OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)

著者 :
  • 講談社
3.60
  • (341)
  • (633)
  • (825)
  • (120)
  • (20)
本棚登録 : 4994
感想 : 398
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734486

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 死体をバラバラにしてゴミとして処理する「仕事」てなんやねんー!ラストシーンも適当すぎる。作者が考えることを放棄したのではないかと疑ってしまう。ストレスのたまる読書になってしまった。

  • 夫を殺した女とその死体をバラバラに切断し遺棄した3人の女。
    共通の秘密をもつようになった4人はそれから結束を固めるかと思いきや、徐々にそれぞれが変化し、その結びつきもバラバラになっていく。
    目の前の小金欲しさに、十文字というヤクザに全てを暴露する邦子。
    そして、この物語の主人公、雅子は十文字にその度胸を買われて別の遺体を解体してくれないか?という依頼を受ける。
    金欲しさにまたも犯罪に手を染める雅子とヨシエ。
    そしてそんな彼女たちを監視し脅しをかける人物の影が忍び寄る。

    普通犯罪を知られたら・・・特に相手がヤクザとなると単純に脅迫される所だけど、この話ではさらに犯罪を重ねてくれと依頼するところが変わっている。
    そういう典型にハマってない所も魅力だと思います。

    ただ、以前読んだ時と同じように、今回も読み終えて「後半がイマイチ。ラストがな~・・・」となりました。
    犯罪を犯した女性4人はどれも普通の主婦なのに、後半急展開でハードボイルドタッチなストーリーに突入し、雰囲気がガラッと変わった事に違和感を感じました。
    普通こういう話だとラストにいくごとにスピード感が増すものだけど、これは個人的に失速していると思います。

    私がこの物語で面白いと思うのはラストとか物語の筋よりも、生活が破綻しかかっている4人の女性のそれぞれの状況とか心境が描かれている部分です。
    ホント、リアルだし、他の小説を色々読んでこれを読むと、やはり登場人物の会話が生き生きしていると改めて思いました。
    ほんの細かい描写、会話にも登場人物それぞれの個性が生きている。

    上巻からかなり間を空けて読んでしまったため、どんな場面で終わっていたのか忘れていたし、感情移入に時間がかかってしまったのが残念。
    でもやっぱり、読み応えのある本でした。

  • 桐野作品の中で有名なものの1つとして挙がるこの作品。
    しっかり堪能させて頂きました。
    読んだ後放心⇒解説ググる……は恒例ですが、とにかく不快……なのに嫌いじゃない(笑)
    何だこの矛盾は!?(笑)
    アウト過ぎる人々がたーーーーくさん出てきますし、クライマックスのシーンは理解が追いつきません……
    私が正常だということを理解しました(笑)
    女達の欲望と悪意も上手く表現されていて、怖いもの見たさでドラマや映画も気になりました(映画は色々違うみたいですが……)
    あっという間に読み切ってしまいました。
    不快なのに面白い。
    不快なのに次の桐野作品は何読もう……と考えている私がいます。

  • この本を読んだのは確か小学生の時でした。(今思うと、こんな本が小学校に置いてあるなんて!笑)とにかく恐ろしいものが読みたい時期で、本を読むなら、グロくて怖いジャンルじゃないと!と思っていていました。
    でもさすがにこの本はリアルで恐ろしすぎて、
    またそれまでバッドエンドで終わるものを知らなかったので、読み終わったあとは衝撃とショックで頭の中でずっと鐘がなってるような感じでした。
    いい大人になったいまでも描写の一部を思い出せます。

  • 昼間ではない、わざわざ深夜の弁当工場に働く人達だからか、どこかみんな陰のある生活をしてるのが陰鬱な気分になった。またみんな先のことが考えられない浅はかさも、読んでいて不快だった。

  • やはりこれは名作!

  • 珍しく通勤途中以外でも読みたくなる程面白かったけど、多分桐野夏生の本を読むのは最後になるだろう。
    途中のハラハラする展開がページをどんどん進めるので、これはどんな結末がこの先に待っているのかと期待していたがチョットガッカリした。
    散々苦しめられて恐怖を味わったんだから、自分の手でなくても相手を陥れる様に仕向けて、始末してもらう方法でも良かったのかもしれない。

  • 前巻で「バレるとしたら邦子からだろうなあ」とは言ったし、実際に死体が見つかったのは邦子のせいだったけど、まさかこんなペラペラ喋るとは予想外過ぎたが!?
    いくらなんでも頭ゆるすぎるでしょ!?と思ってたらなんか殺されてしまって、エッお前のことはアホだと思っていたがそんな目に遭わなくても…と謎の同情が湧いた。

    ていうか雅子がいきなりヤバイ男ホイホイとして覚醒してビビる。カズオなんか最早純情に思えるし(痴漢男だけど)、十文字もまあ何もかもが終わってから考えるとまあかわいいもんのきがしてくるし、佐竹が特大級の激ヤバ物件すぎるんだよな…
    十文字のところに乗り込んでいったときの勢いや、十文字から死体解体の仕事持ち込まれたことがきっかけでなんか一騎当千の兵士みたいな覚醒をする雅子。リーダーシップもあり(これは弁当工場で既に発揮されてたけど)なんかめちゃくちゃ冴え渡った勘もありコナンくんばりの推理力もある。
    邦子を殺して死体の処理を押し付けてきた佐竹の動機と正体をきっちり読み切って、その上で「あたしがただびびってるだけじゃないって見せたい」って啖呵切る雅子マジでなんなんだよ…実際一発かましてるし反撃の気骨がありすぎる…
    最終的に、実際捕まって殴られて犯され続けても佐竹を殺す機会うかがってて、っていうか実際殺したの何なの!!!???ゲリラ兵!!!???
    雅子の戦闘力に度肝を抜かれてるうちに、なんか知らんけど雅子と佐竹に愛が芽生えてて動揺した。ヤバイ人間同士のシンパシーだったんかなーという感じ。

    まあとりあえずクリスマスにサンパウロには絶対行けよな!カズオの純情!!

  • あー
    なんでこんな本読んでしまったんだ…
    後悔しかない…
    人間のいやらしいところばかり見せつけられて。
    理性は、どこにいってしまったのか…
    自分の解放のため?犯罪を美化してしまっているような感じすら受けた…
    いくら、底辺の生活、社会からはみ出たOUTといわれても…
    そして、結局、逃げ切る気マンマンOUTですか…
    こういう異常犯罪を、鋭く暴いていく刑事とか出てきて解決!という話が好み。
    はぁ〜
    犯罪小説って、こういうのなんだ、とわかりました。ミステリー感はない、ひたすら、犯罪者側の話。
    これが、推理作家協会大賞?直木賞候補?
    当時は全く知らなかったけど…そうでしたか…
    人気本だったんですね。エログロサスペンスを楽しむ方々には好評かと。

  • 上巻は良かったんだけど、なんだこれ?
    ラスト…

    なんでこんな展開になるの…
    期待した感じじゃなくガッカリ。

全398件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

桐野夏生の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×