2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」
- 講談社 (2013年4月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062183765
作品紹介・あらすじ
「日本はもはや復活しない。
アメリカは2年後、中国も12年後にはピークを過ぎる。
すさまじい大変化が起こるだろう」(立花隆氏)
立花隆氏が「世界の将来を展望する上で非常に役に立つ」(文藝春秋 2013年2月号)と激賞し、翌3月号では読売新聞主筆の渡邉恒雄氏が内容の一部を批判した話題の報告書「グローバル・トレンド2030」の邦訳です。
とにかくまずは、
表紙カバーの下にある、右下の小さいグラフを
クリックしてみてください。
日本の国力(中間層の購買力)は、世界と比較してどんどん小さくなっていきます。
2030年は今とはまったく違う世界になっています。
1995年に国家としてのピークを過ぎた日本の国力は、人口減少・高齢化とともに
衰えていきます。2015年にはアメリカもピークを迎え、「唯一の超大国」の地位から脱落します。経済発展著しい中国も2025年あたりを境に経済が失速、日本と同様高齢化社会を迎えます。
2030年ごろ、経済成長著しい国はインド・ブラジル・イランなどです。
これから「世界一の高齢者大国」「経済が縮小していく」日本は、
国家としてのグランドデザインを大きく代える必要があります。
にもかかわらず、2012年の衆院選で、その点についてきちんと
主張を行い、議論を呼びかけた政党は皆無でした。
それで良いのでしょうか?
この国で生きていく私たちの子供や孫がよりよい暮らしを送ることが
できるためにも、私たちはもっと真剣にこの国の未来について
「この国をどのような形にするのか」について話し合う必要があるのでは
ないでしょうか。
この本は、そんな議論のための「叩き台」になると思います。
感想・レビュー・書評
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データを淡々と述べて、その背景などには触れられてなかったので、得るものは少なかったのですが、世界全体の動きがわかったのはよかったです。
最善のシナリオ、最悪のシナリオという書き方はおもしろいと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
米国が考える15年先の国際情勢として、大統領にブリーフィングされた資料です。シミュレーションをすることで、遠近短の国策を練ろうとする行動様式がロジカルで、見習うべき点でしょう。米国の国勢がピークアウトしているので、国際情勢は流動的になります。気になったのは、中国が台頭するなか、日本が急速に凋落すると予測している点です。勿論、日本はいい意味で予測を裏切る努力を見せるのでしょうが、問題はこの予測を前提として、すでに米国の国策が決められているリスクです。
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2030年という近未来の世界情勢の予測が、人口分布や中間所得層の購買力などのデータが図に示されながら、解説されています。予測は、世界の流れを変える要素ごとに楽観シナリオ、悲観シナリオと世界経済が沈んでゆくシナリオから最も発展するシナリオまで段階ごとに4パターンの世界が提示されています。これを見るとどうみても日本は右下がりですが、それに比べると、今勢いのある中国や今後飛躍的に伸びるインド、そして、一国で覇権を握る時代は過ぎたとはいえ、やはりアメリカの存在は無視できないことが分かります。SFの世界ではなくその頃の自分が〇〇歳になっていると想像できる世界なので、複雑な気持ちで読みました。
過去20年間は歴史的にみても武力紛争の少ない稀な平和な時代だったそうですが、経済面での楽観的なシナリオでは、アメリカと中国が協力関係になってそれに伴い世界経済が発展するという筋書きです。やはり紛争はマイナス要因になるわけですが、さて、そうなれば一体日本はどの立場で生き残っていくのでしょうか。人口は減り生産性も落ちて国としての繁栄は過去のものとなっていく過程がみてとれるだけに、世界の動きとは無関係ではいられない自覚もさることながら、自助努力の必要性を痛感したのでした。-
オバマはこのようなブリーフィングを受けてどう判断するのか?という観点から読むと面白いですね。最後はニッポン頑張れ!です。オバマはこのようなブリーフィングを受けてどう判断するのか?という観点から読むと面白いですね。最後はニッポン頑張れ!です。2013/06/02
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配置場所:2F手動式書架
請求記号:304||N 79
資料ID:W0172923 -
・人口動態から、中印の台頭と日本の没落は避けられない、EUとアメリカも没落
・特に日本とドイツは急激な少子高齢化に襲われる、中でも日本の債務レベルは深刻で大規模な政策変更が必要
・水、食糧、エネルギー不足の内、前の2つは深刻化する可能性が有るが、エネルギーについては需要と共に供給も増える為、シェールオイルや石油発掘等、不足となる可能性は限定的
・ITで重要な分野は、①情報技術、②機械化と生産技術、③資源管理技術、④医療技術
・2030年のシナリオは欧米没落型(主導者不在の混乱型)、米中協調型、格差支配型、非政府主導型の4シナリオ
・日本のプレゼンスが最も高まるのは格差支配型、世界的な景気低迷で各国が保護主義的、搾取的な政策に走り、途上国が成長しないシナリオ -
内容にそこまで目新しさはないが、論理的で整理された文章構造で読みやすい。
頭を整理するのにはとても良い。
世界の構図が変わる未来がすぐそこまで来ている危機感を改めて感じる一冊。 -
ありきたりな
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読む時代がちょっと遅かった笑
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2030年に世界はどう変わっていくのか?
人口構成の変化等4つのメガトレンド、最新技術等6つのゲームチェンジャー。
このそれぞれを詳しく説明し、その組み合わせでどういう世界が予測されるのか綴った内容。
悲観的なものも楽観的なものもあるが、大変興味深く読むことができた。
大事なことは、こうした将来があり得ることを認識し、今から準備をしておくこと。
とは言え、個人で具体的にできることは限られており、
いつ何時どうなってもよいように自己研鑽する必要性を感じた1冊。