彼女がエスパーだったころ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 343
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062199643

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。単独で読むのは初めての作家さんでした。
    連作短編集だとは途中まで気が付きませんでしたが、主人公はなかなかヘビーでした。
    科学的なことを扱いながら、物語は人の心理的な面に焦点を当てていくところが不思議で好きでした。
    「百匹目の火神」「水神計画」「薄ければ薄いほど」が特に好きでした。何かにすがらなくてはならない、人の弱さを感じました。

  • 火を操ることを覚えた猿の群れ、スプーン曲げを繰り返して有名になった女性、脳の一部を破壊することにより暴力衝動を消してしまう手術、「ありがとう」と言うだけで浄化される水、記録しないことで精神を救うホスピス・・・さまざまな対象を取材するライターの視点で描かれる連作短編集だ。

    途中まで、同じ人物が語り手だと気づかず、独立した短編なのかと思っていた。それくらい、主人公の影は薄く、読んでいる当初は男性なのか女性なのかもわからない。
    対照的に語られる「取材対象」は奇想に満ちていて、強く引き込まれる。

    宮内氏の頭の中っていったいどうなっているんだろう。巻末の参考文献等を見ると、各短編の核になる部分には、実際にどこかの学者が提唱している何がしかの「根拠」があることがわかるのだけれど、その根拠を胚にして野放図にどこまでも拡がっていく世界の危うさに翻弄される。

    各短編の冒頭に、オマージュされた文章が引用されているのだけれど、それがまた気が利いていて、いい。

  • 途中まで連作と気づかず。
    房総大学って二流にしか聞こえん。
    この人は人の本読んじゃあ
    つぎはぎして話作るタイプなのかな⁇
    なんかホワホワして深みがない。

  • ロボトミーなんて言葉知らなかったな。

    引用
    「まず葛藤や軋轢がある。そして、価値観を変えるような事件が起きる。主人公は変化し、障壁を越え、そして成長する。……わたしは、こうした物語にこそ暴力を感じる」
    〜「実際は、人間が変わることなんかない。ちょっとした出来事や小さな変化のたび、変わったかもしれないと希望を持つ。そして翌日には、また元通りになっている」

    そうかもしれないな。
    孤立は暴力を生む。これは本当なのかな?だったら悲しい。

  • 収録作品:百匹目の火神 彼女がエスパーだったころ ムイシュキンの脳髄 水神計画 薄ければ薄いほど 沸点

  • あ、短編なんだ!!
    ていうか!!一話一話の密度が濃い。
    猿の話にガツンと来て、
    表題作にほろっとし、
    堪能させてもらいました。

  • 7月9日読了。図書館。

  • 短編集。サイエンスフィクションであり、少し不思議でもあるSF。けど非科学的な感じもする。
    動物や種の進化に興味があるので、「百匹目の火神」がベスト。
    「ムイキシュンの脳髄」も面白い。

  • SFも苦手なんだけど、ルポタージュ調で、ぎりぎり本当っぽくて、それはおもしろいなって思った。

  • 著者言うところの「疑似科学シリーズ」。百匹目の猿や超能力、ロボトミー、気による浄化など疑似科学と社会、個人の関りを描く。死をテーマにした作品だけ異色。

著者プロフィール

1979年生まれ。小説家。著書に『盤上の夜』『ヨハネルブルグの天使たち』など多数。

「2020年 『最初のテロリスト カラコーゾフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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