島はぼくらと

著者 :
  • 講談社
4.02
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本棚登録 : 4972
感想 : 710
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062183659

感想・レビュー・書評

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  • 島で生きていく高校生を中心にした、Iターン、祖父母、友達、ビジネス、なんやかんやをぎゅっと詰め込んだ渾身の作品。
    生まれ育った街、そうじゃない街。そもそも故郷って何だろう。なんてことをしみじみ考えてしまった。
    誰かを思う気持ちも愛なら、土地を思う気持ちもまた愛。
    たくさんの愛が見れた。辻村深月さんファンにはたまらない、思わぬ人物も登場するし。
    得意の伏線も、今回はまたひと味違う良さがあり。
    長い時間をかけて、祈りをこめた誰かの優しさが届いている。

    たくさんのものを、しっかり見たいなと心から思った。
    見ようとしなければ見落としてしまうような、私の周りにもきっとある誰かの優しさ。
    もっともっとちゃんと見たい、そして自分も周りの人に手渡せるようになりたい。

    あったかい、むしろ微熱に近い温度になれる、とっても素敵な作品。

    まだ読んでない人は、とにかく読んでみてほしい!

  • いいお話 ちょっと目頭うるうる・・・・
    日々の暮らしの中にある苦悩と葛藤、そして、喜びと幸せ
    瀬戸内海に浮かぶ孤島・冴島を舞台に繰り広げられる心温まる物語が本土の高校へ通う幼馴染、男2人に女2人の4人組の目を通して語られていく
    新しくやってくる移住者と地元住民たちの係わり合い
    島の過去から現在に至るまでの出来事
    島に居続けるということの苦難と幸福
    登場人物一人一人がとっても愛らしくて魅力的
    初々しい高校二年生・幼馴染四人組
    喜びも悲しみも共に味わった祖父母に肝っ玉母ちゃんたち
    だけど、みんな色々な事情があるのです
    そして、過疎化という問題
    積極的に行うIターンやシングルマザーの受け入れ
    島の資産を有効活用するために生まれたお母ちゃんたちのおらが会社『さえじま』は、ネット社会の拡大を上手に使った事業
    ここにも成功があったり、失敗があったり
    物語を盛り上げる
    本木くんのサプライズ!!
    ヨシノのサプライズ!!
    ウエノ先生のサプライズ!!

    前半にある出来事はことごとく
    繋がる!繋がるねー!気持ちいーくらいに繋がるねー!!
    これ、出来すぎでしょーってくらいに繋がります!!!

    友愛、家族愛、地元愛、愛いっぱいです!!

  • 瀬戸内海のとある島を舞台にした青春小説。島から高校へ通う四人の友人たち。しかし彼らが一緒にいられる時間はあとわずか。島に残るか、島を出ていくのか、それぞれの選択と葛藤が描かれていて明るいばかりの物語ではないのだけれど。全体的な印象は爽やかです。
    「故郷」というものについてもなんだか考えさせられてしまいます。「故郷」というと温かな響きがあるように思うのに。故郷だからこその痛々しさというものは、考えてみればかなりつらいものなのかも。

  • 暗そうなお話が苦手なので、食わず嫌いだった、作家さん。
    夏にゼヒ読んでおきたい。卒業後は否応なしに住み慣れた島を出ていくしかない高校3年生の4人を中心に、島の住民と、それを囲む人々の、爽やかさと暗さとが、ユラユラと時にスピード感を持って迫ってくる。
    程よくリアル、やや少女マンガのような展開が、また良かったです。

  • いいじゃないですか!赤羽さん登場したあたりからテンションあがりましたよ笑
    朱里、衣花、源樹、新の四人をもとに、幻の脚本、Iターン、シングルマザーなど、たくさんの問題、希望が詰まった、作品!

  • 島での暮らしや出来事を、高校2年生の同級生4人の視点を通して描かれている。閉鎖的な空間であることをすべて受け入れて肯定しながら生きている姿は、凛々しく、同世代の子よりもかっこよく思えた。彼女らが島を担う立場になったとき、どのように生きていくのか、続編を読みたいです。
    発売されることは知っていてほしいなとは思っていましたが、実物の表紙に、ものすごく惹かれました。内容も想像以上にしっかりしていてよかったです。

  • 17歳。
    別れを笑顔で迎えられるように必死に繋がる。
    みんなささやかな言葉に支えられている。
    故郷を好きになれる爽やかな小説だった。

  • 近年、自分の中で島ブームが巻き起こっているのだけれども、益々拍車がかかりそうな素晴らしい小説だ。


    この小説に出てくるヨシノのような仕事をしたい、と思う。

  • 母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。故郷を巣立つ前に知った大切なこと――すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。

    うおおおお、辻村さんの青春小説は何だか久しぶりだ!元々スロウハイツから入って名前探しやツナグが大好きな私としては嬉しい限り。そして多分これはわりと爽やかな部類だと思う。
    自分と同い年の子が3人しかいないって、そこそこの都会育ちの私からするとびっくりするようなこと。気が合わなかったら大変だろうなと思うけど、よく考えたら物心つく前からずっと一緒にいるんだものね、むしろいないのがおかしいような気持ちになるんだろうな。旅立つことを前提に育てる親たちの心に痺れました。母子手帳のことも。どんな親であれ、生まれたときから巣立つまで、きっと覚悟を決めて祈りを込めて子育てしてるんだと信じたい。
    朱里と源樹の幼い頃のエピソードでは泣いた。朱里のように誰かのために必死になれる登場人物が、辻村さんの作品では結構いる気がしますね。あったかくてほろりとなる。こういうの大好きだなぁ。スロウハイツのあの人も出てきますよ。

  • 講談社の辻村さんは、やっぱりいい!

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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