大震災の後で人生について語るということ

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062171397

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  • 2011年に書かれたもの。PART1は「日本人の人生設計を変えた四つの神話」について。不動産神話、会社(終身雇用)神話、円神話、国家神話、の四点。震災は関係ない話題。PART2は「ポスト3・11の人生設計」について。人的資本と金融資本を分散することが薦められている。

    2022年現在、述べられたリスクは円の暴落を除いてはそれほど具現化していない。しかし、リフレ派が間違っていたことが明らかになりつつあるので、遅ればせながら構造改革側に傾かざるを得ないのだろうと思う。

  •  改題、日本人というリスクを読了

  • ブラックスワン
    スワン(白鳥)は白しかいないと思われていたが黒い白鳥(ブラックスワン)が発見される。衝撃的でとても異常なことだが、予想もできたと思い込める様な出来事を指す。

    年金・社会保険制度の崩壊、人口減、少子高齢化社会
    2050年には65歳以上がおよそ40%となる

    株式投資はプラスサムゲーム
    人は生活水準を下げられない。このことから、自然と成長を目指した社会となっていく。人間の欲望を原動力として増殖していくメカニズム。

    アメリカという国
    ただ合理的で実力主義というわけではない。
    履歴書には生年月日記入欄もなく写真すら貼らない。人種差別や年齢による差別などを徹底的に排除し、公正と正義を求めた結果、企業はスキルや経験や能力を評価するシステムとなった。一見すると実力主義と思われる背景。また、解雇についても企業は株主のためにあるという考えが強く、株式の利益を守るためにリストラを敢行する。もちろん差別や保証なき首切りはすぐに訴訟されるが。拡張性のある働きができるクリエイターやスペシャリストは、利益をもたらす事が会社への貢献と考える個人事業主の様な体をなす。失敗すれば会社を追われるが身につけたスキルや経験で他会社へ転々と移っていく。8割はマックジョブやバックオフィスが占めているが、やはり定年など無い(年齢差別になるから)。50代あたりでFIREを目指している。
    一方、採算が取れなくとも一生クビにしない日本の戦略は袋小路へ。スペシャリストにもバックオフィスをさせる。不景気に陥り、能力がない人材もクビに出来ずないため人件費削減が新規採用控となり就職難となる。また中高年の転職も難しい。企業は人材へ仕事を与えるためと、リスク分散型を兼ねて複数の事業を起ち上げる。

    才能のないことはやってもできない。
    自由とは選択肢の数。

  • 震災後のタイミングで出版されたこと以外は、著者がいつも書いている人生設計本と同じ内容。

  • 著者の本はいろんな考え方について気づかせてくれる。

  • タイトルはこんなだけど、この著者のいつもの資産形成・人生設計論をまとめたものに、短い震災についての解説をつけたもの。別に目新しくはない。

  • 題名がとても大層なんだけど、これ以前の橘玲の本を読んだことがあるなら買わない方がいい。2週間で書き上げたと言っている通り、最後の10ページしか読むべきところがない。逆に初めてだったら、これ1冊読めば充分。

  • タイトルからは想像しにくい金融リテラシーに関する書籍。
    思い込みを捨て、事実を見ようというスタンスは、
    最近の著書である『言ってはいけない』に通じるところがある。

    持ち家に関する所は身につまされた。
    世代的に持ち家を買う人がかなり既婚者では多いが、
    b/s的な考えを持って考える方は少ないのだろう。
    それが将来どのようなリスクを産むのか、
    書籍で丁寧に説明してくれている。

  • 橘玲の本をもう少し読んでみたいという動機で、タイトルからの所謂ジャケ買い。通販だから、中身がこのような資産設計について書かれたものとは想像しなかった。「大震災の後で人生について語るということ」ーなるほど、その危機意識かと合点した。

    この本が警鐘を鳴らすように、退職した老人は、年金や貯金、不動産などの資産を頼りに生きるが、給与が無ければ拡大性がない。だからこそ慎重に生きているのだが、ある日その資産が綺麗さっぱり無くなってしまえば。常にそうしたリスクを抱えながら、我々はどのように資産運用していくべきか。

    気になる事は他にもある。働き方の日米の違い。開かれた労働市場としてのバザールと閉鎖的な伽藍の対比。この会社に縛られなくても、いつでも転職できるのだというアメリカ式の如何に健全な事か。日本式が全て劣るとは言わないが、改めて考えると、就労システムはアメリカ式の方が優れた仕組みになっている、少なくとも労働者側には。そんな事を見つめ直した一冊。

  • 3.11によって今までの人生では当たり前であったことが当たり前ではなくなった。それと同じように今まで当たり前に多くの人が目指してきたエリートサラリーマンコースもまた当たり前のものではなくなっている。一流大学を出て、一流企業に入り給料は上がっていく。結婚して子供が生まれたら郊外にマイホームを建てる。それらは投資の観点から見るとリスクを極大化しており、震災や金融危機のような不幸に弱い。卵を一つのカゴに盛るな、とは投資の世界で言われることだが、企業に依存しているサラリーマンは人的資本を一つのカゴに盛っているのと同じだ。だからこそ、汎用性の高い知識や技術を身につける、だとかマイホームのようなリスクの高い不動産の購入がどれだけリスクが高いか、など人生のポートフォリオをリスク耐性の高いものに変えていく必要があるだろう。

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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