- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061882218
作品紹介・あらすじ
赤く長い尾をひいた彗星が地球にむかってすすんできます。ムーミン谷は大さわぎ。ムーミントロールは遠い天文台へとでかけます。
感想・レビュー・書評
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子どもの頃の本棚から引っ張りだしてきた。
かわいい挿絵からキャラクターものと侮ることなかれ。“自分の好きなことがわかっていて、自由に自分らしく生きるキャラクター”が、成長したような私をも十分に楽しませてくれる。
閉じた1冊の本に、ムーミンの世界が広がっている!、と思わせてくれる本。
2021.1.1詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ストーリーがハラハラして面白い!
ファンタジーとして王道の展開ではあるんだけど、彗星の衝突の危機を一発目から描けるのは度胸あるなと思った。こんな長編になるのは意識してなかったのだろうか?
日常パートから冒険パートまでの繋ぎ目とか中弛みとかダラダラは一切なくて、長すぎず児童もサクサク読めるまとまりの良さだった。
あと個人的にはスナフキンが今自分に要らないものを捨てることの大切さを教えてくれて、なんだか心が軽くなった。セリフがストレートに心に届くものばかりで、もっと素直に強かに生きていきたいと思う作品だ。
ムーミントロールの女の子に夢中な感じとジャコウネズミの蛇足キャラ感が少し苦手だったので星3にしてしまいました。スニフもスナフキンも好きです。
全部読んだら評価も変わるかも?シリーズ読破します。 -
ムーミントロールが小さいスニフと彗星のことを調べるために遠い天文台へ旅にでるの。
途中で、スナフキンや、スノークのおじょうさんたちと出会い、怖い思いをしながらも、無事に、ムーミン谷まで帰ってきた。ちゃんと宇宙と彗星のことを理解してね。
ムーミンの成長や、スナフキンの名言など大好きな場面は、多々あるのだけれど、今回わたしはムーミンママに乾杯!そう、ムーミンの世界って訪れるたびに心に響く言葉や、キャラクターが変わってしまうのだ。だから、何度も読み返したくなる貴重な物語なのであ~る。
いつ地球がこわれるかわからないときに、ムーミンママは、ムーミントロールを旅にだしちゃうの。
それが、ちょっといってらっしゃいよと、近所にお使いを頼む感じなんだわ。
当然、ムーミントロールは、こんなときにイヤだよと断っちゃう。
だけど、ママは天文台で宇宙や彗星のことがちゃんとわかったら、みんなが助かるし、ママも安心するわと言ってね。
だいすきなママが不安じゃなくなるなら、ぼくはがんばる!男の子ならきっと勇気をだしちゃうよね。
ママは、おなかのくすりやウールのズボンなどなど持ちきれないほどの旅の準備をしてくれる。
かわいい子には旅をさせよとの諺もあるよね。
本当は、ママもこんなときに大好きなこどもと離れたくないのだろうけれど、地球が滅びることしか考えられなくなっているムーミンたちを、どんと背中を押すように旅へだしちゃう。
おいしいグラタンをつくって待っているよ、日曜日には、おうちに帰ってくるのよってね。
その言葉のとおり、ママは彗星がどんどん近づこうが、地球が滅亡すると世界中がパニックになっていようが、いつものようにおうちしごとを続けるの。くちぶえをふきながらね。
ムーミンたちを出迎えるために、しょうがビスケットをやき、デコレーションケーキをしあげながら。
ちゃんとおうちで、ムーミンたちを待っている。
ムーミンママが、子どもたちの帰るおうちなんだよね。
ママの笑顔は太陽だ。
わたしもママというおんなじ立場として、子どもがどんなに困難なことや、災難に見舞われようとも1日のおわりに、おうちにかえろうと言ってくれたら。
それが一番どんなにほっとすることでしょう。 -
初めてムーミンの本を読みました。
各登場人物が自由奔放な感じでも協力して地球の危機に対応していく。面白かった -
今まで一度も読んでみようと思ったことがなかったのだが、急に読みたくなった。
とてもおもしろかった。
そういうことってあるのよね。
読むのに適した時期が来たってこと。 -
生まれて初めて読んだムーミン童話。ビジュアルから伝わるふわふわした感じでイメージしてたものとはけっこうちがってて、スニフの子供らしいわがままぶりがちょっと受け付けなかった。スナフキンのニヒルさとか、ムーミンとスノークのおじょうさんのリア充な感じは好きかも。 彗星が落ちてきてもみんな無事でよかったー。
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大好きです!
この淡々とした語り口とユーモアの中に、自然や家族への愛が散りばめられている!
物語の始まりは、ムーミンと、小さなどうぶつであり、家族でもあるスニフとの幸せな小さな冒険から始まる。
「いつかはわからないけど、ちゃんと帰ってくるからね。」と、ムーミン。
「気をつけてね。」この一言で送り出すママ。
このシーンでこの一家のお互いを尊重し合う関係を思いった。無理に干渉せず、信じあっている家族の形が本当に素敵で羨ましい。
そこにおかしな哲学者のじゃこうねずみがやってきて、地球が滅びると預言する。パパとママは、ムーミンとスニフを旅に出すことにする。遠い山の天文台に行き、宇宙がどんなかを調べてくるようにと。
天文台への旅の途中で出会うスナフキン、彼の存在がとても大きく、自由と真実を私たちに語り、教えてくれる。
「何でもでも自分のものにして、もって帰ろうとすると、むずかしいものなんだよ。ぼくは、見るだけにしてるんだ。そして、たちさるときには、それを頭の中へしまっておくのさ。ぼくはそれで、かばんをもち歩くよりも、ずっとたのしいね。」
このセリフが本当に彼の全て。そして、現代人の私たち読者へのメッセージ。なぜそんなに所有するのか?
…物語の中で何度もスナフキンは所有することの馬鹿らしさを語ってくれるのだけど、同時に誰よりも愛と強さを示して、安心させてくれる存在なのだ。
ワガママで子どもらしさ全開のスニフとは違い、ムーミンは前向きで、ママを、家族をしっかり信じて己の道を進む男の子。
まだ会ってもいないスノークのおじょうさんのことを話に聞き、すっかり恋してしまう。
「彗星なんか、ママが何とかしてくれる、でも今はスノークのおじょうさんのことたすけなくちゃ」と、恋に奔走するムーミンもまた愛おしい。ママの大きな愛を知っているからこそ、恋をし、女の子を大切にできるのかもしれない。
天文台からの帰り道の旅は、それは辛いものなのだけど、最後までママを信じて歩き続ける。それこそがこのムーミン一家のお話の核になるのではないかしら。こんなふうに、私も子育て出来ただろうか…大人になってしまったので、そんなことを考えながら、またおかしな登場人物たちに笑いながら、とにかくワクワクと最後まで読むことができた。
子供の頃に見たアニメのムーミンのことはすっかり忘れ、この物語に没頭することができた。それにしても、子ども向けのお話で、哲学者をだしてきて、さらにカタストロフィについてまで語り始める…北欧のなんというか自然の懐の深さを感じずにはいられない!!
おっと、スニフの大切なひみつ、上が『ね』で、下が『こ』のことも、お忘れなく(・∀・) -
みんな自由ですね。
文句ばっかり言うスニフをそのまま受け入れつつも「そうかんたんに、自分の責任はなくならんぞ。」と釘を刺したり。
自分の息子でも、必要があれば危険の中に送り出したり。
自由には責任があるという事もしっかり書かれています。 -
作者生誕100周年でよくみかけるけどそういえば読んだことなかった!アニメも世代じゃないし。さすがの面白さ。続きも読みたい。