社会を変えるには (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.90
  • (119)
  • (178)
  • (103)
  • (20)
  • (6)
本棚登録 : 2140
感想 : 182
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881685

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 工業化、ポスト工業化と原発との関連はわかりやすかった。と言っても原発の知識がないので他の本でも確認したい。
    政治思想や社会学、経済に関する考察が幅広く知識の補給、整理ができたのは良かった。
    デモまでいかなくても、問題意識を行動に繋げてみようと思った。

  • 社会運動の歴史や文化的、時代による違いなど、膨大なページ数でたっぷりとレクチャーしてくれる良書。多少、著者の主観も混じりはするが、イデオロギーに係る市民運動を体系的学ぶには良いと思う。

  • 反原発のTV報道で小熊らしき人物を見た覚えが有ったのだが、本当に彼だったという事がこれで判った。
    民主主義や社会運動の経緯や流れについての解説という意味では判り易くまとめられているが、その結果がなぜ今回のようなデモとなるのかはよく掴めなかった。
    自身の活動の言い訳のようにも取れてしまうのが少し気になった。
    いつもの偏見を持たず、中立で醒めた視線が本書はちょっとニュアンスが違う。

  • ボリュームがあり、読みごたえあり。哲学、歴史、経済学、政治学等、いろんな要素がある。

  • 総ページ数は517頁。大著の多い著者の本にふさわしく、読み応えのある一冊。民主主義をめぐる思想について、ギリシアの民主制から説き起こし、現代にいたるまで、その足跡をたどりながら、また、日本の社会の変遷をたどりながら、(本作は2012年の著書なので)東日本大震災と原発事故を受けた原発反対運動に民主制の希望を見出す。民主制というのは決して多数決などではないし、社会を変えるためには、自らが動きながら、他者との関係性を変えていくことから始めなければいけない、というのは、東日本大震災から8年が経過したいまでも、決してアクチュアリティを失っていない。それは、現実の政治・社会は、それとは程遠い動きを見せていることの裏返しかもしれないが。。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    色々と書かれているため、印象に残ったことだけを書いておく。
    最も印象に残ったのは安保闘争に参加していた人々がどのような思いで、デモに参加していたのかがわかったことだ。1960年台は修正から15年しか経過しておらず、「戦争の記憶」が色濃く残っていた時代であり、また戦争になるのではないかという思いが国民の安保闘争への参加を強く促していたということを読み、今までに理解できなかった安保闘争が少し理科できたように思う。
    ただ、デモへの参加が共同体単位だったということが現在とは異なることだろう。
    現在は共同体単位から個人単位でデモに参加する時代となり、高度経済成長で一旦は崩壊した繋がりが新たにゆるい繋がりとなり、個人がそれぞれの方法で社会に訴えかける時代になっているのではないかと感じた。

  • 【要約】


    【ノート】

  • ゼミの先生のイチオシだったので、読みました。

    関係にお金を代替するやり取りの中では幸福は感じられない。お金は幸福への手段であって、それが目的になったとき、幸福は遠ざかる。デモも同じで、目的を達成するための手段が、いつの間にか目的にすり替わる。正義ある目的のために活動する政治家も、いつの間にか目的達成のための集票を目的とするようになる。だからこそ目的を見据えて行動する必要がある。
    聖と俗という考え方や、資本主義の発展についても詳しく書かれ、貨幣の発生や民主制などについても触れている。

    公と私、聖と俗という考え方は、キリスト教の根付いた国ではいまだに日常的なことで、仕事や家のことは俗、思想や儀式は聖、俗に属していることは仕方なく行うという考え方のようだ。
    日本ではさまざまな時代背景から、仕事があるだけでありがたい、忙しいことは美徳とされてきたが、ポスト工業化にあっては時代錯誤なのかもしれない。

    例えば弁証法や再帰性などの、哲学や経済に関することばが、家族や恋愛、友達の関係にも応用できるという点をわかりやすく説明してくれた点が良かった。社会を変えるには、というテーマでありながら、ポスト工業化の中でなぜ原発は推進され、政府が後に引けなくなったのかということなど、関心のある原発に関する知識が深まった。
    また、ポスト工業化の中で、日本社会が包括的な社会保障ではなくカテゴリ別の社会保障を用意していることなど、日本社会の抱える問題とその限界、その歴史背景も広く学ぶことができた。

    デモに参加したくなった。

  • 思ったよりためになった。

全182件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

慶應義塾大学総合政策学部教授。
専門分野:歴史社会学。

「2023年 『総合政策学の方法論的展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小熊英二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×