満月ケチャップライス

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 384
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062180122

感想・レビュー・書評

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  • 母子家庭の一家にある日転がり込んだ謎の男「チキさん」。彼と家族との心温まる物語。だけど、単なる「いい話」でもなくって。案外と苦い部分もあります。
    徐々に明らかになるチキさんの過去。これは実際にあった事柄ですよね。このようにして人生を誤ってしまった人はたしかにいそうで。そしてさらに、世間を騒がせてまだ記憶にも新しいあの事件も関わってきます。ただ、そこに巻き込まれてしまうのは決して特別な人ばかりではなく。「普通の人」もほんの少しの隙に付け入られるのかもしれないなあ、ってのが怖いところ。
    結末がややあっけないのは拍子抜けの感もあるけれど。これはそれでよかったのかな。彼もまたあまりに特別な人というわけではなかったのかもしれません。

  • 物語そのものは手慣れた感じでとても読みやすく、「どうなっていくんだろう」という興味が続くので楽しんで読むことができる。
    しかし、題材が、家族なのか超能力なのか料理なのかが、今ひとつまとまってない気がした。どれを書きたいんだろう、という感じ。
    最近の流行なのか、この作品でも小説の中で詳細な料理のレシピが記述される。私はこの流行があまり好きではないので、その部分は飛ばして読んでしまった。どうやらストーリーそのものには関係がないようだったので。
    でもそれならなぜこんなに詳しく書くのかなあと考えて、そうか今の流行りだからか、と思った次第。
    家族になれるだろうか、という帯の問いかけも中途半端に浮いてしまうし、超能力というモチーフも、あの宗教団体との絡みで曖昧になってしまっている気がする。
    しかもこれ、主人公が10年前を回想して語っているという構成なので、そのあたりもなんだかモヤモヤしてしまう。
    今は私にとっては読む時期ではなかった作品なのかもしれないので、またいつか読み返してみようと思う。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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