かわいい結婚

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 752
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194051

感想・レビュー・書評

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  • 3つの短編集。
    2つ目の、男性がある日起きたら女性になっていたって話がすごくよかった。
    身体だけが女性になった上で、心は男性のままなので、女性として生活するうえでのいいところも悪いところもとてもよく書かれていた。
    自分は女性で、悪いところのほうが多いなんて思っていて、女に生まれてよかったとまでは思わないけど、その良さを改めて教えてもらえてよかった。
    これからまた女性として楽しんでいけそう。

  • 初めての作家さん。と思ったら文芸あねもねの作品を先に読んでいた。
    タイトルに惹かれたが、装丁はとてもかわいいが、内容はかわいくない。
    結婚前には読んで欲しくないような、欲しいような。
    結婚て甘くないんだよと現実を見せつけるのもどうかな。
    結婚に何を求めるか、求めないかですかね。
    でも、すべての結婚がこうではないはず...そう思いたい。2話目は男は一度は女になってみろよということか。でもそれはそれで怖いかも。

  • 3話中2話がおもしろかった。女の人が読む話、女の人のための話。3話目は最初の方で飽きた。

  • 山内さんの本はどれも、毒舌ぎみだけどよくわかる。
    女同士のよくある話が、面白くかかれている。

  • 可愛いタイトルと裏腹な読書メーターの感想に気になり、本屋で冒頭を立ち読みしその場で購入を決意。非常に面白かったです。面白いと言ったらわくわくしながら楽しんで読めたみたいで語弊があるんだけど、なんという言葉で言い表せばいいのか分からない。

    本作は3作の短編が収録されている。

    1作目はタイトル作。結婚して仕事を辞めて家庭にはいった専業主婦が主人公。家事が大の苦手で家は散らかり放題の大惨事、旦那に対しては好きだから照れちゃう、地元の気の合う友達と話したり家事代行サービスのバイトをしたりして……って、こんなストーリーをつらつら語ることに意味はないの。結婚して家庭に入ったら、誰と結婚しようと毎日毎日掃除して洗濯して料理して買い物しての繰り返し。それが永遠について続く。一生続く。そのことに気付いてしまってもうどうしようもなくて叫ぶ。妻が上達していく主婦業に密かに喜びを見出しているのに、旦那が何とも思っていないのが、何とも言えない。

    日常からの逸脱ではなく、鬱々はしておらず、明るく前向きな奥様でもなく、なんて言えばいいんだろう。この雰囲気と空気。うまく言い表せられない。停滞していた空気が動き出してうまく回り始めたというのに、カタルシスを感じているのは本人だけで、旦那は何とも思っていないというか無関心というか、当たり前だと想ってるこのギャップ。
    女性は誰でも家事ができるものだと思っていたという旦那の男としての傲慢さ。けれど、妻のことを大事に思っていて一方的に糾弾せず、なんとかしたいなぁと誰かに相談する自然さ。男は男として生きている時点で、ごく自然に女性に対する傲慢さを身につけている。それを批難するのでもなく、にじみ出るように物語上に自然に出てくる。結婚するために仕事を辞めざるをえなかった女性の悲哀だとか、そんな仰々しいものではない。ただ気付いちゃったのだ。

    2作目は、ある朝突然女の身体になってしまった20代の男の話。回想では女性の気持ちが分からない傲慢な男性だったのが、一日を女性として過ごすうちに女性の性としての大変さと楽しさに目覚めていくさまが面白い。割と途中からノリノリで、買い物して身を飾る楽しさに目覚めていくのが楽しかった。女性は化粧やファッションに気を使わなきゃいけないし、男性から無意識のつもりの視線を感じるし、本当に大変よね。愚痴っぽくなって終わるのではなく、意外な展開(女装が趣味になり、元カノと結婚して姉妹のように買い物を楽しむ)で読後感が悪くないのも良い。

    3作目はあらすじは省くが、女としての悲哀がよく出ている。ただ女は悲しい、辛いで終わらせるのでなく、変に前向きになるのでもなく、ため息をつきつつも日々の生活を歩んでいこうとする様の加減がちょうど良い。

    3作とも非常に面白かった。同年代のアラサー女性に、自信をもってお勧めします。

  • 結婚して専業主婦になった女性の話と、ある日急に巨乳の女に変身した男性の話と、ある2人の変わった友人関係の三つの話が入っている。
    結婚っていいものなのだろうか。元々あまりいいイメージがなかったが、余計に分からなくなってしまった。

  • 「ねぇあんた、どうしても行くっていうの?」
    「ええ、行くわ。せっかくのチャンスを逃すなんてバカな真似して、あとで後悔したくないもの」
    「東京なんて住むとこじゃないってみんな言うじゃない」
    「それは東京に出られなかった人たちの言い訳だわきっと。足を引っ張る常套句よ。そんなのでビビらせようったってそうはいかないわ」

  • まさにまさにそう、わたしたちの本。
    おもしろかった!

  • 結婚をテーマにした中編3本。
    家事能力がゼロの主婦の話「かわいい結婚」
    ある朝起きたら女になっていた27歳男性の話「悪夢じゃなかった?」
    田舎の女子大生二人の友情物語「お嬢さんたち気をつけて」

    軽く読めて「あるある」と頷ける話。
    「悪夢じゃなかった?」では男性から見た女性像が面白く結末も良かった。映像になっても面白そう。

  • 家事など最初が肝心よ

    完璧にやってしまったらそれが当たり前に思われちゃうからテキトー適当

    ショーツシリーズ ソングって

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著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山内マリコの作品

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