デパートへ行こう! (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157216

感想・レビュー・書評

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  • ☆☆☆☆★

  • その夜そのデパートには、
    仕事も家庭も失った男。
    家出してきた若い男女。
    男に捨てられ慰謝料代わりにこのデパートで強盗をしようとたくらむ女。
    このデパートの若社長。
    女をだました男。
    警備員。
    が一堂に会した。

    彼らに共通しているのは皆このデパートに何らかの形で関係し、思いいれがあるということ。
    これらの人々は暗闇の中で交錯しあい話が進んでいく。

    話の設定が幼稚で途中から読んでいられなかった。

  • デパートって、私の子供の頃は楽しいところだ。
    子供のころは、めったに行かないデパートだけど、
    父の上司におくるお中元やお歳暮を買いに、
    母と祖母と一緒に京都のデパートへ年2回、行っていたのだ。
    デパートはやはり楽しくて夢を売ってくれる所だった。
    この作品の主人公加治川英人と同様に・・・。

    勤め先が倒産し職も失い家族も離れて行った主人公は人生に失望していた。せめてもの慰みに夜にも関わらず、子供の頃に大好きだったデパートへ侵入する。ひっそりとして誰もいない真夜中のデパートなのに、その日に限ってなぜか人がいた。家出をしてきた訳ありの学生カップル、デパートに不満を持つ女性店員、誇り高い警備員とその部下、ヤクザから逃げる元刑事。これだけの人たちが、閉店後のデパート内をそれぞれの思惑からウロウロしていたのだからたまらない。あちこちでばったりと遭遇しては、「あれは誰?」「何でこんな時間にここにいるの?」と大慌て・・・。

    ドタバタと滑稽なほどストーリーは絡まりあって行った。
    最後は主人公が自殺の場と選んだデパートの屋上。
    怪獣ショーさながらの自殺阻止実行の攻防戦がはじまり、緊張感あるシーンに夢中になった。

    デパートの一夜の出来事が、息つくまもなく、ユーモラスに描かれていて面白く読めた。
    最近はデパートにかわる娯楽施設やショッピングモールも多いので、
    その役割は変化してきているのだろうか・・・。
    デパート巡りも面白いかもしれない、と改めて思った。

  • 【デパートへ行こう】 真保裕一さん

    古き良き時代、デパートは商品のみならず夢をも売っている場所だった。
    しかし、規制緩和や産業の自由化など、デパートを取り巻く環境は激変し
    デパート業界は時代の波にのまれ衰退の一途を辿り始めた。

    贈収賄事件の渦中にある老舗デパート・鈴膳。
    鈴膳にも不況は押し寄せ、今や他店との合併話まで持ち上がっている。
    鈴膳は現社長・矢野純太郎の祖父が興したデパートだ。
    今年で創設100年目の節目にあたり、現在「百年祭」と銘打った
    セールが開催されている。
    「百年祭」の最終日前夜、彼らは忍び込んだ。

    会社をリストラされ、女房にも見限られた自殺志願の男。
    父母への反抗から警察につかまるコトを望む少年とその彼女。
    警察を免職になりヤクザに追われる男。
    自分を捨てた男に対する復讐を動機に窃盗を目論む女。
    そして、鈴膳の現場にこだわる初老の警備員と若い警備員。

    深夜、デパートの中で、彼らはお互いの目的を果たすべく行動するが、、



    おんもしろ~~~い。。あずきさん、面白かったです~。。
    先の「ローカル線で行こう」よりも、わたし的には面白かった。
    「ローカル線で行こう」はお互いに反目しつつも、同じような
    鉄道に対する想いを持っていた従業員が、新社長の下少しずつ
    心を通わし一つの目的に対して立ち向かっていくという面白さが
    ありましたが、この本はそれぞれの事情をかかえる登場人物が
    お互いに勘違いをし、その勘違いの結果物語が良い方向へ面白く進んでいく。
    そして、最後はバラバラだったピースが”カチッ”と上手く
    ハマるようなスッキリとした心地よい読後感があります。
    そうですねぇ、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」と似たような読後感を
    感じました。。

  • これはまた ハツピーエンドが素晴らしい小説だ なんか読み進めていくとだんだんと心が明るくなってくる お奨めしたい一冊だ
     デパート懐かしい言葉 終戦後のわが町郡山のうすいデパート まだ商品が少なくてがら空きのフロアで 毎日毎日漫談歌謡ショウなどのもようしががあって楽しかったなあ 子供が小さいころは電車に乗せて旅行気分で県庁のある福島のデパートまで遠征して屋上の遊園地で遊ばせ好きなものを買ってやった いまでもでかいスノーピーのマグがある
    うすいデパートは分館が駐車場に代わって東京のなんとかの系列に入って今でもある 今は超高級品ばかりで僕には縁が遠くなったけど北海道展などの催しの時だけ出かけていく ごたごたと溢れんばかりの特売品が並べられていたころが懐かしい

  • 残業禁止の土曜日の閉店後明かりの消えた真夜中の老舗デパート鈴膳百貨店の一夜の出来事を、54章のオムニバスで綴る長編。その日に限って、人々が集まってくる。帰宅途中だった形ばかりの創業一族の社長。よからぬ企みを抱く女性店員。妻と娘に捨てられ生きる希望をなくした中年男。訳あり家出の高校生カップル。道を踏み外した元刑事…。そしてデパート系列の警備会社の生き字引と言われる戦災孤児の老警備員と新米。☆『ローカル線で行こう! 』を読んだ後だったので、再建物と思っていたが意外な展開に驚いたが面白く読めた。

  • (2013-06-29)

  • おもしろかった。でもドタバタすぎて、途中誰がどこにいるのか判らなくなったり、今どういう状況なのか判らなくなったりした。
    ドラマとかでみたいかな。

  • いつもの真保テイストとは違うような・・・
    あまりテンポよく読めず時間がかかりました。

  • 閉店後の老舗デパート鈴膳に集まる人々。それぞれデパートへの想いを胸に抱き、それぞれの目的と企みのために暗闇の売り場を徘徊する。人々の行動は想いと同様に交錯し、やがて鈴膳デパートの売り場で一つの形になっていく。
    以前読んだ記憶がある。ストーリーは何となく覚えていた。作者は真保だし面白い。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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