ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書~なぜ学び、なにを学ぶのか~
- 講談社 (2007年6月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062140959
感想・レビュー・書評
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この本はいわゆる各教科の「カリスマ講師」が高校で勉強する上で本当に大切にしてほしい「学び」のあり方について解説している。
全体を通して共通する部分は、この手の本では散々言われ尽くしているが、教科書を暗記する・先生に言われた問題を解くという受動的な勉強ではなく能動的にに学ぶことの大切さだろうか。
そして、教員の側も知識の伝達に固執するのではなく、生徒をモチベートする授業を考えてほしいということだったように思う。
僕は、数学と理科(内容はほとんど物理)の章をメインに読んだけれど、大体が僕の日頃考えていることや実践したいなぁと思っていることとほとんど共通していた。
このことは、とても面白いことで、何もたまたま似ていたのではなく、同じようなことを学ぶと自然と同じようなものの考え方(価値観)になるということなのである。
「こういう風に考えられたら良いなぁ」とか「こんな視点で物事を観たい」という目標があって学んだわけではなく、学びの結果「自然と」このようなものの考え方になったということだ。
実はこれは「学び」ということについて非常に本質的なことである。
つまり、この本でも幾度と触れられていたことだが、「高校の勉強は役に立つか」という問いはそもそも順序が逆なのだ。
役立つ(必要)⇒勉強する の方向ではなく
学び ⇒自身の価値観 の方向なのである。
必要に迫られる勉強というのは浅い。
必要がなくなった時点で雲散霧消してしまう。
受験勉強を思い出してみるとよく分かる。
受験のために暗記したことは受験終了とともに忘れてしまっているだろう。
でも学びは違う。学びには必ず自身の価値観(ものの見方)への干渉があるので、それ以後すべてのことがらに影響が出る。
これは学びによって価値観を揺さぶられたことがある人にはとても共感してもらえると思う。
そして、先に書いたように学びには実は方向性がある。
全く別のところで別の方法で数学を学んでいたとしてもその結果必然的に得られる価値観には一定の方向性がある。
だからそこには非常に深い、非言語のコミュニケーションが生まれる。
僕には数学を学んだ人がどういう価値観で世界を見ていて、どういう問題意識があるかということがある程度わかる。
これは、0からその価値観を知ろうと思うととてつもない量のコミュニケーションが必要であるが、それが共通の学びをしていることであらかじめわかる。既に深いコミュニケーションが成立しているのである。
現在の教育現場では「コミュニケーション能力」が大きなトピックとしてとりあげられている。
「若者のコミュニケーション能力の低下」などとも言われている。
ここでいう「コミュニケーション」というのは、所謂ちまたで言われている「コミュ力」とか「コミュ症」とか「空気を読む」とかで使われいる「コミュニケーション」であるが、これよりももっと深い意味でのコミュニケーション、「価値観の共有」が学びによって得られることを教育に携わるものは常に頭においておかなくてはいけないと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
姪っ子の入学祝いに
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素晴らしすぎる。国語、数学、理科、社会その道の達人が科目の本質を鋭く示した。国語では、物事を正確に伝える力を鍛える訓練をすること。絵を言葉にすることが言葉の力を鍛える訓練となる。情動と言葉を切り離して言葉の訓練をする。数字をグリグリ操る、操れるように操作しやすく抽象化した(情報量)を落としたものが数なんだから。典型的には計算の工夫。53=6×9-1 95=19×5 こうやって数字を分解して見ることで計算力も高まってくる。あと、フランス語が10進法と20進法が混ざった言葉だとは気がつかなかった。99=4×20+19 だったらフランスやと日本では廃れた2000円札も受け入れられたかも。鍵本さんは1~6までの公約数である60という数字が好きらしい。60=3×20 これは分やな。6分が10回あったり、5分が12回あったり、逆に12分が5回あったり。しからば、カレンダーも60日単位がよいな。
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16歳でも読みやすい構成になっているなぁ。
国数理英社+心理の先生達が受験について勉強について16歳に語りかける。大人になると冷静に対処できることも高校生くらいだと視野が狭くて舞い上がったり思い込んだりと大変だ。先達がヒントになることを教えてくれている。高校生(中学生,大学生でも)は読んでみると新しい発見があるかも。
おっさんには教育方法の1つの参考になりました。 -
主要5科目以外に、メンタル面のケアについて
手厚く扱われているのが、好ましかった。
自分の16歳の頃を振り返ると、これを読んでも半分も理解できないのでは?と思ってしまうが、それはそれで良いのだろう、きっと。
今31歳なので、約2倍、歳を重ねたわけで
もし覚えていたら3倍の頃にまた読んでみたい。
大西さんの語り口、ラスト1行が優しくて沁みました。
努力をしてきた人が放つ一言の優しさ。 -
「学校の勉強って、結局何の役に立つの?」という疑問に応えた本。一つ一つの講義は長くないので、もっと掘り下げた話が聞きたいと思うが、導入としてはいい。勉強の意味付けプラス、勉強への意識改革やモチベーションアップにもつながる一冊。特にp87の高濱正伸の「復習ノート」、あるいは藤原和博の「ハンバーガー店の店長になろう」は社会に出てからそのまま通用する考え方だ。
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ドラゴン桜の副読本ということで読んでみました。
実際の著名人たちの「勉強することの意義」が、それぞれの立場で、それぞれの考えから分かりやすく書かれていました。
勉強することに意義を見出せない子どもたちに読ませたくはなるが、そもそも勉強アレルギーの子どもに読ませるというのは難しそうだなと思いました。
数学者の先生が、数字のどんなことが面白いか、7という数字の孤独について語っている部分が個人的には面白かったです。 -
「どうして勉強しなきゃいけないの?」という学生の疑問に対する、様々な著名人の名回答。
将来、子どもにこんなことを語れるようになりたい。 -
中学校に入る前にあげたい本