赤い指

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062135269

感想・レビュー・書評

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  • 父親が帰宅すると、庭に転がってたのは少女の死体。
    殺してしまったのは少女趣味を持つ中学3年の息子。

    父親と母親は近所の公園のトイレに少女の死体を遺棄する。
    徐々に迫ってくる警察の捜査網。追い詰められていく夫婦の決断。

    息子を罪を隠すために、ボケてしまった自分の母親に罪を着せることを選ぶ父親。
    揺さぶられる倫理観。

    みんな大好き加賀恭一郎シリーズ。

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    子どもを守るために老いた母を捨てる、姥捨て山のような話。
    激しく倫理観と道徳心が揺さぶれる展開だった。

    内容の部分で少し気になったのは、加賀さんが出てこなくてもわりと早めに解決できた事件だったろうな、ということ。
    被害者のパソコンにもいずれ気づくだろうし、老母もわざわざアリバイ作りのために指を塗らなくても優秀な警察は気づくだろうし、大丈夫な気がした。

    きっとそういう問題じゃなくて、最後の最後に壊れた家族が間違いに気づかせた加賀さんイケメン!自分の父親との約束も守り抜く加賀さん超イケメン!ということなんだろうなあ。


    マンションの同じ階に住む住人を殺害した後、浴槽でバラバラにし、トイレに流して遺棄した事件があった。

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%9D%B1%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E7%A5%9E%E9%9A%A0%E3%81%97%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

    この事件以降、バラバラにすればいいのに!と思ってしまい、こういうミステリーに集中できないことが多い。

    この小説を読んでるときも、遺体を解体してトイレに流せばいのに!とか水酸化カリウムで溶かせば完全犯罪なのに!とかずっと考えてた。

    ずっとこんなこと考えてたら、人間として絶対によくないと思う。
    精神衛生。

  • 最後が良かったー!
    おばあさんがボケたふりをしてたっていうのはちょっと理解ができなかった。

    加賀と加賀のお父さんの関係が、なんだか素敵だった。

  • 読了日2010/08
    加賀恭一郎シリーズ初めて読みました。
    テレビドラマの新参者を見てたから、かなり阿部寛さんの印象が強くて、読んでてもどうしても加賀=阿部となってしまった
    この「赤い指」は、読んでてすごく考えさせられる内容だった。
    教育問題、老人、介護問題。現代、ほとんどの人が抱えている問題だと思う。
    教育問題とは、学校ではなく、親の自分の子どもに対する教育問題で、自分の子どもを見失ってしまう悲しさ、理解できない恐ろしさ、今は想像もつかないけれど、そういう日がいつか来るかも知れないと思うと、不安でいっぱいなる思いでした。
    そして、介護問題。高齢化が進み、痴呆症の老人が増える中、こちらもどう対処していくべきか、そして、親との関わり合い、愛情の深さ、夫婦の気持ちの違いなど、多くの問題がある。
    すごく、切なく悲しい物語だけれど、だれにでも起こりうる、身近な問題の少子高齢化を題材にした作品です。

  • 相変わらず面白い。少しだけ平坦。

  • 子供の犯罪を隠ぺいすることが果たして親の愛情だろうか?この夫婦は子供を愛しているのではなく、ただ自分たちが「犯罪者の親」になりたくなかっただけでは。主人公一家には、おばあちゃんも含め、間違った親の愛だらけだった。本作の根底にある加賀刑事の人間としての奥深さ、優しさ、そして加賀親子の絆、それらが主人公一家のそれと上手く対比していると思った。

  • 大好きな加賀恭一郎シリーズ。
    加賀刑事の従兄弟の松宮刑事目線と、息子が幼い女の子を殺した事実を隠蔽しようとする父親の目線が交互に繰り返される。

    馬鹿息子とそれに甘すぎる妻、ボケてしまった母親との間で家族をまとめられない父親と正直気分が悪くなる一家だったけど、最後のさいごで意外な事実がわかり涙が出た。

    シリーズの他の作品を読んで加賀恭一郎の人情味を知っていただけに、病床の父への当たりが意外だったけど、真相をしりここでも涙…。将棋にも涙…。
    ますます好きになった。

  • 息子がクズすぎる。。
    加賀刑事とお父さんの将棋、一齣ずつ進める度にどれだけ相手のことを想ったのだろうと考えると、切なくい愛情だなと思った。

  • 読み始めたら止まらなくなりました。 家庭環境について考えさせられます。 東野さんの作品で一番印象に残っています。

  • 朝から一気読みした一冊。
    冒頭から、事件が起こり、さまざまな思いが交錯していく。その心理描写は見事で、読み手をどんどんこの作品に引き込んでいく。加賀刑事と父親との関係も交えながら話はすすんでいく。
    最後には、母親の愛を感じ、そこに唯一の救いを見出した。

  • 加賀恭一郎シリーズ7弾
    すごいね、東野圭吾さん。
    いつものごとく一気読み。
    犯人家族に加えて、加賀恭一郎の父子関係も描かれていて、さすがの読後感。
    ミステリーなのに思わず泣けてしまった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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