ドキュメント パナソニック人事抗争史

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194709

感想・レビュー・書評

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  • パナソニックの20年の混迷は、人事にあった、とする1冊。幸之助氏、山下氏という創業期を知るメンバー引退後の苦悩が伝わる作品。メモ。
    (1)思うに森下社長の時期の松下電器の役員人事は、経営思想家で経営者の条件の著者であるピータードラッカーの言葉を借りれば、情実と馴れ合いに陥っていたと言えよう。何が正しいのではなく誰が正しいかを重視する風潮が蔓延し、人事も秀でた仕事をする可能性ではなく好きな人間は誰か好ましいかによって決定する様になっていたからだ。
    (2)彼(中村)は、常に上しか見てこなかったし、取り立ててくれる上司には徹底的に媚を売り、逆らわずに仕えてきた。まさに、組織の中で生き延びる術を心得たプロのサラリーマンですよ。
    (3)プラズマ事業の失敗は今振り返れば人事の失敗でもあった。プラズマの将来性を見誤ったそもそもの原因は事実を見据えて戦略を立てる人材ではなく、事実を都合良く解釈するブレーンを自身の周りに配置したからだと、中村に近かった元役員は言う。
    (4)創業は易く守成は難し。能力、体力、実行力に申し分のない人物であっても、本質を見抜く優れた判断力、つまりは見識の備わった人物でなければ、リーダーとしての力と魅力と牽引力を発揮する事は出来ない。

  • 2015年6月24日、図書館予約
    図書館から届いたら1時間ほどで読み終わった。これを読みやすいというか、内容が薄いというかは微妙なところ。それなりに取材を重ねて、固有名詞を入れた本に仕立てあげたところはよくわかるが…結局のところ、松下幸之助の娘婿が元凶であると言いたいのだろうが、息子を社長にするためになりふり構わなかった幸之助の娘にまで食い込めていないのは取材力の限界かな。

  • 会社の人事抗争のノンフィクション。話しが話しなんで、ちょっと脚色が強い気がするが、まぁ、話し半分で読みました。行動経済学にもある人は合理性ではなく、感情で判断する。という事を痛感する。何をやるにも感情って、大事ですね

  • こんな人事が行われていたなんて驚き。
    役員が保身に走ると、こうなっちゃうんだと。
    しかし、この大企業が、と悲しくなる。

  • 自分の為になるとか、新しい着想などは何もないが、単純に物語?として、面白かった。

  • 担当先ということもあり参考までに読んでみましたが、私自身以前の会社で上層部の人事抗争の話を嫌と言うほど聞かされていたので、この手の本はあまり好きになれないところがある。
    巨大企業ですから、人事抗争はつきものと思います。
    ただ、少し多すぎる気はしますね。また、決まった後の潔さが感じられず、組織の末端にしわ寄せが行っていたと思います。負の連鎖が続いてしまうのでしょうか。
    素晴らしいカルチャーも多い会社なので、良い面を活かすトップ人事を期待したいです。良さを生かせれば必ず復活する会社だと思います。

  • ★好き嫌いに終始★パナソニックのトップをたどり、豊富なエピソードで読ませる。ただ、読みものとして面白くするためか人の性格と好き嫌いだけですべてを語ってしまう。皆、能力のない人ばかりという書きぶりとはいえ、大企業のトップになるくらいだからどこかにすごみはあるはず。そのバランスを読みたかった。津賀氏のことはどうするの評価するのだろうか。

  • 抗争は言い過ぎたとしても混迷はしてたな。

  • カリスマ経営者後の経営は、理念が後回しとなって自己の利益の為に働いてしまう。お客様に対して全力を注がなくてはいけないのに、内部に対して力を割かなくてはいけない面倒な企業では働きたくない。

  • なかなか面白かった

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著者プロフィール

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿 社会保険庁を解体せよ」で文藝春秋読者賞を受賞。2020年『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』(講談社)によって日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
他の著書に、『われ万死に値す ドキュメント竹下登』『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』(ともに新潮社)、『新聞が面白くない理由』『ドキュメント パナソニック人事抗争史』(ともに講談社)などがある。

「2021年 『キツネ目 グリコ森永事件全真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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