私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778206

感想・レビュー・書評

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  • 読後に奇妙な気持ちになるミステリー短編集。5編を収録。ファンタジーのような短編もあり、ミステリーというジャンルを超えた短編集と言った方が良いかも知れない。

    特に表題作の『私たちが星座を盗んだ理由』が良かった。20年前の切ない秘密が明かされると同時に衝撃を覚える秀作である。

    最初の『恋煩い』も、こういう仕掛けだったのかと驚いた面白い作品だった。

    『嘘つき紳士』も、主人公の嘘という罪の陰で、相手の女性を思いやる気持ちが描かれ、ほっこりするのだが…これも衝撃的な作品だった。

    他に『妖精の学校』、『終の童話』といったファンタジックな作品が収録されている。

  • 『ダンガンロンパ霧切』シリーズを読んで、北山さんの本が気になり読んでみました。
    5つの短編集ですが、どの作品もとても興味深い内容で、面白かったです。
    「恋煩い」はラストの1ページだけホラーに変わったのは驚きでしたし、「嘘つき紳士」もいつバレるのかハラハラしながら読んでいました。
    ただ、結末をあえて書かずに読者の想像に委ねている作品があり、そこは個人的にはあまり納得のいくラストではなかった為、星4つにさせていただきました。

    でも、北山さんの他の作品ももっと読んでみたいと思えるような一冊でした。

  • ・どんな本を調べても星座は88しかない。ところで星座も地球でいうところの国境線みたいに線引きされている。その線引きされた区画の中に必ず一つ、星座が含まれることになっているんだ。1930年に国際天文連合で決められたんだ。この時、定められたのは全部で89区画。89区画に、88の星座。星座が1個足りないだろう?それはそうだ。だって僕が盗んでしまったからね。

    ・月が星を隠すことを、星食という。厳密には、あの夜、星食によって南の冠座が隠れたわけではないが、月の明かりが星を消したのは間違いないだろう。

    表題作以外はあまり物語に入り込めなかったけど、「わたしたちが星座を盗んだ理由」はロマンチックで切なくてわたし好みだった。

  • 難病の女の子を喜ばせるため、星座を一つ消して見せる男の子を描く表題作ほか、5つの物語のすべてに驚愕のどんでん返しが待つ、ファンタジックな短編集。優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で残酷に反転する衝撃は、快感ですらある。まさに、ミステリの醍醐味!



    5つの短編からなるお話。どれもライトノベルのような軽い感じで始まるのに、最後の最後で恐怖というかゾゾっとするラストが待ち受けていた。本当に、ラストで全部が覆った。


    1番怖いってなったのは「恋煩い」だった。本来は、おまじないなんて気にしないのに、反対のホームにいる先輩に片想いをして早1年。このまま進展がないのは嫌だと幼なじみに教えてもらったおまじないを試してみたら先輩と少しだけ進展があったのを皮切りに、友人が聞いたという恋のおまじないにのめり込んでいくアキ。この本当の意味が分かったときに、怖かった。友達ってなんなのってなったし、彼女が言っていた「待つ」ってそういうことだったの?!ってなった。


    絶海の孤島にどうやってきたのか分からないが、妖精になるために集められた子供たち。そこは楽園のようだったけど、元々の名前やここにくる前のことは何一つ覚えていない。これは、最後のラストを読んでも意味が分からなくて、ネタバレサイトを見に行った。そこで考察している人の見解をみて、「そういうことだったのか…」ってなった。これはびっくりだったし、これが本当だったら怖い「妖精の学校」


    「嘘つきな紳士」も「終の童話」も「私たちが星座を盗んだ理由」も面白かった。「嘘つきな紳士」は、少し世にも奇妙な物語でやってそうなかんじだった。今なら出来ないだろうなぁと。


    どれも面白くてあっという間に読んでしまった。本当、表紙の可愛いかんじに騙されたんだなぁと思った。いい意味で。


    2023.8.20 読了

  • 設定とかはSFチックなのもあって良かった。
    ただ短編で登場人物が少ないからというのもあり犯人とか、トリックとか、結末とかがわかりやすかったように思う。

  • どの話もかなり好きだった
    青春やファンタジーさの中に潜むささやかな恐怖、切なさが胸にくる。

    どの話も過去の自分と重なる部分があり、
    昔の自分や生きてきた人生を思い出さずにはいられない。
    本来はそう感じるような内容ではないかもしれないけど、何故か時節思い出が蘇った。

  • それぞれ味の違う5つの短編が入ってます。
    色々な世界観が楽しめる本でした。

  • 全体的にもやもやが残る。
    表紙はかわいのに…。

    「妖精の学校」はファンタジーかと思っていたけれど、解説サイトを見たらそうではないらしく…。
    目から鱗だった。

  • ミステリー?
    後味悪いの多い。表紙の可愛い感じはなんだったのか。

  • 表題作以外もぜんぶ好き

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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