Ank: a mirroring ape

著者 :
  • 講談社
3.82
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本棚登録 : 595
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062207133

感想・レビュー・書評

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  • これは 中毒性があるなぁ

    テスカトリポカ 気になるけど怖いそうだし
    爆発物処理班.. 面白かったし 長編も試してみようかな...と 読み始めたら どっぷりはまってしまった

    人が暴徒化している場面はツラいし
    小難しい 科学的な部分も多い

    だけど アンクの行き先が気になる
    望さんの 夢が どうなるのか気になる

    ヒトのヒトたる根源

    ヒト一歩手前の世界

    激しく 熱い暴力の世界の向こうに 垣間見える遠い本能の記憶

    ラストは切ないけれど 妙な説得力があって

    あー 読んでよかった

  • 夏の休みを利用して、一気に読めるエンターテイメント小説を堪能したく読んだ作品。

  • 鏡、DNA、猿

  • ちょっと内容が難しかったけど中盤から面白くなってきた。章によって話が前後するのは苦手だがわかりやすい方だった。

  • 鈴木望が執筆した論文に注目したダニエル・キュイが類人猿に関する研究施設を立ち上げる所から話が始まるが、京都を舞台にした不気味な物語だ.キュイは元々AI関連の技術者でカウンセリング用AI ルイを開発.モニターしたケイティ・メレンデスは初老のおじさんと感じた由.そのキュイが望を長として研究施設に資金を出し、チンパンジーの言語能力などを探索し、なぜヒトが言語を習得できたかを模索する.アフリカからジュバ・Cと呼ばれるチンパンジーを獲得し、最終的にはアンクと名付けるが、正二十面体の組み立てをこなす知能を持っている.アンクの訓練中に地震が発生し、施設はパニック状態になり、所員同士が殺しあうことになる.アンクは施設から逃走し、京都市内に逃げ込む.アンクの警戒音を聞いた人間はお互いに殺し合い、京都暴動と名付けられた怪事件が続発する.警戒音に反応しない望とケイティ、シャガが暴動の原因を追究する場面が面白かった."土星通のトラウマ"、StSat反復などテクニカルタームが続出.しかし分かりやすく説明しており楽しめた.

  • 面白かった!
    一気読み!

    QJKJQの内容はいまいちだったが、文章はとても読みやすかったのと感染爆発を扱っているとあらすじで知り拝読。

    いやー、ここ最近で一番にくる面白さでした。
    類人猿研修者が書いた一つの論文がある世界的天才であり大金持ちの目にとまり、そこからきっと物語が始まる
    いや、オランウータンとのちに人類になるロスト・エイプが自身を映す泉と出会った瞬間からすでに京都暴動は始まることが予測されていたのかもしれない・・・

    最後まで読んで、警戒音が出た後に目を潰す描写が印象に残ったのはそういうことか・・・と。
    チンパンジーの親が子供の瞳を頻繁に見るのもきっと愛しさよりも瞳の中の自分であって自分でないものが自分を襲ってこないかの確認作業の割合が多いんじゃないかなと

    もしリクターが死なずにアンクの研究を続けていたらチンパンジーにも語学能力が宿ったのか
    あの警戒音はアンクだから出せたものなのか
    同じ知能レベルで密猟者に喉を傷つけられ、恐怖の記憶を植えつけられたチンパンジーなら同じ傷跡が出来たら同じような警告音が出せるのではないか

    アンクと共に逝ったとしてもまた別のチンパンジーが警戒音を出せるようになるかもしれない。
    と思うと怖い。

    深夜に読み終わったせいもあるかもしれないが
    鏡を見るのもガラスに映る自分であって自分でないものを見るのもとても怖くなった。
    そして影も・・・。
    類人猿だった頃の記憶も私のDNAに刻まれているのだなと
    影もきっと怖かったと思う
    一挙一動自分と同じ動きをする影の存在。
    そう考えると今、人間として生きている中で何かができるようになったとしても
    今までの進化の記憶が手助けをしていてくれるのではないかと思い、人間一人では生きていけないというのもわかる気がする。

    フィクションだとはわかっているが
    どこか現実とリンクしているような気がして色々なことを考えるきっかけになった。

    研究し、能力を上げた動物も一種のAIだと望がダニエルに告げたところが一番印象に残っている。
    あとはバベルの塔の由来の話も!

