Ank: a mirroring ape

著者 :
  • 講談社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062207133

感想・レビュー・書評

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  • 京都を舞台としたパンデミックもの?
    なぜ、その異変は京都で起きたのか?
    話は京都で突然始まった異変と、科学の壮大な実験が、時間、場所を飛び越えつつ進んで行く。

    読者は、これらの物語を俯瞰しつつ読んで行くので、この2つの事象になんらかのつながりがあると気づいて行くのだが、それとは関わりなく京都市内での騒乱は進行して行く。
    やがて、科学者はその騒乱の原因を特定して行き...

    物語が時空を超えつつ進んで行くのだが、その断片、断片がわかりやすくまとまって書かれており、読者が迷子になることもない。

    騒乱は騒乱としてきっちり書かれており、他方科学者の実験も淡々と書かれている。
    最後まで、一気に読み切れるなかなか面白い作品だった。

  • 突如として起こった謎の「京都暴動」。感染症でもテロでもない暴動の正体に立ち向かう霊長類研究者の活躍を描くサスペンス。一見バイオホラーっぽくも思えたのですが、それとはちょっと違うかな。でも読み心地は似ているかも。
    残虐でスリリングな暴動のシーンと、科学的で小難しげな研究のシーンのバランスがいいので、長さの割には(そして理系嫌いの私にしては)退屈せずに読めました。霊長類研究については知らないことも多かったけど、さほどとっつきにくくもない印象。そして暴動の原因となった経緯については愕然。読み終えると、鏡を見るのが怖くなってしまうかもしれません。

  • めっちゃ面白かった~~~!!!ヾ(≧∇≦)ノ♡♡♡
    でも、これは哀しい物語。。。

    2026年
    多数の死者を出した京都暴動(キョート・ライオット)。
    ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。
    テロ攻撃の可能性もない。
    人類が初めてまみえる災厄は、なぜ起こったのか?

    発端はたった一頭の類人猿(エイプ)、東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった・・・。

    霊長類研究施設でセンター長を務める鈴木望。
    災厄を引き起こした「アンク」にその鍵をみた望は、最悪の状況下、たった一人渦中に身を投じる――。

    途中、あんまり人が死に過ぎるんでB級的に笑ってしまったけど、一気読み必至のおススメの1冊です~~!!!

  • 科学の皮を被った科学じゃないもの

  • 人類とは何か、という「2001年宇宙の旅」の向こうを張る大きなテーマ。「ジェノサイド」のように作者の主張が出過ぎることも無く、全体を通して楽しめる。

  • 近未来の京都で起こる暴動。その原因は1匹のチンパンジーだった。一般の市民がお互いに襲い合う理由とは?
    色々な情報があり面白い。特にホモ・サピエンス以外にも人類がいた事は知らなかった。何が生存を分けたのかは興味がある。この本では仮設のようなものをあげているが、もっと色々と条件があるのだろう。
    ストーリーはパニックサスペンス。なかなかに怖い話であった。

  • 頭の悪い自分は一度ではしっかりと理解が出来なくて、置いてけぼりをくらった場面もあったけど、最終的にはよくこの仮説を思いついたなと思った。
    言われてみればホモ・サピエンス以外の種族で人間って居ないよな…と改めて思った。
    謎が解明されて行くところは面白いけど、途中に沢山挟む虐殺シーンはそこまでいらないのでは??
    と思ったりもした。
    甚大な被害が出てることはよく分かったから、とりあえず早く謎の核心に迫ってくれ!と、少々だれてしまった。

  • ‪猿の惑星×新感染!京都で突如発生した原因不明の暴動と数日前に研究所に運び込まれた1匹のチンパンジー。事件発生までの時間軸をカウントダウン形式で見せる構造が緊迫感を煽る。科学考証はどこまで正確かは分からないけど、荒唐無稽なストーリーに絶妙なB級SF感が加わってて良かった。‬

  • 類人猿と人類を分けたもの、それは?

    失われた時間の真実が、大変興味深い。
    京都で起きた一頭のチンパンジーから始まる暴動。
    時間軸が細切れで、はじめは混乱したけど後半はあっという間だった。

    脳内映像できっちり再生された。映画にして欲しい。
    アンクの澄んだ瞳に映る自分の姿を見てみたいけれど、その勇気が、出ない。

  • サピエンス全史等ホモサピエンス学が注目される中、久しぶりのパンデミック小説は面白く読んだ。
    最後があっけなかったのが、少々残念。

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著者プロフィール

1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、デビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木賞を受賞。

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