OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4994
感想 : 398
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734486

感想・レビュー・書評

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  • うーん、途中まで良かったんやけどねえ。てか、オバサンばっか集めてこんな上下巻読ませる筆致の腕は相当。ただやっぱラストどうなんやろ感は否めない。ちょっと突き抜けすぎて読者置いてけぼりになっちゃったかな。

  • なんつー本だ、、、歪んだ愛?性癖?にぞくぞくしてしまった、、、やばい内容だけど嫌いじゃない

  • ミステリーでありながら
    ヒューマン

    同志、が、いかに心強い存在か
    孤独、が、いかに自分との闘いか

  • 上巻ではただよう気持ち悪さにどうなるかと思ったけど、思わぬ展開が続いて結局引き込まれてしまった。
    そりゃ主要人物全員犯罪者で構成されてる話なんだから、全体的に気持ち悪いに決まってるわな。
    そして誰も法に裁かれないというなんとも言えない結末。
    本当に彼らは自由になれたのかな。

    これをドラマ化したってどういうこと、って思ったけど、うまいこと設定を変えたみたい。
    ドラマや映画も見たいな。

  • 1つの衝動的な殺人がトリガーとなり、事件の連鎖が起きる。次の事件へと繋がる展開の仕方は見事。常識では考えづらい行動をも突き動かす彼女たちの根底にあるのはお金への執着とそれを選択せざるを得ないそれぞれ抱えた闇のある事情。
    登場人物4名のキャラクター設定がよく、ストーリー展開をより面白くしている。特に雅子はこれまで小説を通じて出会ったことのないほどの強烈なインパクトを残す設定。責任感が強く、直感と判断力が冴え渡り逞しい行動力。雅子の終盤に見せる、一連の事件の連鎖に繋がり巻き込まれたことを弥生を原因と考えることなく、自分のせいとして捉えて覚悟を決めるシーンの描写にこのキャラクターの意思の強い生き方が表れてるように感じた。
    この小説で唯一残念だったのはクライマックスシーンの後味の悪さ。

  • これまで(全然読んではいないが…)の桐野作品のベスト

    最初は「普通の主婦がいきなり死体をバラバラできるのか!?」とも思ったが、それは読み進めていくうちに納得できる。

    それ以外は特に文句はないが、ちょっとだけ揚げ足を取るとすればヨシエの家が全焼した箇所の説明が不足している。
    まずヨシエの家と工場は自転車で行き来できる距離なのだから、この節の最初に消防車のサイレンで街が騒然となっていることを描写する必要があった。
    そしてもしも偶然の事故(または佐竹の復讐)なら、姑の介護から解放された代わりに折角掴んだ札束も一緒に灰となったことなどを皮肉を交えて付け加えれば更に良い味が出たはず。
    また、ヨシエの放火(and姑殺し)ならば、それに至るヨシエの心境を吐露する1節があって然るべき(「(自分で殺したのだから)これで間違いなく地獄行きだね」みたいな感じで)。
    ※最低でもヨシエが普段とは全く異なる余所行きの格好だったり、自転車のカゴに旅行鞄が入っていたり、はたまた雅子から「これから何処に行くの?」と聴かれ、「地獄さ」みたいな記述が欲しかった。

    ※補足
    読書中に「佐竹の正体がバレた時点で、なぜ雅子は警察に通報しないのか」と思ったのだが、読後に通報すれば佐竹の供述によって雅子達の犯行もバレてしまう可能性があることに気付いた。
    なので十文字から「警察にチクリましょうょ」と言われ、「佐竹は私達の過去も全て調べ上げているわ」というくだりがあれば良かった。


  • 上巻はただただグロい。
    気分悪くなりそうなくらいグロいけど
    読み進めてしまう。
    下巻は人間関係が交わり始めて
    誰が誰をどうやってやられるかみたいな
    ドキドキ感があり一気読み。

  • パート仲間が殺した夫の遺体をバラバラにした主婦たちが、第2第3の遺体を解体するはめになる……。
    普通に考えるといつ警察が自分を捕まえに来るだろうかと落ち着かないはずなのに、何事も無かったような顔をして黙々と勤め続ける雅子がもはやカッコ良かったです。
    それだけに終盤の佐竹との対決には少々納得できなかったのが残念。

  • いやはや、これは衝撃的。
    弁当製造工場で深夜に働く、主婦たち4人。
    残虐さとは無縁に思われるメンバーなのに、それがこんな恐るべき展開になるとは。

    いやぁ、いくらなんでも、そんなところでそんなことをするか?!
    しかも、そんなことまで請け負うか?
    想像しただけで僕は震えてしまった。

    雅子のキャラクターがとにかく強烈で、彼女ならば「あり得るのかも…」と思わせる
    手腕が見事。
    最後の展開は、賛否両論あるみたいだけれど、僕は緊張しながら読み進められたし、こういう結末もアリだと思った。

  • だいぶ前に映画版を観ていて、あらすじは覚えていた。
    ところどころ小説と映画でストーリーが違うので、別の作品として楽しめる。
    想像すると痛い描写もあるけど、緊迫感やヒリヒリした感じに引き込まれて一気読みした。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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