密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 378
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765497

感想・レビュー・書評

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  • 人間ってよくこんなこと思いつくなと思う。登場人物達に対して。読みながらパソコンのタイピング音も実地調査の足音も全部聞こえてくる。ずっと画面の中の世界だけど最後一気に現実世界に戻される瞬間が好き。ドッキリ仕掛けられた感覚。干支の殺人がすごく好き、というか凄すぎてもはや関心の域。でも実際捕まらないようにあんな事を繰り返すのか可能なのかなとも思ったりする。本だからファンタジーなのか、で終わるけど。

  • いやーおもしろかった☆
    これ一歩間違えば結構なイヤミスですよわたしとしては。
    連続殺人を「ゲーム」として捉え、淡々と人を殺し、その謎を解くって。狂気の世界。でもみんなあっけらかんとしてて、なんならちょっと好きなキャラだったりする不思議な作品。
    最後に殺されたのが主人公の兄で、チャット仲間だったとはまた意外で驚きましたが、「続く」ってマジか!とそれも驚きましたわ。
    ぜひとも読みたい!
    この作者さんは読みやすくて好き☆

  • はい、面白かったです。
    ワクワクしながら良いテンポで読む事が出来ました。
    個性的な登場人物達に楽しませてもらいました。
    そして最後は…。

  • 葉桜ぶり
    思ってたよりコミカル

  • ネットで知り合った5人が、推理ゲームを出し合う。
    出題されるのは、実際にメンバーが行った殺人事件。
    殺人の犯人は自明。動機は推理ゲームのため。と、なるとハウダニットに特化した謎解き小説かと思いきや…。
    そこは歌野晶午先生。しっかりと一筋縄ではいかない驚きが用意されている。

  • 2023年一発目の読書本。
    自分が既に起こした事件の謎を他のチャットメンバーに解いてもらうという「推理ゲーム」が日々行われている。
    500ページ超えの厚い小説だがそれぞれに謎が用意されているためテンポが良く謎解きやチャットメンバーのキャラクター性も相まってとても面白い。やっていることは最低なのでまったくといって良いほど彼らに同情できないが、トリックはとても面白い。時刻表のトリックや八田邸のトリックは読んでいて「なるほど!」というトリックだった。
    そしてこんな風に倫理観がほぼゼロな人々だったが最終章で見せたあの足掻きは彼らの人間性が残っていたのかが驚きだったがこの本の読者の感想にあった最後はとても切ない物になるという意味がよくわかりました。
    まさかの頭狂人と044APDがリアルで兄弟だったとは思わなかった。彼を殺した後に正体に気づくというのかとても切ないし、読んでいるかぎりだと兄のことはそこまで嫌っている様子もないしなんなら今の人生を歩むきっかけのような感じなのも余計に切なさがあると感じました。そして最後のシーンはまさかの「To Be Continued」という続編付き。もう買ってあるので読んでいきます。

  • 最初の方は退屈だったけど、途中から先が気になって読むスピードが上がった。それだけに、続くとなったのが残念。完結して欲しかったな。

    1冊の本の中にこれだけ色んな殺人方法を盛り込んで、ネタ切れにならないのかなーとか変な心配するぐらい人が殺される。けど、すごく客観的に見てるからか不思議と怖い感じはなかった。

  • ん〜おもしろい
    個性豊かな殺人マニアが、AVチャット越しに各人が犯人となった事件を推理する物語。犯人はわかった上でトリックを話し合う。だが、最後にはオフ会よろしく、みんなが集まることになるが…。

    歌野さんの読み物は「葉桜〜」しかないが、仕掛けが良くできており、最後に何かある感じの印象がある。

  • 最後の衝撃。
    こんな終わり方されたら続けて2.0読むしかない。

  • 星4.9

    不定期的に読み返す大好きな作品。

    抜群に面白い、ほぼ完璧だと思っている。


    何の恨みも無く、あくまでゲームを愉しむためだけに平気で人殺しをする登場人物たち。
    そんな感情移入できるわけのない人物たちなのに、会話がとんでもなく軽く、かつ推理する問題が面白くて、まるで自分も一緒になって参加している気になり、挙げ句、彼らに愛着らしきものまで湧いてしまうからすごい。面白い。

    Q1
    早速、殺しすぎ。それが彼らのイカれ具合と軽さを手際よく示してくれている。
    構成上、一問目、つかみとして最高。
    じっくりページ数を使って、少しずつ真相に近づいていくから一緒に考えさせてくれて、イカれたメンバーに加わったような錯覚を起こした。

    Q2
    感想戦。面白い。
    途中出てくる表現だけど、一人で愉しめるものを共有するのって、こういうやりとりがあるからだよなーって…また共感してしまってる。こんな頭のおかしな連中に。面白い。

    Q3
    インパクトのある殺人。
    個人的にはトリックが一番面白かった。

    Q4
    もうこの段階で5人のキャラが完全に確立してる。
    キャラ立ち、素晴らしい。
    だから愛しくすらなってしまう…

    Q5
    出題者から出された情報から推理する、というルールに読者ものっかる形で構成されていて、そこも読書を没入させることに効果的だったわけだが、この章では「コロンボちゃんが小説を書いてヒントとして提供した」ことにより、その構成のルールを破らずに雰囲気をガラッと変えている。
    ここだけ別作品、のような。
    すごい。上手い。面白い。

    Q6
    究極の犯人当てはこのあとすぐ!
    この題。これはたまらない。
    ここまでのフリの効かせ方。そしてこの先へフリを効かせている。すごい。

    Q7
    5人の素性が遂に、の章。
    驚き2段、いや3段構え。
    中盤、序盤から仕掛けていたのかと。圧巻。
    ここで読み進める手が止まる人はいない。はず。

    Q8
    どうしたって人として圧倒的に間違っている。
    間違っている者たち。なのだが、一応、人間としての一面があって。ちゃんと実在していて。
    彼らもきっとそんな感情、と同時に私もそんな感情になる結末。



    一つ一つの殺人がきちんと立っている。
    ショートショートのような。
    それでいてフリを効かせた驚きを散りばめて終結へ向かう。完璧でしょう。

    あと歌野作品は、無駄が無い。
    だから止まらない。
    完全エンタメ特化型だと思ってる。
    だから好き。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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