贖罪の奏鳴曲

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173773

感想・レビュー・書評

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  • 帯のあらすじとか見ると地味なよくあるミステリっぽい印象をうけますが・・・面白かったです。
    なんというか、既存の作家ではあんまりこういう話にはもっていかないだろうなあ・・っていう展開が目新しいというか。
    過去に享楽的な殺人の犯罪歴があって、という人物が疑われて・・・という展開で「実は改心していた」っていうのは案外なかなかないように思う。具体例をあげるのもあれですが、東野圭吾あたりだったら過去にそういう犯罪歴にある人物はうまく隠して日常を送ってはいるけど実はやっぱり・・・とかなりそうな。
    文章も読みやすく疲れないのでさらっと読むのにいい感じの一冊・・・だと思う。

  • どんでん返し。
    面白かった!
    御子柴弁護士が魅力的。少年院での話がとても印象的。重くて切なくなるけど、良かった!

  • "「きっと自分が救われたかったんだろう」"

  • 期待して読んだら完全に期待外れ。期待してなくても外れやった感もあり。とにかく、関係のない登場人物が多すぎる。その人物が何かしらあとで絡んでくるのかと思いきやそのままほったらかし。一体少年院で起きた出来事はなんの振りやったん⁈ピアノの少女がもっと関わってくるのかと思いきやそれもなし。逆恨みした母親の意味もなんとなく宙ぶらりん。だらだらと盛り上がりにもかける、残念な作品でした。

  •  まあ、はじめから多分あれだとうと予想しながら読んでいたのですが、作者はあくまで「怪しさ」をちらつかせたいようですし、それにしては医療少年院の記述が長すぎて、いったいどうしたいのかなあと思っているうちにページは残りわずか。ラストでそこまでやっちゃいますか!ちょっと飛躍がすぎるんじゃありませんかね。

  • あと味の悪い、嫌な事件。って感じ。
    主人公、御子柴弁護士の最後がハッキリしないままなのも中途半端で嫌な感じ。

  • 二転三転する結末には、ミステリー作家としての力を感じさせる。

    冒頭の意外な出だし(弁護士御子柴が死体を川に捨てにいく)にも、驚かされた。

    なお、御子柴のキャラクターには実在のモデルがいる。
    「心にナイフをしのばせて」というノンフィクションがあり、御子柴のような
    経歴の弁護士が現実にいることに驚く。



    この作品で残念なのは、リサーチをしているはずなのに、この作品には大きな間違いがあること。

    1つは、ヤマ場の一つである法廷シーンだが、証人尋問などの取り調べは高裁までで、最高裁では新たな証拠の取調べはしない。
    なので、あのような展開は残念ながらありえない。

    2つ目は、御子柴の冒頭の行為は、立派な死体遺棄罪。
    逮捕・起訴が通常であり、弁護士がこのような犯罪を犯したとなると実刑の可能性が強く、弁護士資格は無くなる。
    この点がミステリーとして未処理なのは残念。

  • ミステリー、エンターテイメントとして見事な作品でありながら、主人公の目を通して描かれる、犯罪加害者の矯正と贖罪というテーマが全編をつらぬき、読み応えあり。
    小説の中でなくても、日々ニュースで凶悪犯罪を耳にするこのごろだから、そういう犯罪者の心理をあえてフィクションで扱う際は、怖いもの見たさの野次馬根性をそそるように、その狂気を殊更刺激的で幻想的に表現しがち。というか、あらゆる娯楽にそういう嗜虐的な表現がはびこっていて、うんざりなのです。
    でもこの作品は犯罪者の心理に真摯に向き合いながら、わずかな光をさがす、そういう作者の姿勢が素晴らしいなと思いました。

  • 幹也を応援したい。今後の人生もみてみたい

  • 冷酷、悪辣、しかし無敗の弁護士、御子柴礼司。三億円の保険金殺人事件に関わることになった彼は、勝ち目のない闘いに挑むことになる。一方、ある死体遺棄事件を捜査中の刑事は、その事件に御子柴が関わっていることを突き止める。捜査の果てに行き着いた御子柴の過去とは? そして裁判の行方は?


    冒頭の御子柴のサイコパスっぷりから引き込まれました!
    そして登場人物が少なめなのに、どんでん返しがしっかり効いてて、最後まで読ませる力を感じました✨

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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