- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062182362
感想・レビュー・書評
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おもしろかった。一気読み。
でも忙しい時期に読んだのがまずかった。
盛り上がってきたところで、中断されたことが、何回か。
集中して読むことができれば、もっと楽しめたかも。
そのあたりも考慮して☆4つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冬山、羆、北海道、日高。森林保護官。
終盤はアクション映画のようだった。 -
北海道・日高の森林保護官と羆との闘いが描かれたこの小説。
すごい迫力でした。
大自然の厳しさや、羆の強靭さと執念がとてつもなく恐ろしく迫ってきます。
後半のたたみかけるような文章は緊張しながら読みました。
パニック映画を観たような軽い疲労感と読み終えた安堵感。
人間を拒むかのような日高山脈の神秘性と羆の存在が余韻を残します。-
こんにちは。
この本、すっごく気になっているのです!
現在図書館予約中です。
いいな〜、もう読まれたのですね。
迫力が伝わってきました。こんにちは。
この本、すっごく気になっているのです!
現在図書館予約中です。
いいな〜、もう読まれたのですね。
迫力が伝わってきました。2013/06/30 -
vilureefさん こんにちは。
予約本はやく回ってくるといいですね。
非日常の世界が待っています(^_^)b
残酷なものが苦手な私は...vilureefさん こんにちは。
予約本はやく回ってくるといいですね。
非日常の世界が待っています(^_^)b
残酷なものが苦手な私は一気に読むことが出来ず何度かに分けて薄めながら読みました(^_^);2013/06/30
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熊物である。
熊と人間が対峙するドラマは定番のエンタメで、外れも無いように思う。
この「光る牙」は今まで読んだ中で、最もエンタメ度が強い。
後半は熊駆除というより「ジョーズ」的展開の戦闘といってよいか。 -
北海道の日高山脈における森林保護官とヒグマとの闘いです。「デンデラ」(佐藤友哉、新潮社)や映画「リメインズ 美しき勇者たち Yellow Fangs」のように村で人食い熊を迎え撃つのも恐怖ですが、山で熊に追いかけられるのも怖いものでした。
デンデラやリメインズは飢餓のため人里まで熊が降りてくるという設定ですが、本書は人間のエゴにより熊を怒らせてしまっています。ストーリー的にはもう少し捻って欲しかったのですが、サバイバルの細かい描写は元自衛官ならではの視点だと思いました。
本の中に入り込むこちができて一気に面白く読むことができました。映画化されれば観てみたいです。 -
日高山脈を舞台に、森林保護官と人喰い羆との熱い戦いを描いた一作。
夾雑物を廃し、人間と熊に絞ったストーリーがぐいぐい読ませる。老年なベテランと新人という二人の森林保護官の師弟関係も読ませる。
樋口昭雄の羆ものの傑作『約束の地』に匹敵する傑作だ。 -
昔起きた人食え羆の話よりも凄い怖い熊さんの話
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デビュー作『焔火』のある意味でセンセーショナルと言うばかりの舞台設定、時代設定を試み、東北の山岳地帯に神話的世界を構築してみせた、吉村龍一の第二弾。いい意味で裏切られた感じはするが、現代社会を舞台にした山岳小説である。
もちろんこの作家特有の異色さは全面に出ているけれども、むしろ巨大羆との死闘というシンプルな物語こそが、透徹した文体を武器に持つ吉村龍一という作家にはとてもフィットした感があって、前作ほど異形の者たちが多数出現することもなく、よってデビュー作の空気中に漂っていた毒気の類は、むしろ凛とするばかりの冬山の自然の透明さの中で、濾過され浄化され、神の領域に一歩近づいた気配さえ醸し出される。
一方でとても人間の領域に近づいた部分もある。主人公である若き森林保護官の成長の物語でもあるのは、上司・山崎という個性的で完成された印象のあるベテラン職員との師弟関係に見られるところが大きい。特につかず離れずの距離感や、上司の現代的な娘へのほのかな恋心など、現代の普通の男性にありがちな共鳴性など、前作よりもずっと日常の側に、作品が近づいてきたイメージを、軟化と捉えるか成熟と捉えるかは、読者のそれぞれの判断、あるいは次作の出来栄えを待ちたい。
されそうした日常の側に住む主人公青年が、冷徹で酷薄極まりない冬の日高山脈と、そこに登場して強烈な積極的関わをを示してきた人喰い羆によって、日常の側から、かつて見たことも経験したこともない苛烈な死闘のさなかに放り込まれ、ミキサーにかけられ攪拌されたかのような状態を経験することになる。
前作に引き続きとても物語性が込められたスケール感の巨きい小説であり、それらを描き切る簡潔明瞭な文体は、この大自然の荘厳と究極の死闘を描くに相応しい。地元猟友会の趣味的鉄砲撃ちたちや、権力にものを言わせる違法狩猟者、カルトの皮を被って自然を踏みにじる詐欺師等々、大自然の神々を怒らせるような存在が、小説中に次々と登場するが、白き巨大羆の光る爪とそのもたらす暴力の凄まじさは、大自然の主を対照的に象徴し、卑小な人間界や罪深く貧しき精神を嘲笑い、憤ってゆくかに見える。
人間界を代表する純粋なものに肉体性を感じさせ、飽くなき努力を重ね作り上げてきた体力や、経験に基づいた知略を見せる山崎という師の姿は、前作『焔火』の破戒僧・青雲海とだぶるところがあり、その理想的な人間性に近づくために試練をくぐり抜けねばならないのが、主人公・孝也である。
圧倒的な力で勝る羆と、非力な人間たちの知略が、冬の山岳を舞台に、文字通り火花を散らす。息遣いが聞こえてきそうなほどの迫力文体で綴るこの冒険譚の世界に是非、足を踏み入れて頂きたい。 -
まあまあ。
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北海道、日高の雪深い山の中で、山岳カメラマンを屠った羆。森林保護管の樋口と山崎は、カメラマンを襲った羆を追い、山狩りで無事羆を仕留めたが…
ミステリかと思って読み始めたのだけれど全く違っていて、けどこれは嬉しい読み外れ。緊張感と疾走感、著者の専門知識を生かしていて物語にリアルさと厚みを持たせつつ、そして山への畏敬の念に溢れる物語。山は人間に自然の恩恵を与える場である一方、山は本来人間が暮らす場所ではない、自然の神々の領域であるという、山に暮らす者にしかわからないような山の一面が伝わってきます。面白かった!