密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765497

感想・レビュー・書評

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  • 推理小説好きが高じて現実にやってみたい欲求を抑えられなくなった5人。
    彼らはネットで知り合いお互いの素性を知らぬまま、実際に殺人を犯しAVチャットで出題して推理し合うゲームに興じる。
    という舞台設定。

    推理小説というのはトリックやアリバイ工作なんかに驚いたり考えたりすることを楽しむのもそうだが、やはり物語を楽しむものなのだろうなと分かる作品だった。
    この作品の殺人犯たちには被害者を殺す動機も使ったトリックを使う必然性も無く、彼ら自身と事件とは一般的な推理小説に比べて極端に距離がある。
    問題の提示と回答を読み進めるだけで面白いか?否だ。

    だが、だからといってこの作品が面白くないとは言っていない。

    というのも、この小説は単純に問題を問題として捉えることを楽しむものではなく、前述の様なことをやって遊んでいた連中がどうなるかを楽しむものだからだ。
    だから問題は寧ろ、単純に私が最後の展開があまり気に食わなかったというところにある。

  • 面白かったかそうじゃないのかは置いといて、
    作者すごいな。
    こんなにたくさんのトリックとか浮かぶんだから。
    登場人物にもいろいろドラマありだし。
    最後の終わり方は消化不良だけど。
    なんか気持ち悪い小説でした。

  • 現代型ミステリー。発刊が2010年とあるが、ネット社会がさらに進歩している今現在でも充分に通用する。

    ハンドルネームを用いてお互いの素性をまったく知らない5人がチャットを通じてサークル活動を行なっていた。

    彼らはそれぞれ1人ずつ出題者として事件を提示して、残りの4人で事件の真相について推理する。いわば推理ゲームである。
    ただし、この事件は出題者が実際の現実世界で実行済みのものとなる。つまり出題者は実際に殺人を犯してきて謎を提示して、他の4人がそれを考える訳である。

    サイコパスな設定のように思えるが、登場人物達は良い意味であっさりと猟奇じみているため、そこまでの不快感はない。それに趣向自体は面白いし、読者も一緒に真相を考えながら読み進めることができるので飽きがこない。
    ただ、難点を挙げるとすればフーダニットが通用しないことになるかな。これは作中でも語っているが、犯人は出題者であることがあらかじめ決まっているので、それ以外のトリックで勝負することになる。
    となれば、王道なのはアリバイか密室。どうしても目新しさには欠けると言わざるを得ない。
    そういった意味では最初のミッシングリンクは非常に面白かった。フルコース料理の前菜としては完璧な采配であっただろう。だからこそそれに続く料理への期待値は高まってしまう。

    気に入らないのはその終わり方。え?これで終わり?と拍子ぬけしてしまった。
    でもどうやら続編があるみたいだ。少し間隔を置いてから読みたいな。

  • まず設定が斬新でありつつも今の世の中こういうこともありそうな妙なリアル感。。
    トリックなどはできるのかなぁとおもったものからぞっとするものなど本当におもしろかった。
    最後が、、、これでいいの?とおもったけど。。
    終盤にかけてはほんとに読む手がとまらず、面白かったです!

  • 推理ごっこじゃない。実際に誰かを殺し、世間を騒がせてもいる。なんとも大胆不敵です。
    密室トリックやミッシングリンクなど、あれこれ意見を戦わせる姿を見ているだけで面白く
    一緒になって推理してみたり、彼等の正体を想像してみたり、ほんとに色々と楽しめます。
    続編を読む予定はなかったのですが…こんな終わり方されたら読むしかないじゃないか!

  • ネットと現実の描写のバランスが素晴らしい。ネットでの情報に対する補足しアンフェアなものにしそれと同時にラストに向けて使われる。心地よいですね。あと頭狂人かわいい。

  • 2017年63冊目。
    今年最後にこれまた面白い作品に出会えた。
    今までいろいろ読んできたけどこういうスタイルは斬新。トリック当てだけだと思ってたら、まさかの叙述トリックまで飛び出して、044APDの正体が分かった時には思わず息を呑んだ。
    ただ、最後のTo Be Continuedはなぁ・・。
    続き気になるから2.0とマニアックスも読むけども。

  • 予想以上に面白かった!ひとつひとつの事件が畳み掛けるように続き、最後のオチで収束する展開は、ゲームならでは。リアリティはないが、純粋に楽しんだ。

  • 推理ゲームに飽きたネット越しの名探偵が、実際に事件を
    起こして残りがトリックを暴くという、チャットログの
    体裁をとったミステリ。

    殺人事件をビデオチャット越しに披露する登場人物も
    個性的でやり取りも面白い。そしてそれぞれが実際に
    事件を起こす、つまりフーダニットではなく
    ハウダニットに主題が置かれているのも特徴的。

    長編小説なのに、トリックが5つ?ほど語られるのも
    面白い。それらがちょっとづつ繋がって最後の話に
    繋がるわけだが……最後がよくわからなかった。

    アレは、本当に純粋に「ただそれだけ」なのか。
    よくわからないがこのシリーズは3作あって、
    この1作目と、三作目を読んでしまったので、
    いつかは二作目が読みたいと思う。

  • ビデオチャットをしながら五人で推理ゲームをするお話。
    毎回替わる犯人役が出題する。実際に殺人をして。

    という、ありそうでなかった設定にひかれて購入。
    犯人は最初からわかっているが、誰が正解するかは毎回わからないところや、個性ある登場人物、終盤の伏線回収が面白かった。

    なんでこいつら捕まらないの?とか思う人もいるだろうけれど、そういう設定なので気にしたら負けな気がする。

    三部作とのことなので、続編も読みたい。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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