名探偵の掟 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646185

感想・レビュー・書評

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  • ミステリー小説のお話あるあるを面白おかしく皮肉った本
    密室とかダイイングメッセージとかアリバイトリックとかたしかによく考えたらなんでそんなことすんのってことはミステリーにはいっぱいある
    それを本職の人が言っちゃうとこがまた面白い
    普段そういうことに気をつけて書いてるんだなぁとか知れたりもする
    おすすめです

  • 推理小説のパターンを登場人物が語るという新しい展開。ミステリーを楽しむというより、推理小説を知るという要素が大きい。

  • 「名探偵の掟」を読んでみた。

    タイトルから普通に探偵ものかな?と思っていたけれども、真逆だった。
    探偵ものをとことん皮肉った物語だった。



    物語の中のキャラクターが物語の中だけで語るのではなく、一旦『物語から離れて語る』というシーンがよく出てくる。
    その『物語から離れて語る』内容は物語だけではなくて、読者も皮肉る。
    正直、所々グサッと来るものがあった。

    「大部分の読者は、直感と経験で犯人を見破ろうとする」(意外な犯人から)

    つまり、犯人を推理している訳ではない。
    そう言われてもたぶん私は探偵ものが好きだし『犯人予想』をしながらこれからも、探偵ものを読むだろうなと思う。



    正直、探偵ものとして読み続けるとこれは辛い。
    トリックも犯人も物語さえも極限まで削って、探偵ものへの皮肉を貫いている。
    登場人物なんて、ただのミスリードのために出てくるキャラには名前すら出てこない。
    けれど、探偵もののパターンや読者の姿勢や作り手の姿勢など、学ぶべきものは多かった。



    使い古されてしまったネタの中で、新しい視点を突きつけてくる作者はすごいのだろうなと思う。



    ……教科書よりは読みやすくて面白いけど、求めているのは『単純に楽しめる物語』
    再びこれを読むときは…、探偵ものを書こうかなと思った時かもしれないと思った。



    そんなお話しだった。

  • ミステリーあるある満載。ミステリー小説やミステリードラマが好きな人は楽しく読めます。そうでもない方は…読んでもしょうがないかと

  • 推理小説あるあるを徹底的に馬鹿にしてる感が面白かった笑
    東野さんの小説であるあるだな~って感じたことは1度もなくて、毎回私の想像を優に超えてくるから、私があるあるに染まって安直な犯人予想しかできないのを批判された感じ笑
    東野さんの小説は半分から後ろが怒涛の展開でいつも続きが気になりすぎちゃうんだよね~

  • いつもの東野圭吾作品に慣れたからかすごく違和感のある作品だったけど、作者のアイデア量が半端ないなと思った

  • 異色な雰囲気のする作品なので、東野さんの代表作(が何かと言うと曖昧ですが)が好きな人にはおすすめできません。

    一般的な推理小説に主人公が皮肉を交えながら事件を解決するという短編集。

    個人的には非常に退屈に感じました。

    今更そんな皮肉は不要じゃないかと。
    指摘している点が、ちょっとおかしいのも承知の上で
    小説を読んでいる人間は多いと思うのですが。

  • 四半世紀前に東野先生は、探偵小説の構造解析をやってみせていたのですね。それも皮肉まじりのユーモアたっぷりに。
    この成果をもとに現在のミステリー作品は仕上げられているわけですね。密室ものはもとよりフーダニットやハウダニットをもある意味で葬り去ってしまっている。
    推理小説の作法を笑い飛ばす本作品で中で最高なのは「真剣に推理する読者なんていない。雰囲気だけで読んでいるんだ」とする読者に対する評価だろうねぇ。

  • 【再読】
    8年ぶりぐらいに再読。本格ミステリ小説の様々なお約束を破っていている作品。それでいて東野圭吾の本格ミステリ小説の代表作とも言われている連続短編集。
    この作品をどう受け止めるのか…。読み手の力量をも試されているように思えるし、東野圭吾さん自身への覚悟のようにも思える一冊。

    この後に誕生したのが『容疑者Xの献身』というのがやっぱり凄い。

    たくさんのミステリ小説を読んでこの本を再読しようと思う。きっとその時はまた見え方が違うかも知れない。再読する時がまた楽しみだなんてそんな一冊はなかなかない。

  • 本格ミステリへ別れを告げる
     まあ皮肉ぽくてちょっとおもしろかった。童謡殺人は笑ってしまった。叙述トリックについての皮肉がなかったのは意外(似たやうなのはある)。東野が本格離れした心境について書いた村上貴史の解説は説得力があった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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