱり、受け入れがたいです。
    恋愛ものが好きな人にはいいかもしれない。
    色んなタイプの想いが描かれてますからね。

  • 見事にやられました。さすが綾崎さんです。
    妻を亡くした男を思い続ける女性の、悲恋の物語だと思って読み進めていたのですが、恋愛ミステリーのトリックが明かされるや、また違った物語に変貌します。トリックが判明した後に、あらゆるページをめくり、色々確認しちゃいました。

    悲しいお話しですが、希望もあり、読んでみて良かったです。

  • 「雪月風花」
    一目惚れをした相手は。
    好みの容姿だったら誰でも好きになるのが一目惚れではないだろう。
    ただ相手からすると話したこともないのに好意を寄せられるのは容姿しか見ていないの軽い人と同じなのだろうな。

    「雨露霜雪」
    少しずつ近づく距離。
    彼の言葉で突然見知らぬ人から寄せられる好意の怖さに気づいた。
    当たり前のように毎日が過ぎていくのが、どれだけ幸せか失ってから気づくんだろうな。

    「雪見月夜」
    四年ぶりに見つけた彼女。
    他人から何を言われようと自分の目で確認するまで信じれない現実はあるよな。
    それを本当に目にしたからといってすぐに前を向けるかは別だが…。

    「初花凛々」
    二人の出会いの場は。
    名のある家柄だと身内の集まりで自分の立ち位置を考えて行動しなければいけないんだろうな。
    てっきり同じ苗字なのは結婚しているからなのかと思いきや始めから同じだったのか…。

    「吐息雪色」
    彼に紹介したかった妹は。
    一人で待つ彼女を見てやはり誰かと会うのは、まだ厳しかったのかと思ったが…。
    この物語は何処までが現在で何処までが想像もしくは過去なのだろう。

    「私の愛は小さいけれど」
    彼女の世界の全てを。
    何年も蓋をして隠していても向かい合う勇気が出た時にその蓋を開ければいいのだろう。
    無理に蓋を開けて自分まで壊れてしまったら、誰も幸せになれないしな。

  • あーーーー。

    だまされた(笑)!!


    だまされたっていうか、
    「あ、そういうことか」
    ちゅう具合。

    わかってしまえば(物語としての)筋はそうひねってあるわけではないんやけど、見せ方がうまいなー。
    叙述トリックというか、こういう、文章でだます構成は、ほんまに好き。

    著者の、未来のことを話すわけではないのに
    「○○になる」
    ちゅう未来形? な、文章が生きてるわー。

    あとでざーっと読み返してみたけど、矛盾したところもなければ伏線もちゃんとあって、ニヤニヤしました。
    あー、でもそれをいうたらシリーズ1作目の「蒼空時雨」も、ややだましテクニックが入ってるんかな。

    今回の主役の佳帆がアラサーやったせいか、この話が一番読んでいて面白かった。笑
    相変わらず凝った名前ばっかり出てくるので、「結城佳帆」ちゅう名前がまあ読みやすいこと・・・。

    結城・・・。イヤイヤそこに反応しちゃう?

    ええとー、楠木風夏って、「青空時雨」に出てきた、両親を交通事故で亡くした双子の片割れやっけ?
    星乃叶は覚えてるよ。時間が止まってしまった子やんね。そういえば図書館に勤務してるとかいう話になってたっけ。

    雪蛍は・・・? 今まで、でてきたことあったっけ・・・?

    はっちゃけた名前(いうた)だけに、インパクトがあってここまでグッチャグチャな相関図でもなんか記憶の端っこにひっかかるもんなんやねえ。
    まだ、続きがあるよね。めっちゃくちゃ面白い! すぐにでも続きが読みたい!! ちゅうわけではないのに、ひとたびページを開いたらガーッとイッキ読みしちゃう不思議な本やと思います・・・。

    そして今回は文庫本がきれいやった。2013年の6刷か・・・。そら、きれいか・・・。

    (2016.02.06)

  • 再読です。

    相変わらず、こんな話だったかなあ…って感じです(; ^ω^)


    四年前に妹を亡くした佳帆。
    四年前に妻を亡くした蒼衣。

    佳帆は両親を幼い頃に亡くし、妹と施設で育った。
    佳帆が社会人になって、妹と二人暮らしを始めた。
    妹は高校を中退し、ひきこもりに。
    オンラインゲームのオフ会の誘いも毎回ドタキャンしたり、狩りの途中でも佳帆が帰宅すると離脱。
    そんなことをしていたために、いざ一歩踏み出そうとしたとき、オフ会の日時変更を妹だけ聞かされず参加できなかった。
    今まで人間関係をおざなりにしていた結果が突きつけられた。
    それを機に、妹は外の世界へ出るようになったが、そのせいで交通事故にあって死亡。

    蒼衣は四年前に妻を亡くし、息をするだけで傷ついていた。
    見かねた舞原家の親戚が、蒼衣を私立図書館の館長にした。

    佳帆は同僚に図書館に本を返却してほしいと頼まれ、図書館に行くと、妹が生きていたときに、妹を連れ出す目的で「彼氏ができた」と空想で言っていた容姿に瓜二つの館長にであう。

    佳帆はそれを運命だと思い、館長がひきこもってるアパートに通い、似た者同士付き合うことになる。

  • 進むまでタネが全然わからなかった。面白かったし、あんまり恋愛小説を読まないからまた読みたいと思った。イニシエーションラブとタネの構造は似ているような気がしたけど、こっちのほうが好き。読んでいて悲しい気持ちになることもあったけど、かほのまっすぐな気持ちに救われた。
    他のシリーズも読みたい。
    評価は4.2

  • 花鳥風月シリーズのどの作品も綺麗で素敵で、
    そこに生きる登場人物たちも魅力溢れる人たちばかりだけど、
    自分はこれが一番好きだ。
    だって…

    眼 鏡 の 司 書 だ ぜ!?←

    …まあ、自分特に眼鏡萌えとかではないけども。
    舞原家の中では一番共感できた設定だった。

    人との関わりが怖くて、ニートになってしまった
    可愛い可愛い妹に
    外に出て欲しいと思いつつも、甘やかしてしまう姉が主人公。

    そんな姉がある日訪れた私立図書館で
    眼鏡の素敵な司書に恋をする。

    時に強引かも、と感じるほどの積極さで
    司書にアプローチする主人公。
    なんか無理してない…?抱いた印象がラストで——


    息が止まる展開でした。

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著者プロフィール

2009年に第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞し『蒼空時雨』(メディアワークス文庫)でデビュー。「花鳥風月」シリーズ、「ノーブルチルドレン」シリーズなど、メディアワークス文庫にて人気シリーズを多数刊行するほか「命の後で咲いた花」などの単行本も刊行。講談社タイガでも「君と時計と」シリーズ(全4巻)を刊行。恋愛青春小説の書き手として10代20代女性読者から多くの支持を集めている。

「2021年 『セレストブルーの誓約 市条高校サッカー部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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