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- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062694612
感想・レビュー・書評
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誰かに変身して相手の本当の気持ちを知りたいと思ったことは誰でもあるだろう。この作品は、祭りでなじみ深いお面を使って、その気持ちをテーマにした一冊だ。児童書だが、人間関係や人生というものを考えさせられる作品だった。山の神の元に捨てられていた二人の赤ん坊を、山の神は、人間の面作師にあずけた。その面作師は、腕のいいものだけが作れるという、「妖面」も裏のお面屋として売っていた。二人の子供、太良と甘楽は、面作りを教わり、祭りで「お面屋たまよし」として面を売りながら、それをかぶればなりたい姿になれるという妖面を売る裏のお面屋「魔縁堂」もやっていた。この本での「魔縁堂」へのお客は3人。いいなずけの本心を知りたい男、母親の子供への気持ちを知りたい子供、不細工な娘が知りたい周りの人の本当の気持ち相手の本心を知るということは、計り知れないほどのショックを受けることもあるだろう。知らなければ良かったと思ったり、やっぱりそうかと安堵したりと。山の神の加護を受けながら、妖面を売り続ける若者たちに、触れてはいけない神秘さを感じた。これからの二人の成長と共に、続編があるなら、また読んでみたい作品だった。余談だが、お面で変身というと、子供の頃、ヒットしていたアニメの「ひみつのアッコちゃん」を思い出してしまった。アッコちゃんの場合は、魔法の鏡を見て、「テクマクマヤコン」(・・・だったと思うが)と呪文を唱えて、なりたいもの(人間や動物)に変身していた。変身願望はいつでも、誰でも、あるのだなと改めて思った。
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