てのひらの中の宇宙

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 188
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737135

感想・レビュー・書評

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  • こんなに賢い子どもがいるのか??? っていうことばかり読みながら考えていた。

  • 理系のお父さんが子供達と接しながら、
    少年時代を懐かしみつつ、
    自分の子供達に生命の神秘から
    宇宙の構造なんかまで優しく教えるお話。

    なんだけど、軽くオカルティな部分もあり、
    妻は癌を患って入院していたりで
    ハードな部分もあったりします。

    でも、全体的に柔らかい雰囲気。

    読んでる最中、宮崎アニメで映画化したら
    いい感じだなぁと思いました。

    耳をすませばとかに近い作品になるんじゃないかなと。

    なんつっても、子供達がかわいいしね。

    ラストははっきりしていないんで、
    読者が好きに解釈しろって事なのかな。
    俺はハッピーエンドが好きなんで
    そっちになったと考えよう。

    タイトルでなんとなく借りたけど、
    かなり良い作品でした。

  • 再読です。
    なかなか巡り合えない角度からの内容で、けっこう好きです。
    ミライも、いいですね。

  • 著者一連の「父親物」と「宇宙物」の融合バージョンみたいな感じです。

    個人的には後者の方が好きなのですが、これは前者が中心ですね。子供たちの発言が、いかにも「大人が書きました」って感じに思うのですが、もしかしたら、感性の鋭い子はこれくらいのこと考えているのかもなあ。

  • ミライとアスカ、2人の子どもたちと暮らすぼく。妻は、再発癌で入院した。子どもたちが初めて触れる死、それは母親の死なのだろうか。地球の生命、その果てしない連鎖。死は絶望でないと、どうやって伝えたらよいのだろう? 生命のつながり、心打つ宇宙小説。

    ------------------------

    この人の作品を読むのは本当に久しぶり。
    優しい物語だなぁと思う。

  • 透明な川の水のような 父と子の物語癌と戦うため入院中の母親 父親は5歳と2歳の子供と正面から向き合っている。5歳の息子は素粒子からビッグバンへと好奇心を膨らましていく。物理学を5歳児に説明するのは至難の業だと思うけれど、自作のカメの物語に宇宙の神秘と神話を盛り込み、自身忘れかけた何かにも近づいていく。宇宙は無限でそこには未知の世界が広がっているのだけれど、広大な宇宙は実は自分のてのひらの中にこそ存在するものなのだ と これまた精神世界的考えも盛り込まれていたりして。母親のその後は書かれていないけれど、今 や 少し先 よりも もっと大きなところにこの家族は行き着くんだな きっと。

  • なぜか、読み終わったときに、深い喜びみたいなものが溢れてきた。きれいな話だった。

  • すごく胸にずんとくる話でした。なんだか読んでて、色々と思ってしまうような。少し読みにくいかな、と思ったので、星4つ。

  • どうしようもないほど優しい物語だ。差し伸べられる手はどこまでもやわらかくあたたかい。誰がなんと言おうと、絶対的にこの家族は幸福なのだと思う。「ぼくたちは、しなないんだ。ぜったい、しなない。でも、しぬんだ。」そうだね。君が知ってしまった事実、あたしに教えられる真実。死はすべての人に平等にやってくる。でも、死なない。生き返る、なんてゲームの世界の話ではなく、一度たりとも死ぬこと自体がないの。だって、ほら、「ここ」には、生きているでしょう。

  • ああ、この作品は良かった。琴線に触れるお話だった。この雰囲気は…大昔に読んだ『パパ・ユア・クレイジー』か『考えるウォークマン』って感じ。父親が子供たちに投げかける眼差しの優しさが、とても心に染みた。 物語の設定は「となりのトトロ」みたい。母親がガンを再発して入退院を繰り返す間、残された父親と子供二人の生活を描いてます。 5歳のミライが「え?ホントに5歳?とてもじゃないけど、そうは見えないってば!」聡すぎるほどよく出来た子供なのが引っかかるけど、身近な生態系から生命の歴史、フラクタル、陽子中性子、そして宇宙へと世界に対して開かれていき、ぐんぐん自分の世界を広げていくようすに、つい感動して、胸を熱くしてしまう。漠然とした死の予感が家族それぞれの胸の中にあり、「死」が媒介となって世界が開かれていくというのがやるせなくさせるけど、こんな風に大切な人の死や宇宙の死について、思いを馳せたことがあったなあと、大昔の自分を思い出して、きゅんと胸が切なくなった。 「家族の物語から絵本化」で途中挿入される「巨大カメと無限の散歩」が、物語に絡んでくるのもいい感じ。まんまインド神話だ〜! 綿々と続いてきた命の連鎖について、深く考えさせる物語。もしかしたら川端さんの実体験が反映されてるのかなと、思いたくなる。私は好きですね、この話。やっぱり川端さん、チェックしようっと。(2006.10.7読了)

著者プロフィール

1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。日本テレビ勤務中、1995年『クジラを捕って、考えた』でノンフィクション作家としてデビュー。退社後、1998年『夏のロケット』で小説家デビュー。小説に『せちやん 星を聴く人』『銀河のワールドカップ』『算数宇宙の冒険』『ギャングエイジ』『雲の王』『12月の夏休み』など。ノンフィクションに『PTA再活用論』『動物園にできること』『ペンギン、日本人と出会う』『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』など、著書多数。現在、ナショナル ジオグラフィック日本版および日経ビジネスオンラインのウェブサイトで「・研究室・に行ってみた。」を連載中。

「2020年 『「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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