    文庫化したら即買いします。

  • 京都にある霊長類研究所、KMWPには知能の高いチンパンジーが集められ、センター長である鈴木望は優秀な仲間たちと研究に勤しんでいた。KMWPのメディア公開を無事に終えた翌々日、京都では恐ろしい事件が起きた。事件というよりもテロ、感染爆発、いや、暴動としか言えない状況。人々が突如として知能を失い、お互いを殺しあう悲惨な事件が、京都各所で爆発的に広がっていった。同じ頃、KMWPに出勤した望は、チンパンジー同士が、研究者たちが、みな息絶えている現場を発見した。そして、いるべきはずのチンパンジーが一頭姿を消していた。

    SFパニックサスペンス?類人猿と人間の違いは何か。いつ、なぜ人間がロストエイプに成り得るのか。想像するだに恐ろしいし、面白い。前半事件が起こるぐらいまではぐいぐい読んだのだけど、最後望とダニエルがなんの話をしているのかちょっとついていけなくなりそうだった……かなしい。これだけのことが起きてて闇に葬られるのも、結局研究は進まなそうなのも悲しい。暴動のシーンはちょっと冗長だった。

  • 読了⭐︎3.5
    「Ank:a mirroring ape」佐藤究著
    チンパンジーは猿ではない
    パンデミック?新型ウィルス?人工知能と人類の進化?
    AIの進化が騒がれる昨今、アンチテーゼなトコが作風としてあるけれども結局繋がっているのかなとサピエンス全史など話題もあるので読んでみようかなぁ…

    暴動シーンの迫力は凄過ぎるので、簡単な映像化には反対だなぁ


    #ブクログ

  • 読み終えることができたと同時に何かを質問されたような記憶がする。そして、とても言葉だけでは語り切れる様なものではない内容となにか宿題のようなモノを突き付けられた感覚が残る。

    きっとこの溝を埋めることはできない。人類が長い年月をかけて答えを探し求めていくしかない。ただ、答えのないこの世界あるいは宇宙に放り出されてしまった人類に唯一あたえられた終着点は「感謝」なんだろう。

    だって生きている限り無限ループの人生にピリオドを打てるのは自分自身だけなんだから。

    オレは考えることを辞めたら人間失格と考えている。それが人間・人類に与えられた使命だから。

    生きていれば八方塞がりのときもあるだろう。けれど、そこで諦めたら目の前に映る自分はいったい何者なんだと問いたくなる。

    だから考えるしかない。答えようのないこの世界に答えを見つけるには自分なりの回答を出し続けていくしかないから。

    そしてヒントはいつも相手だ。相手の瞳に映るソレこそが今の答えなんだ。光の速さで教えてくれているはずだ。

    けれど光の速さではあまりに時間が惜しい。だから今この瞬間を大切にする必要があるんだ。

    それでもこんなにも素晴らしい1冊をどこかの誰かと同じ時間で共有したいと思ってしまう。光の速さで届いたらいいのに。

    きっとこの1冊がどこかで悩み行き詰まっているだれかの希望の光となってくれたら。太陽から地球に届く光のように。

    この世界に正解などないと考えていた自分に唯一の希望となって光のように照らしてくれる存在となった。そんな一冊を生み出してくれた著者に感謝したい。

    ありがとう。
    #ankamirroringape #ank #佐藤究

  • 人工知能と人類の進化/ 京都暴動のきっかけとなったチンパンジー/ 類人猿と猿の違いなど非常に為になった/ 京都暴動に至るまでを、主人公に係わった登場人物たちの過去で振り返っていく/ stsat配列、土星通のトラウマ/ 主人公にとって運がよすぎる、というか物語の進行に都合の良いキャラクターがぽんと登場しすぎる気はするが、物語の本質はそんなところにはないと言われればそんなものかと思う/ じゃあエンターテイメントじゃないなと言う気もするが、そんな崇高なことが書いてあるとも思えない/ 鏡に気をつけろ/

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著者プロフィール

1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、デビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木賞を受賞。

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